物件データ
約20年前に建てられたご実家で、軽量鉄骨3階建てのヘーベルハウスを受け継いだお施主さま。クラフトで床や壁などをすべて取り払い、躯体のみの状態から行うデザインリフォームをしました。構造上、移動や撤去のできない柱やブレース(筋交い)だけを残し、間取りから造り直すリフォームです。1階はSIC(シューズインクロゼット)やWIC(ウォークインクロゼット)などの収納スペースを拡充。洗面台や浴槽をひと回り大きくするなど、使い勝手の良さを高めました。2階は、ワンフロア全てをLDKとし、大空間を実現。リビングとダイニング・キッチンを仕切る場所にあった階段は壁の一部を大胆に撤去。壁内部にあるブレースをあらわしにし、デザインとして取り入れ、見た目の抜け感を高めています。3階の寝室には大きなWICと子ども部屋を設けました。
BEFORE写真
デザインだけでなく、防水性など
住宅としての基本的な性能を確立
新築から約20年間、定期的なメンテナンスを行っていなかったため、本来の住宅性能を取り戻す必要がありました。屋上やバルコニーの防水工事はもちろん、外壁は塗装を塗り替え、住まいの基本性能を確立。その上で広いLDKや充実した収納スペース、好みの内装など、お施主さまの趣味とライフスタイルに合わせた間取りとしました。
白いレンガタイルの
アクセントウォール
リビングの1面にあった窓を塞ぎ、白いレンガタイルのアクセントウォールに。残る2方向からの窓で採光は十分にとることができます。そしてこここに壁掛けテレビを設置し、サイドには3段の飾り棚を設けました。天井からのスポットライトがレンガに陰影を与え、印象深い空間となっています。
2階のワンフロアは全てLDKに
階段スペースを挟んで和室とLDKに分かれていた2階。このワンフロア全てをLDKとし、ウォールナット色のフローリングで統一。建具もなくし、間口をできるだけ広げ、過ごしやすいひとつの大きな空間としました。
タイルがモダンなキッチン
キッチンは従来あった位置と向きを変え、シンクとコンロのキャビネットが並列したⅡ型キッチンへ。ダークグレーのキッチンユニットに合わせ、コンロ側の壁はタイル張りとしました。床はデザイン性と掃除のしやすさを考慮し、モルタル色の塩ビタイル仕上げに。ダイニングから見えない奥には、家電や食品がストックできる収納スペースを設けています。3つ並んだペンダントライトもポイントです。
壁の一部をスケルトンに
リビングとダイニング・キッチンを隔てる位置にある階段。この壁の一部を撤去し、より繋がりのある空間へ。構造上外せないブレースは壁と同じ白に塗装し、デザイン的なアクセントとしました。
リモートワークにも最適
スタディコーナー
リビングの一角には、家族の誰もが使えるカウンター式のスタディコーナーを設けました。上下の収納だけでなく、出窓の天板も同色で揃え、一体感を演出。またサイドの収納は下部を空け、壁にコンセントを設置。ロボット掃除機がすっきり収まる設計としました。
ヘリンボーン張りの寝室
かつては和室だった3階の寝室は、北欧テイストに一新。奥さまの希望により、床はオーク材のヘリンボーン張りとしました。壁や寝具は、落ち着きのあるブルーグレーで統一。勾配天井となっている引き戸の先はWICとし、使いやすい位置にハンガーパイプを設置して、空間を有効利用しています。天井も床と合わせた木目で揃えました。
使いやすい洗面室
脱衣室とトイレを兼ねていた、浴室脇の空間は洗面室に変更。不便だった段差も解消し、使いやすい広さを確保しました。また洗面ボウルを片側に寄せた洗面台を造作し、タオルや着替えなどもこちらに収納可能。正面にはデザイン性と防水性を兼ね備えたモザイクタイルを設置しました。
収納スペースを充実させた玄関
土間から廊下にかけてはバリアフリーの平面構造とし、廊下の床はヘリンボーン張り。一番手間右の扉はSICとなっており、靴や傘だけでなく釣り竿やスキー・スノーボード用品もしまえる空間に。内部に設けた棚板は可動式なので、収納する物の大きさや形に合わせることができます。また廊下の手前右側はコートなどを収納できるWICとしました。
ミニギャラリーのような空間
玄関に設けたSICの向かい側には腰高の玄関収納を設け、よく使う靴などはこちらへ。その上部には小さな六角形のモザイクタイルをほどこし、さらにきれいな影を浮かび上がらせるペンダントライトを設置。お気に入りのオブジェや絵画などを飾る、ミニギャラリーのような空間となっています。