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スケルトンリノベーションは、建て替えよりも費用を抑えられるというメリットがありますが、場合によっては高くなるケースも。この記事では、スケルトンリノベーションに関するメリットや注意点、工事の流れ、費用について、実際の事例とともに解説します。
スケルトンリノベーションとは?
スケルトンリノベーションとは、住宅の内装や設備をすべて解体し、骨組み(構造)だけの状態にしてから間取りと内装、場合によっては外観を一新する方法です。スケルトンリフォームやフルリノベーションとも呼ばれることがあります。いずれにしろ間取り変更の自由度が高く、「住まいを思いっきり変えたい」という方におすすめです。
スケルトンリノベーションの4つのメリット
スケルトンリノベーションだからこそ得られるメリットがあります。具体的に以下の4点があります。
建て替えよりも費用を抑えられる
戸建てを建て替えると費用が高くなりがちです。しかし構造や建物の状態によりますが、スケルトンリノベーションで既存の構造躯体を活用できれば、新築や建て替えよりも費用を安く抑えられます。
間取りを大きく変えられる
間取りやデザインを一から考えられるのもスケルトンリノベーションの魅力です。内装や外装を統一する・新しい設備を取り入れるなど、ライフスタイルに合わせて細部までこだわることができます。
断熱性を上げられる
年数が経っている住宅では、断熱材が入っていなかったり、断熱材が劣化して寒さ・暑さが気になることも。スケルトンリノベーションにより壁・床・天井裏などに断熱材を入れることで、暮らしやすい住まいに一新できます。
構造の劣化や腐食を発見できる
壁や床を解体するため、配管や構造部分の劣化・腐食などを発見しやすいというメリットも。もし発見したら修理や補強ができるため、この先も長く快適に住みつづけられるでしょう。
スケルトンリノベーションを行う3つのデメリット
スケルトンリノベーションには注意すべき点もあります。以下3点を踏まえたうえで、工事をいつ・どのように行うかを判断しましょう。
費用がかさむ場合もある
スケルトンリノベーションは建て替えよりも費用を安く抑えられるものの、大規模な工事なので費用自体は高くなります。また、解体作業で躯体の劣化が判明した場合は、予定以上に費用がかかることも。とくに木造住宅はその傾向が強く、場合によっては建て替えた方がいいケースも。リフォーム会社に大まかな金額を聞き、リノベーションするか建て替えるかを検討しましょう。
工期が長引く場合もある
スケルトンリノベーションは、部分工事に比べると長い期間がかかります。工事期間とは別に、間取りなどのプランニング期間も必要になるため注意しましょう。戸建て住宅やマンションのおおよその工期の目安期間は以下のとおりです。
<戸建て>
・設計期間:約2ヶ月〜
・工事期間:約3ヶ月〜
<マンション>
・設計期間:約2ヶ月〜
・工事期間:約2ヶ月〜
上記はあくまでも目安です。工事内容や施工面積によって期間が変わるほか、外装もやり替える場合は、5ヶ月以上かかるケースもあります。そのためリノベーションは余裕をもって計画しましょう。
希望の間取りにできないことがある
間取り変更しやすいのがスケルトンリノベーションの魅力ですが、構造によっては、要望が叶わない場合も。とくにマンションでは、直床や排水の関係で水回りの移動が難しかったり、管理規約により制限がかかったりすることがあります。
スケルトンリノベーションの流れ
ここでは、実際にスケルトンリノベーションを行うときの流れを説明します。
(1)リノベーション会社を探す
施工会社を探し始める前に、まずはリノベーションの目的を整理します。具体的には、以下の内容を考えておきましょう。
・現状の住まいの不満(リビングが狭い、収納が足りないなど)
・理想のデザインイメージ(画像などがあればベター)
・導入したい設備・機能
また、リノベーション会社ごとに得意分野は異なります。部分リフォームではなく、スケルトンリノベーション・フルリノベーションに特化した経験豊富な会社を選びましょう。
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(2)ヒアリング・現地調査・プラン提案
リノベーション会社を決めたら、相談を申し込みましょう。まずは初回ヒアリングで、希望の間取りやデザインを伝えます。その後は現地調査で住まいのを採寸し、リノベーションのラフプランを作成します。リフォーム会社なら基本的には相談会〜ラフプランの提案まで無料です。またCRAFTはリノベーション 完成後のイメージVRを作成します。
CRAFTの無料リフォーム相談
青山・自由が丘のお好きなモデルルームにて、リフォームのご相談を承ります。
(3)設計契約・詳細打ち合わせ
設計契約を締結し、詳細の打ち合わせがスタートします。具体的な内容は以下のとおりです。
・設計契約の締結
・詳細打合せ
・実施設計図作成
・予算調整
・再見積書のご提示
(4)工事請負契約・着工
上記のステップが完了すれば、工事請負契約を締結し、いよいよ工事開始。工事が完了すれば、完成した住まいのチェックを経て引渡しとなります。リノベーション後の不具合に備えて、施工後のアフターサービスが充実している会社を選ぶのがおすすめです。
・請負契約の締結
・本着工
・中間検査
・完了検査
※詳しくはCRAFTのリノベーションの流れをご覧ください
スケルトンリノベーションの費用は?既存を活かせばコストダウンに
スケルトンリノベーションの費用は、広さや建物の状態、やりたいことによるので一概には言えません。スケルトンリノベーションの事例を見て、ご自身のお住まいに近いケースと費用を参考にしてみましょう、「スケルトンリノベーションは住まい全体を変えるので、高額になりそう」というイメージがあるかもしれませんが、状態がよければ、既存を活かすことができます。例えば、お気に入りのバスルームや和室はそのまま残し、コストカットすることも可能です。
CRAFTのスケルトンリノベーション事例
スケルトンリノベーションがよりイメージしやすいよう、3つの事例を紹介します。
・事例1 スケルトンリノベーション(マンション)
デザインリフォーム・デザインリノベーションCRAFT #20702
築年数:22年
リフォーム面積:120㎡
工期:5ヵ月
費用:5,500万円
リビングに面した場所に、広めの小上がりがあったため、部屋全体はどこか窮屈な印象がありました。そこで、小上がりと廊下をすべて「LDKの空間」として取り込むことにより、広がりをもたらしました。
また、住まいの随所に木製のリブパネルを使用し、洗練された空間を演出しています。さらには、セントラル浄水器の設置や、インナーサッシ取り付けによる防寒・防暑対策を行い、住まい全体の機能性もアップしました。
・事例2 スケルトンリノベーション(マンション)
デザインリフォーム・デザインリノベーションCRAFT #20300
築年数:13年
リフォーム面積:150㎡
工期:4ヵ月
費用:6,400万円
元々は部屋数の多いマンションでしたが、間取り変更によって広々とした一体型のLDKに。また衣類やバッグがお好きなお客さまであったため、部屋数を減らしてクローゼットを拡張し、寝室にはショーケースを設けました。さらに、寝室・クローゼット・洗面室・LDKをすべて仕切り戸でつなげたことにより、スムーズな生活動線も確保しています。
・事例3 スケルトンリノベーション(戸建て)
デザインリフォーム・デザインリノベーションCRAFT #17303
築年数:40年
リフォーム面積:150㎡
工期:4ヵ月
費用:-万円
広々とした空間と眺めのよさが魅力の戸建て住宅。
スケルトンリノベーションで、住まいの魅力を一層引き出しました。まずは部屋数の多かったところを、和室や廊下を取り込んでリビングを拡大。窓を大きく開口し、床の段差を無くしたことで、リビングとテラスの境界線を曖昧にしています。いつも海を感じながら過ごせるようになりました。
スケルトンリノベーションはどのような方におすすめ?
スケルトンリノベーションはどのような方におすすめなのでしょうか。以下の項目に当てはまれば、検討すべきタイミングかもしれません。
家族構成が変化した方
子どもが生まれる・独立する、などで人数が変わるとき、あるいは子どもが成長して部屋が必要となったときは、リノベーションを検討するよいタイミングです。
建物の老朽化が進んできたと感じる方
内装・設備などの劣化を感じたら、スケルトンリノベーションがおすすめです。設備劣化と同じタイミングで、間取りも見直す方も多く見られます。
家事導線が悪く、使いずらさを感じる方
生活する中で、暮らしにくさを感じたら動線を見直しましょう。オープンキッチンにする・洗濯スペースを広くするなど、リノベーションを通して快適な住まいづくりが可能です。
住まいの性能をアップさせたい方
築年数が古いと、住まい全体の機能性がダウンする場合もあります。断熱工事や内部設備の交換などを行い、住まいを丸ごと性能アップさせたい人にもおすすめです。
<まとめ>スケルトンリノベーションで理想の住まいを実現しよう
間取り変更の自由度が高いのが魅力的なスケルトンリノベーション。一方で、思ったよりも費用が高くなる場合や、希望の間取りにできないケースもあるため注意しましょう。またリノベーションが完了するまでには、かなりの日数・工程がかかります。そのため余裕をもって計画を立てることが重要です。
CRAFTは、スケルトンリノベーションをはじめとした間取り変更・大規模工事を得意とする専門会社です。リノベーションを検討中、もしくは現在の住まいに関してお悩みの際は、まずはお気軽にご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。