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軽量鉄骨造や重量鉄骨造といった鉄骨造（S造）は、頑丈な鋼材という素材を活かし、建て替えよりも費用を抑えてリフォーム・リノベーションができるという魅力があります。この記事では、鉄骨造のスケルトンリフォームの費用、注意点やポイント、実際のスケルトンリフォームの事例について詳しく解説します。
鉄骨造のスケルトンリフォームとは？
鉄骨造のスケルトンリフォームとは、戸建てやマンションといった建物を一旦、骨格（骨組み/構造躯体）だけの状態にして行うリフォームのことです。戸建ての場合は柱と梁の骨組みの状態、マンションであればコンクリートの地肌が見えるところまで解体・撤去してリフォームを行います。構造躯体以外をすべて解体するため、間取りや内装、設備、また断熱工事や防音対策など、あらゆるリフォームができるというメリットがあります。
鉄骨造のスケルトンリフォームとは、戸建てやマンションといった建物を一旦、骨格（骨組み/構造躯体）だけの状態にして行うリフォームのことです。スケルトン（skeleton）には「骨格」「建物や船などの骨組み」という意味があり、ここからスケルトンリフォームと呼ばれています。
戸建ての場合は柱と梁の骨組みの状態、マンションであればコンクリートの地肌が見えるところまで解体・撤去してリフォームを行います。構造躯体以外をすべて解体するため、間取りや内装、設備、また断熱工事や防音対策など、あらゆるリフォームができるというメリットがあります。
鉄骨造のスケルトンリフォームにかかる費用は？
鉄骨造のスケルトンリフォームでかかる費用は、主に以下の3つです。
- ・解体・撤去費用
- ・補強工事費用
- ・リフォーム費用
ここからは、それぞれの費用について詳しく解説していきます。
解体・撤去費用
スケルトンリフォームでは、まずは建物を骨組み状態にするため、解体・撤去を行います。費用は坪単価で計算し、1坪あたり6〜7万円ほどの相場が一般的です。鉄骨造住宅の場合、木造住宅と比較すると坪単価が高くなります。
補強工事費用
スケルトンリフォームでは、骨組みの状態にまで解体するため、耐震補強や断熱リフォーム、防音リフォームなどを行うことで住まいの性能を高めることが可能です。どのような工事を行うかによって費用は大きく変わってくるため、あらかじめリフォーム会社に確認しておきましょう。
リフォーム費用
鉄骨造のリフォームの費用は、間取りや住宅設備のグレードなどによっても異なるため、見積りをとるまでわかりません。下記でもご紹介しますが、各リノベーション会社の鉄骨像のリフォーム事例に表記されている金額を参考にしましょう。
鉄骨造のスケルトンリフォームのメリット
ここからは、鉄骨造のスケルトンリフォームのメリットについて解説します。
〈1〉建て替えに比べて1/2の費用でリフォームできる
鉄骨造の新築（建て替え）は木造住宅よりも高額になるのに対し、リフォームの場合は木造住宅とそれほど費用は変わりません。鉄骨造のスケルトンリフォームの場合、建て替えに比べて1/2ほどの費用です。頑丈な骨格を活かしてお得にリフォームできるのは、鉄骨造の強みの一つです。
〈2〉間取り変更や配管の交換ができる
スケルトンリフォームは、建物の基礎だけを残してすべて新しくするため複数の部屋を一つの広い部屋にしたり、反対に大部屋を区切ったりと、自由に間取りを変更できます。また、部分的なリフォームではできない配管の修理や交換も可能です。
〈3〉家の性能を高められる
スケルトンリフォーム時に最新機能や設備を追加することで、家の性能を高められます。例えば、「冬は寒く、夏は暑い」といった悩みがある場合、壁・天井に断熱材を入れれば断熱性を向上させることが可能です。その他にも、耐震補強や防水性を高めるリフォーム、防音リフォームなど、必要に応じた対策を行うことで、住まいをよりよい環境にできます。
鉄骨造のスケルトンリフォームのデメリット
ここからは、鉄骨造のスケルトンリフォームのデメリットについて見ていきましょう。
〈1〉工期が長くなる傾向にある
鉄骨造のスケルトンリフォームは、部分的なリフォームよりも工事の範囲が広くなるため、工期が長くなります。工期は家の大きさや搬入口・搬出口の広さや構造躯体の劣化具合、時期なども影響するため、他の物件との比較が難しい部分です。あらかじめリフォーム会社に工期の目安を確認しておくようにしましょう。
〈2〉仮住まいが必要
スケルトンリフォームは間取り変更や配管の交換、耐震補強や断熱対策ができるというメリットがありますが、家を骨組みの状態にするため、暮らしながらのリフォームはできません。仮住まいをするなど、一時的な引っ越しが必要です。
鉄骨造のスケルトンリフォームの際の注意点・ポイント
ここでは、鉄骨造のスケルトンリフォームの際を行う際の注意点やポイントを解説します。
〈1〉リフォームできること・できないことを知っておく
鉄骨造の構造には「ラーメン構造」と「ブレース構造」があります。ラーメン構造は、部材同士を一体化させる剛接合によってしっかりと固定されているため、柱の本数を減らして広い空間を確保したりと、間取りの自由度が高いことが特徴です。
ブレース構造では、柱と柱の間に対角線上にブレース（筋交い）を配置することで強度を保ち、地震や暴風などから建物を守っています。ブレース構造の場合、リフォーム・リノベーションの際にブレースによる制限が出ることがあります。
ただし、ブレース構造だからといってリフォームできないわけではありません。知識や経験が豊富で、ブレース構造のリフォームが得意な会社に依頼すれば、「ブレースを露出して視線の抜けをつくる」「ブレースを間仕切りとして活用する」といった方法で、理想とする間取りを実現できます。
〈2〉サビ対策を行う
鉄骨造の住宅は鋼材を使用しているため、サビ（錆）に注意が必要です。防錆加工がされているものの、結露や雨漏りがあるとサビの原因になるため、防水性を高める、風通しを見直すなどのサビ対策を行いましょう。
鉄骨造は木造住宅のようにシロアリ被害や木材の腐食が起こらないため、サビさえ気をつければ長く住み続けることができます。
CRAFTのスケルトンリフォームの事例＆費用
ここからは、CRAFTのスケルトンリフォームの事例を費用や工期と合わせてご紹介します。
〈リフォーム事例1〉
鉄骨造の3階建てをペットサロン兼住宅デザインリフォームしました。店舗内には受付、トリミングルーム、バスルームを設置。犬のことを考えて床には滑りにくいタイルを使用しました。タイルは一部壁まで貼り、水洗いもできるようにしています。2階と3階の住宅にはモダンなインテリアを採用し、のんびりとくつろげる落ち着いた雰囲気に。床には一枚一枚表情が異なるアンティークレンガのようなタイルを使い、美しさの中に遊び心も加えています。
費用：7200万円
工期：6ヵ月
リフォーム面積：192㎡
築年数：17年
〈リフォーム事例2〉
1階が倉庫、2階と3階が住居というご実家の1階部分を、デザインリフォームでモダンな住宅にしました。重量鉄骨のブレース構造であったため、構造上なくせない柱とブレース（筋交い）はリビングとダイニングの間仕切りとして活かすことに。グレーに塗装したブレースはダイナミックな印象がありつつ、広々としたリビングにホテルラウンジのようなモダンで上質な落ち着きを与えています。
費用：4650万円
工期：5ヵ月
リフォーム面積：119㎡
築年数：45年
〈リフォーム事例3〉
3階建ての戸建てを、家族5人とお母さまで暮らせるよう二世帯住宅としてリフォーム。二世帯が一緒にのんびりとくつろいで一緒に過ごせるよう、2階部分に広々としたLDKを設けました。お手持ちの民芸家具と馴染むようにシンプルにまとめたLDKとバルコニーは、大きな一枚のFIXガラス窓で間仕切りすることで、外からの光がたっぷりと差し込むように。西側に位置しているため、Low-Eの複層ガラスを採用し暑さ対策を行っています。
費用：4145万円
工期：4.5ヵ月
リフォーム面積：179㎡
築年数：16年
〈まとめ〉鉄骨造のスケルトンリフォームなら住宅の機能性も高められる
鉄骨造のスケルトンリフォームは、建物を一旦骨格のみにして基礎の状態から行う大規模なリフォームです。間取り変更や劣化した配管の交換、耐震補強や断熱対策などができ、内装・外装はまるで新築のように生まれ変わります。
それに加え、新築や建て替えに比べるとコストは約1/2に抑えられることもメリット。節約した分の費用を最新設備・機能の追加に回せば、お得なリフォーム・リノベーションが可能です。ただし、大規模なリフォームとなるため工期は長くなり、一時的な引っ越しになるため事前準備をしっかりと行うことが大切です。
CRAFTは、デザインリフォーム・リノベーションの専門会社です。スケルトンリフォームもこれまで多く手掛けており、事例も豊富です。CRAFTではプランご提案時にVR（バーチャル・リアリティ）を制作しているため「リフォームでどのくらい変わるのか想像できない」という方も、安心してご相談ください。
＜著者＞CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。
