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「管理費・修繕積立金は安ければいい」は大間違い!管理で決まるマンションの価値

「管理費・修繕積立金は安ければいい」は大間違い!管理で決まるマンションの価値
「管理費・修繕積立金は安ければいい」は大間違い!管理で決まるマンションの価値

「マンションは管理を買え」と言われるほど、管理体制が重要です。なぜなら共用部が清潔で、植栽もきれいに手入れされ、しっかり修復されたマンションなら、築年数が古くても高く評価される。つまり資産価値が落ちないからです。そのよい例がヴィンテージマンションです。

しかしマンションを美しく保つには、それなりの管理費と修繕積立金がかかります。だからこそ「管理費と修繕積立金は安いほうがいい」というのは大間違いなんです。マンションの管理状況とメンテナンス状況に対して、「管理費と修繕積立金が妥当かどうか」を見極めることが大切になってきます。

マンションの管理費は、どんなことに使うの?

マンションの住民によって、マンションの管理組合が組織されます。実際の管理は外部の管理会社に委託しますが、住民の立場でマンションをよりよくするために定期的に意見を交換します。「よいマンション」の管理組合は、管理会社に管理を丸投げすることなく、資産価値を守るために主体的に動きます。

では、マンションの管理費がどのようなことに使われているかをご存知でしょうか?

〈管理費の用途の一例〉

・共用部の水道光熱費(エレベーター、電灯、冷暖房など)
・共用部分の電球などの消耗品
・管理人や清掃人件費(管理会社への委託費に含まれる)
・エレベーターや火災装置などの定期メンテナンス費用
・各住戸の排水管の定期清掃費用
・エントランスなどの植栽の手入れ
・共有部の火災保険料
・管理組合の運営費
・マンションのイベントの運営費(クリスマス会など)

こちらはあくまで一例で、マンションごとにも違います。管理組合の議事録には「何の用途でいくら使ったか」が記載され、数百円単位で管理されています。不正に使われる…ことはありません。

ここをチェック! 管理費が高い中古マンションの特徴とは

それでは、管理費が高い・低いはどうやって判断したらいいのでしょうか?

国土交通省によると、首都圏マンションの管理費の平均は217円/m2(平成30年度調べ)。70m2のマンションだと15190円が平均ですね。「これよりも上なら、管理費が高い!」と判断するのはまだ早いかもしれません。管理費は、共用施設やマンションのグレードによって変わってくるため、値段だけでは判断できません。

都内の管理費の平米単価は200円~500円くらいまで開きがあり、70m2の広さだと最大21000円もの差が生まれます。管理費が高くなりがちなマンションの特徴に

・共用部が豪華な高級マンション
・タワーマンション
・総戸数が少ない(50戸未満)

というものがあります。プールやスポーツジムの管理人、24時間体制のコンシェルジュなど、設備が豪華になればなるほど管理費が高くなります。設備の充実した高級物件ほど、管理費が高くなるのはなんとなく想像できますよね。

また管理費は、マンションの総戸数によっても変わってきます。ざっくり言えば「管理費の総額を何世帯で負担するのか?」。マンション維持にかかる金額を、総戸数で割ったのが管理費です。(正確には平米数で負担額が変わります)そのため50戸未満の小規模マンションなどは、一世帯あたりの負担額が大きくなるのです。

一方で大規模なマンションなら、エレベーターを増やしたり、ライブラリースペースなど共用設備が充実してても、一世帯あたりの管理費は抑えやすくなります。「大規模マンションほどスケールメリットが大きい」と言えそうです。

ただし、大規模でもタワーマンションは例外。20階以上・70m2のタワーマンションの平均的な管理費は月々21420円で、同じ広さの一般的なマンションより6000円ほど高くなります。コンシェルジュや警備員の人件費、ラウンジやフィットネスの維持費、ゴンドラによる窓の清掃….これだけサービスが充実してると、総戸数が多くてもやはり高くなってしまうのです。

忘れてほしくないのは「マンションの管理費は『サービスの内容』に比例している」ということ。出張時にただ寝るために泊まるビジネスホテルには最低限のサービスしか求めないけれど、家族と休日を過ごすリゾート高級ホテルには、手厚くサービスしてほしい。プールやスパがあったらうれしい。管理費も同じように、受けたサービスの対価です。

もし「管理費を抑えたい」なら、総世帯数が多いマンション、共用設備がシンプルなマンションを選ぶとよいでしょう。

中古マンションの管理状況がわかる4つのポイント

「マンションの管理費は、施設や管理内容に比例する」ことがわかりました。共用施設が充実していて、管理状況がよければ、管理費が高いのは当然です。

でもここで「そのマンションにある施設はすぐにわかるけど、管理状態ってわかりにくいよね」という問題がひとつ出てきます。そういうときは、以下の4つをチェックしてみましょう。

〈1〉エントランス

ゴミが落ちていないか?ガラスに手垢などがついていないか?照明が消えたままになっていないか?といったことを、内見時にまずチェック。続けて掲示板もチェックしておきましょう。古いお知らせが掲示されたままだとしたら、「管理状況がよい」とは言えません。

〈2〉ゴミ置場

ゴミ置場のようにあまり見えない場所ほど、住民の意識があらわれています。よい住民は、ゴミ出しのルールをしっかりと守って出し方もきれいです。逆にゴミが散乱していたり、大型ゴミにシールを貼らずに放置されている場合は住民の意識が低く、また清掃が行き届いていないと言えるでしょう。内見の際は、ぜひチェックしましょう。

〈3〉駐輪所

自転車が倒れていたり、ゴミが落ちていたりとマナー違反な自転車が多ければ、それだけマナー違反な住民がいるということです。ささいなことですが、きちんと駐輪されているかも見ておきましょう。

〈4〉マンション管理組合の議事録

管理組合の理事会で議題にあがった内容は、議事録に残ります。管理組合で使ったお金、管理費の滞納額、喫煙問題や騒音などマンションが抱えている問題が嘘偽りなく記載されいます。逆に議事録にあまり内容がない場合は、管理組合がほとんど機能せず管理会社に丸投げしている可能性も。管理状況がちょっと心配になってきます。管理組合の議事録は、マンション購入予定者も見られるケースと見られないケースがあります。そのような場合は、次でご紹介する「修繕積立金の額」で管理状態をある程度判断できます。

修繕積立金は何に使うの?相場はどのくらい?

管理費と同じくらい大切なのが、「修繕積立金」です。ざっくり言うと「マンションをメンテナンスするための貯金」です。戸建てでも古くなったら外壁や屋根をやり変えますよね。マンションはその規模が大きいため、何千万円もかかります。そこで「みんなで少しずつ貯金して、修繕に備えましょう」という考えで、貯めていくのです。

具体的には、以下のようなことに使われます。

〈修繕積立金の使用例〉

・10年~13年ごとの大規模修繕
(外壁・屋上防水・配管の補修、共用廊下、バルコニーなどの手すり塗装など)
・機械式駐車場、ラウンジといった設備の補修
・エレベーターの部品交換
・天災による被害の補修
など

東日本不動産流通機構によると、首都圏の修繕積立金の平均相場は、11,071円/月(令和2年度調べ)。最近ではメンテナンス費用のかかる機械式駐車場をなくし、修繕積立金を抑えているマンションも増えています。しかしそういう努力もないのに修繕積立金が安すぎる場合は注意しましょう。マンションの修繕費用が足りずに追加徴収される可能性があるからです。

また修繕積立金が段階的に上がっていくケースがありますが、それは修繕積立金の「積立方法」が関係しています。

・均等積立方式…生涯必要な修繕費用から、毎月同じ積立金を支払う。よって月の支払いが高め。
・段階増額積立方式…積立金が徐々にアップしていく。はじめは安いけれど、後半は高額に。

段階増額積立方式を採用しているマンションは、築年数が古くなるほど修繕積立金が高くなります。中古マンションを買う際は、「長期修繕計画書」をチェックして、どのような積立方法になっているかを確認しましょう。

(まとめ)管理状態や修繕状況は重要、資産価値に影響する

「マンションは管理を買え」と言われるほど管理状態は大切です。管理状態がよいマンションはいつも清潔で、安心して快適に暮らすことができ、地域でも名の通ったマンションになるはずです。しっかり修繕され、いつまでも価値を維持できるマンションなら、将来賃貸に出したり、売却するときにもスムーズ。つまり資産価値を維持しやすくなるのです。このような理由で管理費や修繕積立金が高くなるなら、ある程度は納得すべきではないでしょうか。

なによりも管理が行き届いたマンションは、日々の暮らしを快適にしてくれます。

中古マンションを探す際は、できれば事前に「重要事項調査報告書」を取り寄せ、「管理内容」と「修繕内容」を調べましょう。CRAFTではご希望があれば、物件の検討段階でお調べすることもできます。ぜひご相談ください。

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<著者>中野 瀬里乃

大学卒業後、出版社・フリーライターを経て、2013年リノベーション会社CRAFTへ入社。自社HPやオウンドメディアにてリノベーション・不動産・建築・インテリア関連の事例紹介やコラムを多数執筆。

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