目次
新築の家にはない魅力を備えている中古の家。ただ、中古の家には中古ならではのデメリットもありますし、注意点もあります。この記事では、中古の家を買うときに知っておきたい基礎知識を、まとめてわかりやすく紹介していきます。
中古の家を買うメリット・デメリット
新築ではなく中古の家を買う主な〈メリット〉としては、
・価格が安い
・選択肢が多い
・実物を見て購入できる
などが、あげられます。
中古の家を買うときのメリットの中でも特に大きなメリットと言えるのが「価格」です。建物の価値はその住宅に住み始めた直後から下がり始め、一般的な木造住宅だと築25年で「0」になるとされています。戸建ての価値は築10年で新築の半分ほどになるため、新築に比べるとかなりお得な価格での住宅購入が可能です。
*関連記事*
中古住宅の狙い目の築年数は20〜25年! メリットと注意すべき物件の特徴
新築で住宅を建てるときは土地から探す必要があるためどうしても選択肢が少なくなってしまいがちで、人気の地域や立地の良い場所の土地を確保して新しく住宅を建てるのは至難の業です。一方、中古住宅は既存の住宅が購入対象となるので、人気の地域や駅チカなど立地の良い場所に住宅を購入できる可能性があります。
また、実物をしっかりと確認した上で購入することで購入後の後悔が起こりにくい点も、中古住宅ならではのメリットになります。
このように、新築にはないさまざまなメリットのある中古の家ですが、デメリットがないわけではありません。中古の家を買うときに注意したい主な〈デメリット〉としては、
・修繕費用が高くなってしまう可能性がある
・仲介手数料の支払いが発生する
・住宅ローンの審査が厳しくなる
などがあげられます。
中古の家は建てられてから数年、あるいは数十年経過している住宅なので、住宅そのものや導入されている設備が劣化してしまっている可能性があります。その場合、修繕費用が発生したり、修繕の内容や必要な箇所によっては費用が高くなることもあるため注意しなくてはいけません。
中古の家を買うときには不動産業者に対して仲介手数料を支払う必要がありますが、仲介手数料は物件価格の3~5%程度。仲介手数料の支払いが発生してしまう点も、中古住宅ならではのデメリットです。(そのぶん建売新築の広告費は上乗せされていません)
また、年々建物としての価値が低下し続ける中古の家は、住宅ローンの審査に通りにくくなったり希望した金額でのローンが組みにくくなったりしてしまうといった懸念点もあります。
*関連記事*
中古の家を買うときの資金計画の注意点
中古の家を買うときの資金計画における主な注意点としては、
・トータルの費用
・予算
・住宅に求める条件
これら3点の把握が重要になります。
住宅購入時に発生する費用は土地代や建物代だけではありません。
・印紙税
・登録免許税
・不動産取得税
・住宅ローン関連の諸費用
・火災保険料
など、さまざまな費用が発生します。リノベーションを前提に購入するのであればリノベーション費用についても考慮しなくてはいけません。中古の家を買うときは、購入費用とリノベーション費用をしっかりと把握し、予算内でまかなえるかどうかを考慮しましょう。
また、予算をオーバーしてしまわないためにも、住宅に求める条件も明確にしておきましょうより良い条件の住宅は値段も高いので予算をオーバーしてしまいがちです。
前もって住宅に求める条件を明確にして優先順位をつけておけば、ブレない物件選びができて満足度も高いでしょう。
中古の家を買うときの物件選びの注意点
中古の家を買うときの物件選びにおける主な注意点としては、
・耐震性やハザードマップの確認
・違法建築物件でないかどうかの確認
・増築や改築できる物件かどうかの確認
・周辺環境のチェック
・リノベーション費用の確認
などがあげられます。
住宅の耐震基準には新耐震基準と旧耐震基準がありますが、旧耐震基準だと大きな地震が発生したときのリスクが高くなるので、なるべく新耐震基準の物件を選ぶべきです。また、ハザードマップでその住宅が建っている地域の災害リスクについても確認しておく必要があります。
住宅を購入する場合、住宅ローンを組んで購入するケースがほとんどですが、建ぺい率や容積率の要件を満たしていない違法建築物件を選んでしまうと住宅ローンを組めなくなってしまうこともあるので注意しなくてはいけません。
住宅を購入するときは、将来を見据えた間取りのチェックや、将来的に増築・改築できる物件かどうかの確認も重要になります。住宅の中には構造的に大きな間取りの変更や増築・改築が難しい物件もあるので注意してください。
また、購入した住宅で生活していくことを考えると、物件だけでなく、
・最寄りの駅やバス停までの距離
・スーパーやコンビニ、病院など生活に欠かせない店舗や施設の充実度
・治安
など、周辺環境のチェックも欠かせません。
リノベーションを前提に中古の家を購入する予定なのであれば、想定しているリノベーションにかかるおおよその費用についても確認しておくようにしてください。
*関連記事*
中古の家を買うときの内覧時の注意点
中古の家を買うときの内覧では、「建物の状態」や「メンテナンス状況」を重点的にチェックするようにしましょう。内覧時はつい気持ちが高ぶってしまい住宅の作りやデザインにばかり目がいってしまう傾向にありますが、失敗したくないのであれば建物の状態やについてもしっかりとチェックしておかなくてはいけません。
建物の状態のチェックを疎かにしてしまうと、後々になって修繕が必要な箇所が発覚してしまいかねません。いくら住宅を安く購入できたとしても、修繕費が高くついてしまいうようでは意味がありませんので、デザインや設備だけでなく状態についてもよく確認しておかなくてはいけないわけです。
住宅の屋根や外壁は10~20年に一度の頻度で再塗装が必要になりますが、適切な頻度でメンテナンスされていない住宅の屋根や外壁には、
・屋根材や外壁材のズレ、破損
・色あせ
・剥がれ
・ひび割れ(クラック)
などが、見られます。
そのような住宅を購入してしまうと購入後に大がかりなメンテナンスを行わなくてはいけなくなってしまうので、そういった事態を避けるためにも建物の状態とあわせてメンテナンス状況の把握も必要になります。
*関連記事*
中古の家を買うときはリノベーションを検討しよう
中古の家を買うときは、リノベーションを前提にして計画を立てるのがおすすめです。
築浅の物件や売り主が定期的にメンテナンスしている物件など一部例外はありますが、築10年以上の中古戸建てはどこかしら修繕が必要な箇所があると考えるべきです。修繕が必要な部分をそのまま放置していると生活が不便になったり後々より大掛かりな修繕が必要になったりする可能性がありますが、購入時にリノベーションを行うようにすればそういった心配はなくなります。
また、「理想の住宅を実現しにくい」という中古住宅ならではのデメリットも解消可能です。注文住宅を新築してイチから形にするよりも「中古の家+リノベーション」の方が、より安く理想の住宅を手に入れられる傾向にあるので、予算が限られている方にこそおすすめの方法だと言えます。
*関連記事*
〈まとめ〉中古の家はプロと一緒に選ぶのが一番
中古住宅は、ならではのメリットが多く非常に魅力的ですが、新築にはないデメリットや注意点もあるので物件選びは慎重に行わなくてはいけません。
今回紹介した情報を参考にしながら物件をリサーチすれば失敗は避けられるはずですが、専門的な知識や経験が必要になる場面も多々あります。リノベーションを前提に物件を探すのであればなおさらです。
そのため、中古の家の購入は、知識と経験が豊富なプロにサポートしてもらいながら探すのが一番。
CRAFTでは、知識と経験が豊富な担当者が、建物の状態や周辺の環境を確認した上で物件を紹介しています。もちろん住宅ローンに関するご相談も承っていますし、リノベーションにかかる費用についても事前に提示しているので予算を大幅にオーバーしてしまうようなことがありません。
リノベーションを前提とした中古の家の購入は、ぜひCRAFTにお任せください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。