目次
高層階になればなるほど価格が高くなるマンション。高層階の部屋の方が優れていると思われがちですが、実は低層階である2階の部屋こそ最強だということをご存知でしょうか?マンションの2階の部屋のメリット・デメリットと、デメリットを解消して最強度を高められるとっておきの方法について紹介していきます。
マンションの2階の部屋を選ぶ4つのメリット
マンションの2階の部屋を選ぶ主なメリットとしては、
・コスパが高い
・移動がしやすい
・騒音トラブルが発生しにくい
・グリーンの景色を借景できる
の、4点があげられます。
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
1. 高層階の部屋に比べて価格が安くコスパが高い
2階は高層階の部屋と比べると、リーズナブルで手が届きやすく固定資産税も安く、物件としてのコストパフォーマンスが高いというメリットがあります。
部屋の階数による価格差はマンションによって異なりますが、1つ上の階になるだけで100万円以上高くなることもありますし、高層階の部屋になると数百万円単位の価格差が生じることも珍しくありません。また、平成29年の税制改正によって低層階の部屋の固定資産税が安くなるよう制度が変更されたため、数千円程度ではありますが、毎年の税金を節約できるようになっています。
これだけの価格差があるにも関わらず、コンシェルジュサービスなどの付帯するサービスについては高層階の人と同待遇のサービスを受けられるので、そういった面でも非常にコスパの高い物件だと言えます。
2. 移動しやすく時間や手間がかからない
2階の部屋はマンションのエントランスとの距離が近いため、高層階の部屋ほど移動に時間や手間がかかりません。
階段で移動するときでも一階層分の昇り降りで済むため、エレベーターを使わなくても楽に移動できます。毎朝の住人によるエレベーターの争奪戦に参加せずに済みますし、メンテナンスでエレベーターが使えないときでもほとんど影響を受けることがありません。
また、マンションで火事が発生したり地震などの災害が発生したときもすぐに外に避難できるというメリットもあります。
「高層階の部屋だと避難できない」というわけではありませんが、やはりどうしても避難するのに時間がかかってしまうので、時間をかけず素早く避難できる点は、低層階の2階の部屋ならではのメリットだと言えるでしょう。
3. 騒音トラブルが発生しにくい
マンションの中には一階に駐車場が設けられているタイプのマンションもあります。
そういったマンションでは2階が最低階になるわけですが、その場合、下の階との騒音トラブルに悩まされることがありません。下が駐車場になっているとお子さんが走り回って多少うるさくしたとしてもクレームが入ることがないため、小さなお子さんのいるご家庭にとって非常に大きなメリットになります。
4. グリーンの景色を借景できる
マンションは、高層階の部屋であればあるほど眺望が良いと思われてしまいがちですが、パークサイドや並木通りに面しているマンションであればグリーンの景色を借景できるので、2階の部屋でも十分に景色を楽しむことができます。
高層階の部屋のように遠くの景色を楽しむことはできませんが、近くの景色を楽しめる点は2階の部屋ならではのメリットです。
5. 地震発生時の影響が少ない
マンションの2階の部屋は、構造上、地震によって発生する揺れの影響を受けにくいという特徴があります。
日本の住宅は厳格な耐震基準が設けられていて地震に強いので高層階の部屋が危ないというわけではありませんが、揺れによる不安や恐怖を軽減しやすい点は2階ならではの大きなメリットだと言えます。
後悔しないために知っておきたい、マンションの2階の部屋を選ぶ4つのデメリット
魅力的なメリットが多いマンションの2階の部屋ですが、ならではのデメリットもあるため注意しなくてはいけません。
マンションの2階の部屋の主なデメリットとしては、
・低層階ならではのリスク
・外からの騒音
・害虫や害獣の存在
・湿気の存在
の、4点があげられます。
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
1. 高層階の部屋にはない低層階の部屋ならではのリスクがある
低層階にあたる2階の部屋には、高層階の部屋にはないリスクがあるため注意しなくてはいけません。
2階は外からでも十分に視認できる高さなので、プライバシーを確保しにくい傾向にあります。また、低層階だとどうしても不審者が侵入しやすくなってしまうため、防犯面でのリスクも高層階の部屋より高くなります。
周辺の住宅との距離が近いマンションや高層階の建物に囲まれている物件では日当たりにも注意しなくてはいけませんし、立地によっては浸水など自然災害のリスクも懸念されます。
2. 外からの騒音に悩まされやすい
低層階にあたる2階の部屋には、外部の音が聞こえやすく、騒音に悩まされやすいというデメリットもあります。
人通りの多い道路に面しているマンションだと通行人の話し声が聞こえてしまうことがありますし、大きな道路に面しているマンションだと車の騒音も懸念されます。線路沿いのマンションの場合、朝から晩まで電車の音に悩まされる可能性も。
騒音問題は生活の質を左右する大きな問題であるため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
3. 害虫や害獣が侵入しやすい
2階の部屋は階段からもアクセスしやすい点が魅力的だと紹介してきましたが、それは人に限った話ではありません。階段の上り下りが少なくアクセスしやすくなると、ゴキブリなどの害虫やネズミなどの害獣も侵入しやすくなるため、虫や動物が苦手な方にとっては大きなデメリットになってしまう可能性があります。
4. 湿気がこもりやすく底冷えしやすい
マンションの2階は地面から近く、湿気を取り込みやすいため、カビなどの湿気によるトラブルも懸念されます。日当たりの悪い部屋だとより湿度が高くなるため注意しなくてはいけません。
また、階下が駐車場になっているマンションであれば湿気の問題は解消されますが、その代わり底冷えしてしまいやすくなります。
マンションの2階の部屋ならではのデメリットはリノベーションで解決できる!
ならではのデメリットや注意点も多いマンションの2階の部屋ですが、それらのデメリットはリノベーションで解決できます。
「日当たりが悪くて部屋が暗い」という悩みは天井や壁のクロスなどに白を取り入れることで明るい雰囲気にできますし、騒音の悩みはインナーサッシで解決できます。間取りを変更して風通しをよくすれば湿気に悩まされずに済みますし、底冷えは床暖房やカーペットで十分に対応可能です。
コスパの良い2階の部屋を購入し、デメリットについてはリノベーションでカバーするという方法も検討してみてはいかがでしょうか?
マンション2階の部屋はこんな人におすすめ!
マンションの2階は最強の物件だと紹介してきましたが、以下の条件に当てはまる方であれば特におすすめです。
・購入価格を抑えたい
・小さなお子さんがいる
・移動距離を短くしたい
マンションの2階の部屋は高層階の部屋に比べてリーズナブルな物件が多く、コスパの高い物件が多いので、物件の購入にかかる費用を抑えたい方におすすめです。
また、小さなお子さんがいると足音などの騒音にも気をつかわなくてはいけなくなってしまいますが、1階が駐車場になっているマンションの2階の部屋であればその悩みもある程度解消されます。
低層階の2階の部屋は共用玄関までの距離が近いので、移動に時間や体力を使いたくない方にもおすすめです。
共用玄関までの距離が近い点は、小さなお子さんのいるご家庭にとってもメリットになります。小さなお子さんがいると一緒に行動するだけで体力を消耗しますし、時間もかかりますが、2階の部屋を選ぶことで共用玄関までの距離が近くなるとそういった問題もある程度軽減されます。
マンションの2階の部屋を購入するときにチェックしておきたい4つのポイント
2階の部屋ならではのデメリットは事前のリサーチでもある程度カバーできます。
購入する部屋を決めるときに確認しておきたい主なチェックポイントは以下の4点です。
・防犯面
・日当たり
・周辺情報
・防災マップ
小さなお子様のいるご家庭の場合は騒音トラブルが懸念されるので、階下に部屋があるかどうかについても確認しておくようにしましょう。また、リノベーションを前提に部屋を探すのであれば、「想定しているリノベーションを行えるかどうか」についてもチェックしておくようにしてください。
チェックポイント1. 防犯面
低層階の部屋は高層階の部屋に比べてプライバシーを確保しにくく、侵入されやすいという防犯上でのデメリットがあります。
植木やフェンス、外壁によってプライバシーが確保されているかどうかや、侵入されづらい構造になっているかどうかをチェックし、少しでも防犯性の高い物件を選ぶようにしましょう。
チェックポイント2. 日当たり
低層階の部屋はどうしても日当たりが悪くなってしまいがちです。
日当たりが悪いと湿気やカビなど別の問題も発生しやすくなるので、時間帯を変えて何度か内見し、時間帯ごとの日当たりの状態をチェックした上で購入するかどうかを検討するようにしましょう。
チェックポイント3. 周辺情報
マンションの2階の部屋は外からの騒音による影響を受けやすいので、購入する際は周辺情報についてもしっかりチェックしておかなくてはいけません。
繁華街や大きな道路に面している物件を購入してしまうと騒音に悩まされてしまいかねませんので、実際に現地を訪れ、うるさくないか確認した上で購入を検討することをおすすめします。
チェックポイント4. ハザードマップ
低層階の部屋は大雨による浸水など自然災害のリスクも考慮しながら物件を探さなくてはいけません。
国土交通省のハザードマップを確認し、自然災害による影響を受けにくい地域かどうかをチェックした上で購入を検討するようにしましょう。
その他のチェックポイント
小さなお子様のいるご家庭の場合は騒音トラブルが懸念されるので、階下に部屋があるかどうかについても確認しておくようにしましょう。
また、リノベーションを前提に部屋を探すのであれば、「想定しているリノベーションを行えるかどうか」についてもチェックしておくようにしてください。
マンションの2階は売れない?売れやすい物件の探し方
将来の住み替えを考えている場合、売却のしやすさも気になりますね。マンションは高層階の部屋ほど資産価値が高くなりますが、だからといって2階の部屋が売れないわけではありません。
ご紹介してきたとおり2階の部屋にはさまざまなメリットがあり、それらのメリットに魅力を感じる方もいます。特にエレベーターを使わなくてもよい点は、小さなお子さまのいる世帯にとっては非常に魅力的な物件だと言えるでしょう。
またリノベーションによって2階の部屋ならではのデメリットを解消できれば、より売れやすくなります。
ただ、騒音やプライバシーなどリノベーションで解消しにくいケースも。ここは物件の見極めどころです。外から覗かれにくいマンションや、騒音の少ない住宅街の物件を探すなど、売りやすさについても意識しながら物件を探すようにしましょう。
<まとめ>マンションの2階の部屋はリノベーションを前提とした購入がおすすめ
マンションの2階の部屋を購入するべきかどうかで迷っている方向けに、低層階にあたる2階の部屋ならではのメリットとデメリットについて紹介してきました。
マンションの2階の部屋は高層階の部屋にはないメリットがある魅力的な部屋ですが、デメリットもあるため、購入する際はそのデメリットをしっかりと理解した上で購入するようにしなくてはいけません。ただ、マンションの2階の部屋のデメリットはリノベーションによって解決できるものばかりなので、リノベーションを前提に価格の安い2階の物件を購入するというのも一つの手です。
リノベーションすれば、デメリットを解消できるのはもちろん、理想の住宅も実現できるようにもなるので、「なかなか理想的な物件が見つからない…」という方にもおすすめです。
マンションの2階の部屋のリノベーションは、実績豊富なCRAFTにご相談ください。リノベーションのみのご依頼はもちろん、中古物件探しからリノベーションまでワンストップでお任せいただけます。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。