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「モダンなリビングにしたい」「ホテルライクなシンプルモダンが理想」といった声をよく耳にします。しかし「モダン」といっても、北欧モダン、モノトーンモダン、シンプルモダン などさまざまなスタイルが。どんなスタイルが、ご自身にぴったりなのでしょうか?
本記事ではCRAFTのリフォーム・リノベーション事例をご紹介しながら、モダンなリビングのつくり方をお伝えします。
(公開日2023.11.11 更新日2024.6.5)
モダンインテリアの基本を知って、好みのスタイルにアレンジを
モダンなインテリアには、次の3つの特徴があります。
・ラインを強調したデザイン
・ツヤのある無機質な素材を使う(ガラス、石、金属など)
・無彩色(白、黒、グレー)が中心
装飾を控えめにした生活感の少ないモダンインテリアはをご自宅のリビングなどに取り入れると、すっきりした暮らしが楽しめます。
一方で、あまりに生活感がないとくつろげないことがあります。そこで、モダンインテリアをベースとして、
・デザイナー家具やシャンデリアを使った「ラグジュアリーモダン」
・木や植物で、温かみをプラスした「ナチュラルモダン」
・北欧家具や北欧柄をアクセントに使った「北欧モダン」
など、異素材や特徴的な家具をミックスしたリフォームにより、オリジナリティーを出すのもおすすめです。
〈リノベーション事例1〉ラグジュアリーモダンなインテリア
「ラグジュアリーモダン」は、モダンインテリアに高級感を加えたスタイルです。高級感がありつつ優雅にくつろげる、ハイクラスのホテルのような雰囲気が魅力です。ラグジュアリーモダンにふさわしい要素としては、壁に飾るアートやシャンデリア、デザイナー家具などがあります。
こちらのリノベーション事例では、リビングダイニング全体に上品なグレージュカラーを使い、直線的なデザインのキッチンや皮張りのソファの質感でモダンな印象に仕上げました。そこへ、もともとお持ちだったcassinaのソファやBaccaratのシャンデリアを合わせ、ラグジュアリーモダンなリビングにアレンジ。ラグジュアリーな家具や照明に加え、ヘリンボーンの床やモールディング、イタリア製の大理石タイルがリビングを華やかに彩っています。
〈リノベーション事例2〉白のシンプルモダンなインテリア
「無機質な空間にしたい」というご要望により、白で統一したリビングにデザインリフォームしました。わずかな光を拡散する白は、窓の確保が難しいマンションに最適のテーマカラーです。
リビング正面の壁に2つの箱が折り重なっているかのような凹凸をつくり、光の陰影で奥行と表情を演出しました。
さらにホテルライクな空間を実現するため、下がり天井内にエアコンを格納しルーバーで目隠ししたこともポイントです。白いリビングにふさわしい無機質さ、光のやさしさを感じる理想の住まいとなりました。
〈リノベーション事例3〉グレーベージュのモダンなインテリア
お気に入りの絵画やオブジェが引き立つように、邸内をグレーベージュでまとめた上品なリビングです。石目模様のタイルやモザイクタイル、サイルストーンといった上質な素材を随所に散りばめ、エレガントな空間に仕上げています。
テレビボードの天板はアッシュの突板、下部はダークグレーのメラミンボードで製作して落ち着いた雰囲気でまとめました。
ダイニングからキッチンへと続く壁面にはピクチャーレールを取り付け、お気に入りの絵画が映えるディスプレイスペースとしています。下部に腰高の収納カウンターを設置して、生活感を隠しつつ写真やオブジェといった大切なアイテムを飾れるように。シンプルモダンな空間で、好きなものに囲まれて暮らせるようになりました。
〈リノベーション事例4〉クールモダンなインテリア
ダイナミックな吹き抜けが美しい、開放的なリビングのリフォーム事例です。
吹き抜けの壁面は、ライトグレーのタイルを縦長に貼って天井高を強調。3灯のブラケットライトをランダムに設け、タイルの美しさを際立たせています。さらにオーディオ機器収納を埋め込み、壁面をフラットに仕上げたこともポイントです。
長いコードが特徴的なペンダントライトは、コードのバランスや光の方向を見極めながら慎重に配置。広々としたLDKを象徴する、開放感たっぷりの美しい空間が誕生しました。
リビングに比べてこもり感のあるキッチン・ダイニングはグレイッシュトーンでまとめ、家族団らんを楽しめるリラクシーな雰囲気を重視。鉄釉陶器のようなどっしりとした重厚感が魅力的なキッチンは、kitchenhouseでオーダーした特注です。多彩な表情のタイルが空間を飾る、モダンで洗練された住まいとなりました。
〈リノベーション事例5〉ナチュラルモダンなインテリア
「ナチュラルモダン」は、ベースとなるモダンインテリアに、木や観葉植物など自然素材をミックスしたスタイルです。
床や天井の温かい木の質感や、リビングの窓から見えるゆたかな緑が印象的なこちらの事例では「ナチュラルモダン」をテーマにリノベーションを進めました。キッチン周りの収納は扉付きで生活感を抑え、直線的なデザインでモダンな印象にまとめています。一方で、リビングから見える景色を取り込むように、自然素材をふんだんに使用。床は温かい色味のオークを貼り、天井のルーバーからは木漏れ日のような光があふれ、リビングを優しく照らします。
上質感あるarflexのソファとコーヒーテーブルが柔らかさをプラスし、リビングらしいリラックスした雰囲気を作り上げています。
〈リノベーション事例6〉黒のモノトーンモダンなインテリア
「モノトーンモダン」は、モノトーンカラーを取り入れたモダンスタイルのことです。色味を白と黒に統一することで、モダンインテリアのすっきりとした印象がより際立ちます。
こちらの事例は、モードなファッションがお好きというご夫婦がお住まいのリビングです。リノベーションでは、生活感が出にくいようキッチンを独立させ、黒を多めに使う「モノトーンモダン」をコンセプトにリビングを含めてフルリノベーションしました。
全体の床を黒で統一し、壁や天井、造作した本棚も同じトーンで揃えたインテリアは、非日常的な雰囲気です。床は無垢フローリング、壁は天然石と上質な素材を使い分けることで、モダンで洗練されたリビングに仕上がりました。
〈リノベーション事例7〉クラシカルモダンなインテリア
「クラシカルモダン」は、現代的なモダンテイストに、古典的な要素をミックスしたスタイルです。ヨーロッパの伝統的な建物で使われる、塗壁やモールディング、ヘリンボーンの床といった古典様式に、直線を使う現代的なデザインや無機質な鏡面仕上げの家具を組み合わせるようなインテリアが代表例です。
こちらのリノベーション事例では、リビングの色味を抑えつつ、床はクラシカルなフレンチヘリンボーン張りをセレクトしています。グレイッシュな塗装で木目を際立たせ、クラシカルな貼り方をモダンな家具とうまく調和させました。
〈リノベーション事例8〉和モダンなインテリア
「和モダン」は、日本の伝統的な「和」のデザインをスタイリッシュなモダンインテリアに調和させたスタイルです。障子や畳、襖など日本の伝統的なデザインは、直線が多用されており、実はモダンインテリアとも相性の良いもの。木や竹、和紙などの素材を積極的に取り入れることで、モダンなインテリアに柔らかさや温かみが加わります。
戸建てをリノベーションしたこちらのリビングでは、和の趣とモダンインテリアが見事に調和した「和モダン」なインテリアが実現しています。ソファを置いたリビングと自然につながるように、和室には縁のない畳を選んでいます。また、リビングに柔らかい光を取り込む雪見障子の格子は、直線的なモダンインテリアにうまくフィット。和の要素とモダンな洋風デザインがうまく調和したリビングです。
〈リノベーション事例9〉ミッドセンチュリーモダンなインテリア
ミッドセンチュリーとは、20世紀半ばにブームとなった、新しい素材を使った家具や建築デザインのこと。ハンス・J・ウェグナー、チャールズ & レイ・イームズなどに代表される、デザイン性の高い家具は時代を超えて愛されています。
そんなミッドセンチュリー家具をスタイリッシュなモダンインテリアと組み合わせたスタイルが「ミッドセンチュリーモダン」です。
こちらのリノベーション事例では、オーナーがお持ちのミッドセンチュリー家具を置くことが決まっていました。そのため、個性ある家具に負けないよう、石、木、鉄といった存在感のある素材でリビングのインテリアをまとめました。床は天然石、天井は木目の強いマホガニーを採用、壁面も凹凸の目立つタイル張りです。素材の風合いを活かしつつ、直線的な空間構成でモダンなイメージをキープ。家具と見事に調和した「ミッドセンチュリーモダン」なリビングが実現しました。
シンプルモダンな空間を演出する、4つの家具ブランド
シンプルモダンなリビングにおすすめの家具ブランドをご紹介します。
●Cassina ixc.(カッシーナ)
1927年にイタリアで設立したCassinaは、モダンファニチャーを代表する世界的な高級家具ブランドです。著名な建築家やデザイナーとのコラボレーションによって生み出された家具の多くが、ニューヨーク近代美術館(MoMA)の永久所蔵品となるほど高い完成度とデザイン性を誇ります。
Cassinaの美しくラグジュアリーな家具は、時代や国境を超えて人々を魅了し続けています。
●arflex(アルフレックス ジャパン)
arflexは「イタリア生まれ日本育ち」のブランドです。arflexの日本総代理店としてイタリアからの輸入だけでなく、日本のライフスタイルに適したオリジナル家具を多数展開。「リビングのソファでくつろぐ」という、新しいスタイルを日本の住宅に定着させたブランドとしても知られています。
上品なデザイン性と高い耐久性、充実のメンテナンス性といった、国産ブランドならではの価値を高めた家具を通じて日本のインテリアを牽引しています。
●Molteni&C(モルティーニ)
1934年にイタリアで設立したMolteni。収納家具を中心にキッチンやダイニング、リビングやベッドルームにいたるまで、幅広いアイテムを展開する世界屈指のラグジュアリー家具ブランドです。
Molteniの家具は高い技術力をベースに、有名デザイナーとのコラボレーションによって生み出されます。長く愛用できる品質の良さと使い勝手に配慮した機能性、流行に左右されないシンプルで洗練されたデザイン性により、自由度の高いコーディネートを叶えます。
●time&style(タイムアンドスタイル)
time&styleは日本の伝統的技術を用いて、現代のライフスタイルに進化させたものづくりを追求するインテリアブランドです。time&styleの製品は無駄をそぎ落としたシンプルなシルエットと、日本の美しさを感じる和テイストのデザインが特徴。セミオーダーに対応する家具をはじめ、照明やテーブルウエアといったインテリア用品まで幅広く展開しています。
2000年にイタリアの高級家具ブランドDe Padovaと協力して家具コレクション「Time & Style ēdition」を立ち上げ、メイドインジャパンの魅力を世界に発信しています。
CRAFTではお手持ちの家具に合わせたリノベーションのご提案や、リノベーション後の空間と調和する家具のコーディネートを承ります。お気軽にご相談ください。
〈まとめ〉モダンな住まいはデザインリノベーションで叶えよう
シンプルモダンなリビングは色の組み合わせ方や割合によって印象が大きく変わり、都会的なイメージにもナチュラルなイメージにもできる柔軟度の高いインテリアスタイルです。
CRAFTのデザインリフォーム・リノベーションでは、「リノベーションを機に家具を買い替えたい」「持っている家具がフィットする空間にリノベーションしたい」という場合は、幅広い家具ブランドからご希望にマッチするものをピックアップ。ご希望の合わせたモダンなインテリアをご提案しています。また、中古マンションや中古戸建ての仲介からもサポート可能です。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。