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都内で販売されるたびに話題となるタワーマンション。眺望や充実した共用施設など、他のマンションにはない魅力で人気を集めます。今回は、タワーマンションの購入を検討する上で把握しておきたいメリットと、購入する上での注意点となるデメリットについて紹介していきます。
タワマン購入の9つのメリット
タワーマンションならではの主なメリットとしては、以下の9点があげられます。
・高い建物ならではの眺望の良さ
・コンシェルジュサービスが便利
・設備が充実している
・利便性が高い
・地震に強い
・防犯性が高い
・資産価値が高い
・子育てしやすい
・虫が出にくい
それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
1.高い建物ならではの眺望の良さ
眺望の良さは、高さのあるタワーマンションならではのメリットの一つです。
一般的に20階以上のマンションをタワーマンションと呼びますが、タワーマンションは非常に高い建物であるため、周囲を遮るものがありません。そのため都心の夜景や、湾岸エリアなら海、西向きであれば富士山が見えることも。他のマンションでは体験できないタワーマンションならではの楽しみ方を満喫することができます。
2.コンシェルジュサービスが便利
タワーマンションの中にはコンシェルジュが常駐しているタイプのマンションもあります。コンシェルジュは、管理人とは異なり、マンションの住人のさまざまな要望を受け付けてくれる担当者です。
例えば、共用施設の利用の受け付けをしてもらったり、宅配便など荷物の受け取りを代行してもらったりすることができます。
3.共用設備が充実している
コンシェルジュなどのサービスだけでなく、設備が充実している点もタワーマンションならではの魅力的なメリットの一つです。
備わっている設備はそれぞれのマンションによって異なりますが、
・ジム
・キッズスペース
・スタディルーム
・ラウンジ
・シアタールーム
など、一般的なマンションでは利用できないような設備が用意されていて、マンションの住民であれば誰でも利用できるようになっています。
4.利便性が高い
駅前など周辺施設が充実している地域に建っている物件が多い点も、タワーマンションの特徴であり、メリットの一つです。
商業施設や病院、役所など生活に欠かせない施設が徒歩圏内にある物件が多く、生活しやすいという強みがあります。また、物件によっては、マンションの敷地内にコンビニやスーパーが設けられていることも。マンションの敷地から出ることなく食料品や日用品を購入できるようになっていたりもします。
5.地震に強い
タワーマンションは戸建てや一般的なマンションよりも厳しい建築基準が課せられています。戸数が多く、倒壊してしまったときの被害が大きくなることが想定されているためです。その厳しい建築基準を満たすことによる耐震性の高さも、タワーマンションならではのメリットです。
ただ、高層階の部屋になればなるほど揺れが激しくなりますし、揺れが収まるまでの時間も長くなるので、その点はしっかりと認識しておかなくてはいけません。
6.防犯性が高い
防犯性の高さもタワーマンションならではのメリットの一つです。
タワーマンションは価格が高いという性質上、犯罪者に目をつけられやすい傾向があるためセキュリティを徹底しています。
セキュリティの内容はマンションによって異なりますが、二重、三重のオートロックはもちろん、防犯カメラも複数取り付けられていますし、管理人、コンシェルジュの他に警備員が常駐していることも。
最近は強盗など物騒な事件も多いので、防犯性の高さは重要なポイントだと言えるでしょう。
7.資産価値が高い
タワーマンションは中古でも高値で売却しやすい資産価値の高い物件です。
タワーマンションは人気のエリアに立っている傾向があり、マンション内の設備も充実しています。
また、人気も高いので、資産価値が高い状態をキープしやすく、将来のマンションの売却も比較的スムーズでしょう。
8.子育てしやすい
タワーマンションはファミリー層からの人気が高く、戸数も多いので、同じマンション内で同年代の子どもがいる家庭が多くなりやすい傾向があります。同じマンションに住んでいると、子ども同士はもちろん、親同士の交流も活発になるため、自然と仲良くなることができます。
マンション内で顔見知りや友達が増えると、子ども同士を遊ばせたり、情報を共有するなどして子育てがしやすくなるので、小さな子どものいる家庭にとっては非常に魅力的です。
また、キッズスペースが設けられている便利なマンションもあります。
9.虫が出にくい
虫が住宅に侵入しづらく、発生しにくい点もタワーマンションならではのメリットの一つです。
虫は、
・玄関
・窓
・排水管
・宅配便などの荷物
など、さまざまな場所から侵入するため一切出なくなるわけではありません。
ただ、4階以上になると飛行能力の関係上窓からはほとんど侵入してこなくなりますし、階数が高くなればなるほど玄関や配水管からも侵入されづらくなります。
虫が苦手な方や害虫による被害に悩まされたくない方にとっては、非常に魅力的なメリットだと言えるでしょう。
タワマン購入の5つのデメリット
メリットの多いタワーマンションですが、デメリットがないわけではありません。
タワーマンションならではのデメリットとしては、以下の5点があげられます。
・価格が高い
・エレベーターが混みやすい
・洗濯物や布団を外に干すことができない
・管理費が高額になりやすい
・戸数が多いため住民同士でのトラブルや意見の食い違いが発生しやすい
先ほど紹介したメリットとこれらのデメリットを比較して、デメリットによる影響の方が大きいと感じられるのであれば、タワーマンションの購入をより慎重に検討しなくてはいけません。
それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
1.価格が高い
タワーマンションの価格は、低層階の部屋であればその他のマンションとそれほど差はありません。ただ、階数が高くなればなるほど価格も高くなります。
同じエリアで似たような間取りのマンションを購入する場合であっても、一般的なマンションとタワーマンション高層階とでは購入価格に一千万円以上差が出てしまうことも。眺望や設備のメリットが価格に転嫁されていると考えておきましょう。
2.エレベーターが混みやすい
タワーマンションでは、日々の生活においてエレベーターの利用が必須になります。そのため、どうしてもエレベーターが混雑してしまいがちです。
最近のタワーマンションは戸数に応じてエレベーターの数を調整したり、中層階用のエレベーターや高層階用のエレベーターを用意するなど工夫されてはいます。ただ、それでも、平日の朝など利用者が集中する時間帯の混雑は避けられないので、その点もしっかりと認識しておく必要があります。
3.洗濯物や布団を外に干すことができない
タワーマンションは、建物が高い分、風の影響を受けやすくなるため、洗濯物や布団を外に干すことができません。洗濯物や布団が飛ばされると事故に繋がる可能性もあるので、洗濯物や布団をベランダに干すことは禁止されています。
また、景観を乱すという理由からも、洗濯物や布団の外干しが禁止されています。
4.管理費が高額になりやすい
マンションを購入すると管理費や修繕積立金の支払いが発生しますが、管理費や修繕積立金の金額が高く設定されがちな点も、タワーマンションならではのデメリットの一つです。
国土交通省が公表しているデータによると、マンション全体の管理費の平均が1万970円であるのに対し、タワーマンションの管理費の平均は1万5,726円と5,000円ほど高くなっています。修繕積立金については、マンション全体の平均が1万1875円であるのに対し、タワーマンションの平均が1万3699円となっており、約2,000円ほど高く設定されています。
5.戸数が多いため住民同士でのトラブルや意見の食い違いが発生しやすい
戸数が多く、同じ年代の子どものいる家庭とコミュニティを築きやすい点はタワーマンションならではのメリットですが、戸数が多いことで発生しやすくなるのが住民同士でのトラブルです。
マンションに住んでいる住民が多くなると、意気投合して仲良くなれる人もいれば、正反対の考え方を持っていて仲良くなれないタイプの人もいます。
意見や考え方の合わない人とは距離を置くのが一番ですが、騒音や共用部分の使い方などをめぐってトラブルになることもあるので、その点は住民が多いタワーマンションならではの注意点として覚えておく必要があります。
タワーマンションのメリットを活かしたリノベーション事例
タワーマンションの購入を検討している方の中には、「リノベーションを前提に物件を探している」という方も少なくないかと思います。
そこでチェックしておきたいのが、タワーマンションのメリットを活かしてリノベーションした方の事例です。
ここでは、参考になる2つの事例を紹介していきます。
事例1. ドラマティックな抜け感が印象的な部屋
こちらは、新宿区にある築14年のタワーマンションを購入してリノベーションした事例です。
南側の壁一面に設置された大きな窓が印象的な物件ですが、当初の間取りは、この景観の良さを十分に活かしきれていませんでした。
そこで、リノベーションによってキッチンを大きく動かすなど、間取りを大胆に変更。これにより、玄関からLDKにかけて視線が通るようになり、ドラマティックな抜け感の感じられる空間に仕上がりました。
事例2. どこにいてもタワーマンションならではの景色を楽しめる家
こちらは、港区にある築13年のタワーマンションを購入してリノベーションしたの事例です。
ご夫婦がゆったりと暮らせる空間にするために、もともと3LDKだった間取りを2LDKに変更。隣接していた洋室をなくしたことで、LDKが広くなり、どこにいてもタワーマンションならではの素敵な景色を楽しめる空間に仕上がりました。
タワーマンション購入時のチェックポイント
タワーマンションを購入することが決まったら物件を探さなくてはいけませんが、その際に押さえておきたいのが、タワーマンションを購入するときのチェックポイントについてです。
主なチェックポイントとしては、
・管理費や修繕積立金を確認する
・地震対策が万全か調べる
・エレベーターの台数を調べる
の、3点があげられます。
それぞれのチェックポイントについて詳しく解説していきます。
1.管理費や修繕積立金の金額を確認する
デメリットの一つとしても紹介させてもらったとおり、タワーマンションの管理費や修繕積立金は一般的なマンションの管理費や修繕積立金よりも高く設定されている傾向があります。そのため、物件の価格だけでなく、管理費や修繕積立金の金額についてもしっかりと確認しておかなくてはいけません。
また、修繕積立金は建物が古くなればなるほど金額が上がっていくものなので、長期間住み続けることを想定しているのであれば、その点も考慮して資金計画を立てる必要があります。
2.地震に強い物件かどうか確認する
タワーマンションは地震に強いと紹介してきましたが、実際の耐震性能はそれぞれのマンションによって異なります。
地震に強い物件かどうかはタワーマンションに住む上で非常に重要な要素になるので、建物の免震構造や制震構造を確認し、地震に強い物件であるかどうかチェックしておくようにしましょう。
3.エレベーターが十分に確保されているか確認する
エレベーターが混雑しがちな点は、タワーマンションの代表的なデメリットの一つです。
エレベーターが混雑しがちな物件を選んでしまうとタワーマンションでの生活が一気に不便に感じられてしまうようになるので、エレベーターの台数が十分確保されているかどうが事前に確認しておくようにしましょう。住戸100戸に対して1台の設置が、一般的なエレベーターの目安とされています。
また、
・低層階用
・中層階用
・高層階用
など、階層別のエレベーターが用意されている物件であればより待ち時間が短縮されやすくなるので、その点も意識しながら物件を探すようにしてください。
〈まとめ〉タワマン購入のデメリットはリノベーションで解消できる
タワーマンションは、他のマンションにはない魅力的なメリットがある物件です。周辺地域を一望できる眺望のよさや利便性が高く生活しやすい点、住民が利用できる施設が充実している点などは、物件として非常に魅力的だと言えます。
デメリットや間取りなどの問題点については、物件選びやリノベーションで解消できるケースも少なくありません。
CRAFTでは、物件の紹介からリノベーションまでトータルでサポートさせていただいておりますので、お気軽にご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。