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「最強」と言われることも多く、近年人気が高まってきている高級低層マンション。高層マンションにはないならではの魅力が多いマンションということもあって、気になっているという方も多いのではないでしょうか? 今回は、低層マンションの概要や都内の高級低層マンションを紹介しつつ、低層マンションが最強と言われる理由を詳しく解説していきます。
(作成日 2023.11.9 更新日2024.1.17)
低層マンションの特徴は?
低層マンションにはこれといって明確な定義があるわけではありませんが、
・3〜5階建て
・第1~2種低層住居専用地域に建てられている
という2つの条件に該当するマンションが、「低層マンション」と呼ばれています。
第1~2種低層住居専用地域とは、住んでいる住民がより快適に過ごせるよう、住環境を守るための条件が厳しく設定されているエリアのことを指しますが、具体的な条件としては、以下のようなものがあげられます。
・10〜12m以上の高さの建物を建設してはいけない
・施設や店舗は公共施設や個人が経営する喫茶店や美容院などに限られる
都内の名作高級低層マンションの例
低層マンションには高級マンションやデザイナーズマンションなど魅力的な物件が多く、都内にもさまざまな物件があります。代官山の蔦屋書店裏手にあるこちらの「プラウド代官山猿楽町」もそんな高級低層マンションの一つです。
「プラウド代官山猿楽町」はガラスと石を組み合わせた透明感と重厚さのある外観が印象的です。プラウド初の電線の地中化に成功したマンションで、周囲の景観を遮る電線がないのためより際立っています。
アプローチからエントランスホールにかけてはガラスアートを取り入れるなど、デザインにこだわったアーティスティックな空間演出は、高級低層マンションならでは。
都内には他にも、以下のような高級低層マンションが多く見られます。
〈目黒エリア〉
・ディアナガーデン自由が丘
・ブランズ上目黒諏訪山〈新宿エリア〉
・プラウド神楽坂ヒルトップ
・プラウド市谷砂土原町〈広尾エリア〉
・ル・カルム広尾
・クロイスターズ広尾
・シティコート広尾〈品川エリア〉
・ミュゼ白金長者丸
・グランドメゾン池田山
高級低層マンションが「最強」とされる理由
低層マンションが「最強の物件」とされる主な理由としては、
・住環境が良い
・子育てに向いている
・資産価値が下がりづらい
・コミュニティを形成しやすい
・いざというときにすぐに避難できる
の、5点があげられます。これらは、低層マンションならではの魅力的なメリットです。
それぞれ詳しく解説していきます。
住環境が良い
紹介してきたとおり、低層マンションは第1~2種低層住居専用地域に建設されるタイプのマンションです。
第1~2種低層住居専用地域は駅から少し離れた閑静な住宅街にあり、建てられる建物の種類や店舗の種類も制限されるため、住環境が良いというメリットがあります。駅前やそのエリアの中心地となる場所の近くにある物件は確かに便利ですが、治安や騒音に悩まされてしまいがちです。静かに過ごしたい方にとって、住環境が良い低層マンションは非常に魅力的なマンションだと言えます。
子育てに向いている
低層マンションには周囲に自然豊かな緑地や公園のある物件が多く、子育てにうってつけのマンションでもあります。小さなお子さんがいる方にとって子どもを思いっきり外で遊ばせられる環境は必須になりますが、近くに緑地や公園があるとわざわざ遠くの公園に足を運ばなくてもよくなるため、日々の子育てが格段に楽になります。
また、閑静な住宅街にある物件が多いため、治安の面でも安心です。
資産価値が下がりづらい
一般的な地域に立っているマンションの場合、周囲に大きなマンションができて日当たりが悪くなってしまったり、店舗や商業施設が乱立して騒がしくなってしまう可能性があります。
そうなると資産価値にも影響が出てきてしまいますが、低層マンションは、建物を建設する際の条件や店舗の種類などに制限がある第1~2種低層住居専用地域に建てられる物件という性質上、そういった心配がありません。周囲にタワーマンションのような大きなマンションが建つことはありませんし、大きな商業施設や居酒屋などが増えて騒がしくなってしまうこともありません。
そのため、不動産としての価値に影響が出づらく、資産としての価値が安定しやすくなっています。
コミュニティを形成しやすい
低層マンションは階数が限られる分、住戸が少ないというならではの特徴があります。
住戸が多く住んでいる住人の数が多くなると、住民同士のコミュニケーションがどうしても希薄なってしまいがちです。一方、住戸の数が少ない低層マンションでは、住民同士が顔見知りになりやすく、コミュニティを形成しやすくなっています。
コミュニケーションが活発になり、住民同士が仲良くなると、子育てもより安心して行えるようになりますし、管理組合などでの話し合いや決定事項もよりスムーズに決められるようになります。
いざというときすぐに避難できる
タワーマンションなどの高層マンションでは、火事や災害が発生したときにエレベーターが動かなくなって避難できなくなってしまうようなケースが発生するリスクがあります。
一方、低層マンションは3〜5階程度の高さしかないため、例えエレベーターが止まったとしても非常階段を使って簡単に避難できます。
また、緊急車両のはしごが届かないという事態も発生しづらくなっているため、より安心できる物件だと言えるでしょう。
低層マンションを購入して後悔しないために知っておきたい注意点
他のマンションにはないメリットのある低層マンションですが、デメリットがないわけではありません。
低層マンションを購入して後悔してしまわないために押さえておくべきならではのデメリットや注意点としては、
・共用施設やサービスは高層マンションほど充実していない
・構造によってリフォームの内容が制限がされることがある
・駅から離れている物件が多い
・世帯数が少ないため管理費や修繕費が高く設定されていることが多い
の、4点があげられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
共用施設やサービスは高層マンションほど充実していない
タワーマンションなどの高層マンションは、ジムやパーティールーム、キッズルームなどの共用施設が充実していたり、コンシェルジュサービスなどのサービスが充実しているといったメリットがあります。
一方、低層マンションは階数にそこまで余裕があるわけではないため、最低限の共用施設しか設けられていない物件が多く、コンシェルジュサービスなどのサービス面についても高層マンションほど充実しているわけではありません。
施設やサービスの充実度を重要視する方にとっては、物足りなさを感じる物件と言えるかもしれません。
構造によってリフォームの内容が制限がされることがある
高層マンションには柱や梁で建物を支える「ラーメン構造」が採用される傾向がある一方で、低層マンションには壁で建物を支える「壁式構造」が採用されがちです。
どちらの構造にもメリット・デメリットがありますが、壁式構造は壁で建物を支える構造であるため、構造上どうしても撤去できない壁があり、それによってリフォームの内容が制限されてしまうことがあります。
物件によっては大きな間取りの変更が制限されてしまうこともあるので、リノベーションを依頼する会社に相談した上でどの物件を購入するか決めるなどの対応が必要になります。
駅から離れている物件が多い
低層マンションは第1~2種低層住居専用地域に建てられるマンションだと紹介してきましたが、この第1~2種低層住居専用地域は駅から少し離れているエリアに設けられていることがほとんどです。
駅までの距離が徒歩10〜15分ほどという物件も少なくないため、
・駅に近い
・バス停にすぐアクセスできる
など、交通の便を重視する方にとっては大きなデメリットだと言えるでしょう。
世帯数が少ないため管理費や修繕費が高く設定されていることが多い
マンションを購入すると、管理費や修繕積立金などの負担も発生することになりますが、低層マンションには、管理費や修繕積立金の金額が高く設定されていることが多いというデメリットもあります。
低層マンションはマンションあたりの住戸数が少なく、一世帯あたりの負担が多くなってしまうため、どうしても金額が高くなってしまうわけです。
そのため、物件を選ぶ際は、物件の価格だけでなく、管理費や修繕積立金の金額についてもしっかりとチェックする必要があります。
低層マンションを探すときにチェックするべき4つのポイント
低層マンションを購入する際の物件選びでは、重点的にチェックするべきポイントがいくつかあります。
主なポイントとしてあげられるのが、
・防犯面
・周辺環境
・交通の便
・日当たりや風通し
の、4点です。
それぞれ詳しく解説していきます。
防犯面
低層階の部屋は高さがない分、侵入しやすいため、どうしても空き巣などの不審者や犯罪者に狙われてしまいがちです。
そのため、セキュリティ対策がしっかりしている物件かどうかのチェックは欠かせません。
また、
・窓の位置や大きさ
・配管の位置
・マンションが建っている場所
・死角の多さ
など、狙われやすさに直結する部分についても確認しながら物件を選ぶようにしましょう。
周辺環境
低層マンションは住環境が良いと紹介してきましたが、すべての物件に当てはまるわけではありません。
そのため、マンションが建っている地域の情報をリサーチしたり、実際に物件の周辺エリアを散策したりして、周辺施設の充実度や治安をチェックするようにしましょう。
子育て世帯の場合は、近くに公園があるかどうかや学校までの距離などもチェックしておくと、物件選びで失敗しづらくなります。
交通の便
低層マンションは駅から少し離れた場所に建設されていることが多いので、交通の便についても確認しておかなくてはいけません。
最寄りの駅や最寄りのバス停についてチェックするのはもちろん、物件から駅やバス停までの距離や所要時間についても確認し、共用できる範囲であるかどうかチェックした上で物件を選ぶようにしましょう。
日当たりや風通し
日当たりや風通しの良し悪しについても、物件選びにおける重要なポイントの一つになります。
低層マンションは周囲に背の高い建物が建ちづらくなっているため極端に日当たりの悪い物件はそこまで多くありませんが、チェックしておくに越したことはありません。
すべての部屋の日の入り具合や明るさ、窓を開けたときの風通しの良さなどを確認した上で物件を決めるようにしましょう。
低層マンションのリフォーム事例
低層マンションを購入してリフォームし、より自分の理想に近い住まいを実現したIさまの事例になります。
昔から古いものが好きで、駅から少し離れた高台にある、静かで眺めの良いヴィンテージマンションを購入したIさま。ハンス・J・ウェグナー、ジャン・プルーヴェ、チャールズ & レイ・イームズなど、愛用中の家具が馴染む「モダンなミッドセンチュリー」の空間にデザインリフォームしました。
邸内は、木や石、鉄をふんだんに使ったことでヴィンテージ家具がマッチする重厚な雰囲気に。玄関に入ったときのインパクト感を演出するため、既存のWICを移動させてLDKを視線が通る開放的な空間にし、玄関ドアもガラス戸に変更しています。
〈まとめ〉低層マンションはやっぱり高級で最強。よい物件を見つけて自分好みのリフォームもおすすめ
低層マンションは、高層マンションにはない、ならではの魅力を持つマンションです。多少のデメリットもありますが、高層マンションでなかなか理想的な物件を見つけられずにいる方は、一度低層マンションの物件を探してみるのもおすすめです。
ただ、低層マンションは壁式構造のものが多く、リフォームの内容が制限されてしまうこともあるため、物件選びが非常に重要になります。CRAFTでは、物件のリサーチからリフォームまでトータルでサポートしています。
リフォームを前提に低層マンションの購入を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。
<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。