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マンションのフルリフォームでこだわりたいのが洗面台。家族が毎日使うため、「居心地も使い勝手も良くて、さらに美しい洗面台にしたい!」と考える方は多いようです。今回はマンションの洗面台リフォームのポイントをご紹介します。
洗面台にはどんな種類があるの?
洗面台には大きく分けて「ユニットタイプ」と「システムタイプ」の2種類があります。それぞれのタイプの特徴をご紹介します。
ユニットタイプ
洗面ボウル、水栓、キャビネット、鏡、照明などが一体化した最も一般的なタイプの洗面台です。幅や高さなどの寸法が決まっているものがほとんどです。
システムタイプ
ユニットタイプとは異なり、洗面ボウル、水栓、カウンター、キャビネットなどをそれぞれ選び、組み合わせるタイプの洗面台です。
取り付けスペースに合わせてサイズを自由に決めることができる上に、オプションを追加することでオリジナルの洗面台が作れます。
「マンション洗面台リフォーム」の3つのポイントとは
マンションの洗面台をリフォームする前に、知っておきたい3つのポイントがあります。
①取り付けできる洗面台の条件を確認する
②洗面台の使い方でタイプやグレード、オプションを選ぶ
③壁クロスや床の張替えも検討する
洗面台は毎日使うものなので、使いやすいものを選ぶ必要があります。
3つの選び方のポイントを抑えて、効率よくリフォームを計画しましょう。それぞれのポイントについては、次項で詳しくご紹介します。
① 取り付けできる洗面台の条件を確認する
どんなに理想的な洗面台でも、取り付けができなければ意味がありません。計画の一番に取り付け位置を確認して、どのような洗面台が取り付けできるか考えることが大切です。
洗面台の取り付けの条件の確認の仕方をご紹介します。
・取り付けのスペースと洗面台のサイズ
既存の洗面台をもとに取り付けスペースを確認します。
ユニットタイプの場合は、幅と高さが同じものなら問題なく取り付けできるしょう。より大きなものにしたい場合には、スペースに余裕があるか念入りに確認しましょう。
システムタイプであれば寸法は自由に変えられるので、それほど問題にならないでしょう。
・窓や給排水管の位置
マンションのリフォームで最も大きな問題は、間取りや水回りの配管が自由に変更できないことです。特に、鏡付きで背の高いユニットタイプを取り付ける場合には、窓をふさいでしまうことがないように注意しましょう。
また、ユニットタイプ、システムタイプともに、現在の給排水管の位置で取り付けできるかを確認することが重要です。特に排水管の位置は、変更できない場合が多いので注意が必要です。脱衣所を兼ねた洗面室であれば、洗濯機パンの移動が必要になることもあります。
いずれも、ご自分で確認するのは難しいと思いますので、事前にリフォーム業者に相談しましょう。後の洗面台選びも楽になります。
② 洗面台の使い方でタイプやグレード、オプションを選ぶ
洗面台は洗面室の用途によって使い方が変わります。
洗面室を脱衣室、パウダールーム、ユーティリティを兼ねて多目的に使う場合は、洗面台に様々な機能が必要になります。
一方、洗面室を専用の用途で使う場合、例えばパウダールーム専用の場合や、トイレの手洗い専用の場合などは、特定の機能を満たす洗面台であれば良いことになります。
使い方に合った機能を持つ洗面台を選ぶことが大切です。
また、形状は似ていても、グレードによって使われる水栓金具や収納、素材が異なります。当然ですがグレードが高いほど、それぞれの機能性や耐久性、メンテナンス性が高くなりますので、予算を考慮してグレードやオプションを決めましょう。
・洗面ボウル
多目的で頻繁に使うような場合は、受けが大きい角形のものが使いやすくて便利です。
手洗いだけなど限定的に使うのであれば、デザインを重視したオシャレで小さなものを選ぶのも良いでしょう。カラーは白だけではなく様々なものがあり、柄の入ったものもあります。
朝の忙しい時間に洗面台が込み合ってしまうような場合には、ボウルを2つ設置する方法もあります。
・鏡
パウダールームなどで使用する場合には、全面が1枚でできた大きな鏡にしたいところです。収納のスペースが欲しい場合などは、2面や3面に分割された鏡の裏に収納があるものも良いでしょう。
・収納キャビネット
洗面台の用途に合った収納スペースを確保しましょう。特に、観音開きタイプと引き出しタイプでは、大きな違いがあります。
観音開きタイプは、給排水管の左右のスペースまで収納に使えます。また、キャビネットの高さ一杯まで収納に使えるので、背の高いものを収納できます。
引き出しタイプは、複数の引き出しで収納品を分類することができ、奥にしまったものを簡単に取り出すこともできます。
・カウンター
パウダールームとして使用する場合には、化粧品などを一時的に置けるカウンターが重宝します。また、ユーティリティとして使用する場合にも、家事の最中にちょっとした物置としても使うことができます。
・水栓金具
様々な形状のものがありますので、お気に入りのものや、使ってみたい水栓を探してみましょう。
シャンプーで使う洗面台であれば、ホースを引き出せるシャワー水栓が非常に便利です。他にも、オシャレな上に節水効果のある水栓など、色々なものがあります。
・使いやすい高さの洗面台を選ぶ
洗面ボウルまでの高さは75cm、80cm、85cmが一般的で、80cmが多くなっています。
洗面台はご家族全員で使うものです。小さなお子様が使うこともある場合は特に配慮が必要です。また、高さが適切でないと腰を痛めたりしてしまうこともあります。
家族構成や身長を考慮して高さを決めましょう。
③ 壁クロスや床の張替えを検討する
マンションでは壁クロスや床の張替えリフォームが無理な場合があるかもしれませんが、可能であれば洗面台と一緒にリフォームすることをお勧めします。洗面台を取り付けてみたら、既存の壁クロスや床とミスマッチでがっかり、ということにならないようにしましょう。
・壁クロスの張替え
洗面室は湿気が多くカビが生えやすい場所です。また、洗濯洗剤やハミガキなどの汚れが飛び散ることもあります。
そのため、洗面室の壁クロスは、防カビ・防汚機能や、抗菌・防水性能があるもので、洗面台に合った色や柄のものを選ぶと良いでしょう。
・床の張替え
床の仕上げ材は様々なものがあり、それぞれ特徴があります。洗面室の用途やお手入れを考慮して選びましょう。
・クッションフロア
最もよく使用される床材です。耐水性が高く水や汚れが浸透しないため、お手入れが簡単です。色や柄の品揃えも豊富で、最も扱いやすい素材と言えるでしょう。
・フローリング
住宅の居室では最も一般的なもので、柔らかな風合いが特徴です。しかし、洗面室で無垢材の床を使用すると、水や汚れの浸透によって変色したり、劣化したりします。
そこで、表面加工して耐水性を高めた複合フローリングというものがあります。フローリングを使いたい場合には、複合フローリングを使用すると良いでしょう。
・タイル
耐水性と耐久性が高いのが特徴です。汚れが付きにくく、お手入れも簡単です。しかし、足が滑りやすく、冬には冷たくなってしまうという欠点があります。
・コルクタイル
ワインの栓に使うほどなので、耐水性が高いという特徴があります。汚れも付きにくいという長所がありますが、継ぎ目があるため、そこから水や汚れが浸透してしまうことがあります。断熱性が良いため冬に冷たくなりにくく、遮音性にも優れています。
マンションの洗面台リフォームにかかるおおよその費用
マンションの洗面台リフォームは大きく分けて、古い洗面台を新しく取り換えるリフォーム、床や壁も併せてリフォーム、「システムタイプ」と呼ばれる洗面台へのリフォームの3つになります。それぞれどの程度の費用がかかるのかを見てみましょう。
リフォームにかかる全体の費用
洗面台のリフォーム事例を調査すると、大きく分けて以下のようになりました。
割合 | かかった費用 |
---|---|
45% | 〜20万円 |
30% | 21〜40万円 |
25% | 41万円〜 |
20万円程度かかったという方が4割以上、21~40万円程度の方が3割、41万円以上の方が2割強となりました。
※上記はあくまで一般的な費用であり、CRAFTの実際の金額とは異なる場合があります。
洗面台リフォームの費用内訳
具体的な事例を紹介する前に、工事にかかる費用にはどんなものがあるのでしょうか?リフォームの内容によって異なりますが、基本的には下記費用がかかります。
・新しい洗面台の機器代金
・床、壁の材料費
・取り付け工事費用
・下地処理費用
・解体、撤去、処分費用
〈まとめ〉マンションの洗面台のリフォームは計画的に行いましょう
このように、マンションにおける水回りの工事は、制限がきびしい場合があります。便利でおしゃれな理想の洗面台を設置できるように、事前に注意事項や制約を管理組合などに確認する、リフォーム会社と念入りに打合せを行うなどして、入念に計画を立てましょう。
※CRAFTはフルリフォーム専門会社のため、洗面台のリフォームのみには対応していません。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。