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フルリフォームの際に気になるのが、フローリング。実は施工方法は2パターンあり、それぞれ費用と工期が異なります。またフローリングの種類も無垢フローリングから複合フローリングまでさまざま。今回はフローリングのリフォームのポイントをご紹介します。
フローリングのリフォームの「上張り」と「張替え」ってなに?
フローリングをリフォームする際の施工方法は大きく分けて「上張り」と「張替え」があります。ここではそれぞれの施工方法の概要を紹介します。
上張りは、既存を活かすためコストを抑えられる
上貼りとは、既存のフローリングの上に新しいフローリング材を重ねる方法です。上張りは既存の床をそのまま使うことができ、解体や下地の調整などが不要となります。そのため、工期が短く、コストを抑えることも可能です。
しかし既存のフローリングに傷みや腐食がある場合はそもそも上貼りができず。張り替えが必要となります。また上張り用の4.8〜6mmのフローリングを重ねるため選べるフローリングが限られてしまいます。
〈上張りの特徴〉
・コストを抑えられる
・上張り専用のフローリングを使う
・既存のフローリングの状態がよければ可能
張替えは、コストが高くなるけどフローリングの選択肢が豊富
張替えとは、既存のフローリングを撤去して下地を調整したうえで、新しいフローリング材を張る方法です。フローリングを一新するため、傷みや腐食が起こっていても根本から修繕できるほか、床鳴りも解消できます。また下地を調整することで、部屋と廊下の段差をなくしてバリアフリーにすることもできます。
一方で、下地の調整が発生する分、上張りよりも工期が長くなりコストもかかります。さらに、既存のフローリング材の廃棄費用も発生します。
〈上張りの特徴〉
・コストがかかる
・フローリングの選択肢が豊富(無垢も可能)
・既存状態にとらわれない
「複合フローリング」と「無垢フローリング」はどう違うの?
フローリング材は、大きく分けると「複合フローリング」と「無垢フローリング」の2種類があります。ここではそれぞれのフローリング材の概要やメリット・デメリットを紹介します。
複合フローリング
複合フローリングは、薄い木材を接着剤で張り合わせたフローリング材です。複層フローリングと呼ばれることもあります。多くの家で使われている一般的なフローリング材です。
複合フローリングのメリットとは、複数の木材を重ねているため、反りや歪みが起こりにくく、品質が安定している点がです。また、防音や断熱などの機能があるタイプも出ています。種類も価格も幅広いため、目的やコストにあった製品が見つかりやすいでしょう。
一方で、複合フローリングは木目が単調になりがちな点がデメリットです。また安すぎる製品だとすぐに表面が剥がれてしまうケースもあるため注意しましょう。
〈複合フローリングが合う方〉
・コストを抑えたい
・断熱や防音の性能がほしい
無垢フローリング
無垢フローリングは、材木を板状に切り出しているフローリング材です。単層フローリングと呼ばれることもあります。「天然木の質感が好き」という方が好んで使用します。
無垢フローリングは、木材の持つ質感や独特の木目、経年によって変化する色合いなどを楽しめる点が大きな特徴です。また、木目がランダムに入っているため傷が目立ちにくく、時間の経過とともに味わいが深まっていきます。
一方で無垢フローリングは、天然の木材を切り出したフローリング材であるため、反りや割れが発生することもあります。これを自然の風合いとして楽しめる方は無垢フローリングがおすすめです。また、複合フローリングと比べると価格は高めです。
「無垢フローリングは床暖房が使えないの?」と聞かれることもありますが、床暖房対応の無垢フローリングもあります。選べる樹種は限られているものの、質感とあたたかさを両立することができるため、注目されています。
〈無垢フローリングが合う方〉
・天然木の風合いが好き
・経年変化が好き
フローリングのリフォームはいつやるべき?
フローリングのリフォームの目安は、一般的に10~15年と言われていますが、傷みや劣化が進んでいる場合は、前倒しでリフォームしたほうがいいケースもあります。具体的には、以下のような症状が出てきたらリフォームを早めに検討しましょう。
・床材が剥がれている
・傷が目立っている
・歩くときに大きな音が鳴る
・日焼けによって色あせている
など
上記のような状況でも、ご自身が気にならなかったり生活に支障がなければ、フローリングのリフォームを急ぐ必要はありません。しかし剥がれによってお子さまやペットが怪我をしてしまうケースもあるため、ときどきは傷や劣化が進んでいないか確認することも大切です。必要に応じてリフォームを検討しましょう。
フローリングのリフォームをするとき、何に注意すべき?
ここでは、フローリングをリフォームするときに押さえておきたいポイントを紹介します。実際にリフォームを検討している人、フローリングの劣化が気になっている人などはぜひ参考にしてください。
施工方法のメリット・デメリットを理解しておく
繰り返しの説明となりますが、フローリングのリフォームには大きく分けて「上張り」と「張替え」の2種類があり、それぞれメリット・デメリットが異なります。短工期・低コストでリフォームをしたい場合は上貼りが、段差をなくしたい、下地の調整を行いたい、コストは多少かかっても構わないといった場合は張替えが適しているでしょう。
リフォームする場所に応じた床材を選ぶ
床材はそれぞれ特徴が異なり、リフォームする場所によって向き・不向きがあります。そのため、リフォームする場所を踏まえたうえで床材を選ぶことが大切です。例えば、キッチンなどの水回りの場合、耐水性能に優れた床材を選ぶというイメージです。部屋を利用するシーンや汚れやすさなどを検討したうえで、床材を選びましょう。
マンションのリフォームは管理規約を確認
マンションのフローリングをリフォームする場合、事前に管理規約を確認しましょう。これは、マンションによってはリフォーム内容が制限されているケースがあるためです。例えばヴィンテージマンションや高級マンションでは、カーペットからフローリングへのリフォームが禁止されているケースも。また、床材は防音性能を備えたものでなければならないケースもよくあります。規約を確認したうえで、違反しないようにリフォーム計画を立てることが大切です。
〈まとめ〉お部屋での過ごし方からフローリングを選んでみよう
今回は、フローリングをリフォームする際の工法やフローリング材の種類、リフォーム費用、リフォームのタイミングなどについて解説しました。
フローリングの工法は大きく分けて上張りと張替えがあり、それぞれメリット・デメリットがあります。また、フローリング材も種類によって特徴が異なり、費用面でも大きな違いがあります。
ただし、フローリングのリフォームで何より大切なのは「インテリアイメージにあっているかどうか」「過ごしやすいかどうか」です。床は視界に入る大きな面積で、インテリアイメージを大きく左右します。また小さなお子さまやペットがいたり、裸足で過ごすことが多いご家庭なら、足裏に触れた時の質感にもこだわりたいですね。CRAFTでは皆さまの理想の暮らしに合わせて、フローリングをセレクトしています。
フローリングを含めたフルリフォームは、ぜひ〈CRAFT〉へご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。