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できることが多く、理想の住宅を実現するの最適なスケルトンリフォーム。しかしそのために、費用が高額になりやすいという注意点もあります。今回はスケルトンリフォームの事例を交えながら、費用相場や費用を抑えるコツについて解説していきます。
スケルトンリフォームとは?
スケルトンリフォームは、建物のほとんどの部分を解体し、構造躯体のみのスケルトン状態にしてから行うリフォーム方法です。天井や壁、床などの設備を撤去し、柱や梁だけの状態にしてから工事を進めていきます。
基礎・構造躯体以外の大部分を撤去した上でリフォームするため、構造躯体や給排水管の状態を確認し、耐震補強や防水工事にも対応できます。
スケルトンリフォームにかかる費用は?
スケルトンリフォームにかかる費用の相場を、マンションと戸建てに分けて解説していきます。
マンションのスケルトンリフォームの費用相場
㎡単価 | 主なリフォーム内容 |
---|---|
10万~20万円/㎡ | 間取りは既存を利用し、低価格の材料・器具で一通りきれいに。見えなくなる設備配管や電気配線などはできる限り活用します。 |
20万~30万円/㎡ | スケルトンにして間取り変更し、全てを標準レベルの材料・器具に交換。見えなくなる設備配管や電気配線も全て交換します。 |
35万以上/㎡ | 上級グレードのリフォーム。スケルトンにして間取りを大幅に変更し、全てハイレベルな材料・器具に交換。見えなくなる設備配管や電気配線も全て交換するため安心です。ほぼオーダーメイドの上級グレードのリフォームです。 |
すべてが上記に該当するわけではありません。リフォーム内容によるため、詳しい費用感は直接お問合せください。
戸建てのスケルトンリフォームの費用相場
戸建てを比較的高品質なグレードでリフォームする場合、下記を目安にしてください。
木造 30万円/㎡~
RC造・S造 35万円/㎡~
ただし戸建てもマンションと同様、リフォーム内容やセレクトする素材などによって金額に幅があります。CRAFTの青山・自由が丘モデルルームの相談会にご参加いただければ、「費用感」と「リフォームでできること」について、より具体的にお伝えできます。お気軽にご参加ください。
CRAFTのスケルトンリフォームの事例に見る費用感
スケルトンリフォームの事例を紹介していきます。スケルトンリフォーム費用の目安にしてください。
マンションのスケルトンリフォーム事例1. 大人のくつろぎ空間(3,000万円・15年・90㎡)
築15年のマンションをスケルトンリフォームしました。
なかなか使う機会がなく有効活用できていなかった部屋を取り込み、住宅の東側に大きなLDKをレイアウト。場所を大きく移動したキッチンには、AriafinaのレンジフードやMieleの食洗機など、奥さまのこだわりが詰まった設備を導入しました。
ストーン調のタイルや無垢の床材など、細部にまでこだわることで、洗練された落ち着きのある大人の空間となっています。
マンションのスケルトンリフォーム事例2. 趣味を愉しむ上質な住まい(5,200万円・14年・132㎡)
ご自宅の倍の広さがある物件を購入し、スケルトンリフォームによって理想の住まいを実現した事例です。
CDや本、服などご夫婦の趣味のアイテムが家中に溢れていることにお悩みだったため、それらの大切なアイテムを身近に感じながらも快適に過ごせる空間をプランニング。玄関から寝室までの動線と家事スペースの奥に大容量のライブラリーを、小上がりスペースにも大きな収納スペースを設けました。
これにより、「住宅がモノで溢れる」という悩みを解消しつつ、どこにいても好きなアイテムの存在を感じられる空間に仕上がっています。
戸建てのリフォーム事例1. スムーズな生活動線(4,500万円・9年・140㎡・鉄筋コンクリート造(RC))
「天窓から入る直射日光がきつい」「LDKが過ごしにくい」「浴室と寝室が離れすぎている」など、築9年の比較的新しい物件でありながらさまざまな問題を抱えていたこちらの物件。
リビングのそばに大きく配置されていた夫婦質を取り除いて、ドッグスペースつきの大きなLDKに変更し、もともとダイニングだった箇所をフリースペースとして活用する間取りに変更。
天窓からの直射日光の問題は、半透明の樹脂板を設置することで、入ってくる光が柔らかくなるよう対策しました。
もともとL字の廊下を通る形で配置されていた浴室と寝室は、洗面室・WICと一緒に一か所にまとめ、スムーズにアクセスできるようにしています。
戸建てのリフォーム事例2. 贅沢な余白のある空間(7,200万円・17年・192㎡・鉄骨(S造))
3階建ての鉄骨造の住宅をフルリフォームした事例です。
壁付けされ独立していたキッチンをオープンにし、リビングやダイニングはもちろん、キッチンまでしっかりと自然光が入るよう変更。全体をモダンで落ち着きのあるインテリアで統一しました。
1階から階段を上がってくるとあらわれるホールも印象的で、既存の吹き抜けも相まってホテルのような空間に仕上がっています。ホールに新設したステップフロアのライブラリースペースも、暮らしを豊かにしてくれます。
スケルトンリフォームの費用に影響する内容
スケルトンリフォームの費用に影響する5つの要素について解説していきます。
住宅の広さ
リフォームの対象となる住宅の広さが広ければ広いほどコストがかさみます。
1LDKや2LDKなど同じ間取りであっても、リフォームする面積が広い住宅の方が費用も高くなるので、延床面積を把握しておきましょう。
間取り
スケルトンリフォームでは間取りを大きく変更することもできますが、間取りの変更にはコストがかかるので注意しなくてはいけません。
また、水回り設備の移動は配管の移動を伴うため、よりコストがかかることになります。
建物の状態
戸建てのスケルトンリフォームでは、建物の状態も費用に影響します。
戸建ては、築年数が古いほど駆体の劣化が進んでいるため、耐震補強などにコストがかかります。木造住宅はとくにその傾向が強く、建て替えと変わらない金額になることも。
一方、RC造や鉄骨造の住宅は駆体が頑丈なので、古くてもリフォーム費用が想定以上に高くなるようなことはほとんどありません。
設備のグレード
住宅設備はさまざまなメーカーから多種多様な製品が発売されていますが、これらの設備は製品のグレードによって価格が大きく異なります。
グレードの高い製品は高機能で質感が高い反面、価格も高くなるため、製品のグレードにこだわると費用も割高になります。
スケルトンリフォームの費用を抑えるコツ
スケルトンリフォームの費用をなるべく抑える上で把握しておくべき、3つのコツを紹介していきます。ただしあまりにコストダウンを意識しすぎると妥協点が増え、満足度が下がってしまいます。メリハリを考えながら計画しましょう。
優先順位を考える
スケルトンリフォームの費用を抑え、予算内で済ませるためには、事前にやりたいことの優先順位を考えておかなくてはいけません。
優先順位を決めずにすべてやろうとすると予算を大幅に超過しかねません。また、事前に決めておかないと、優先順位の低い工事を優先するなど失敗する可能性もあります。
まずはスケルトンリフォームでやりたいことをリストアップし、優先順位をつけるところから始めてみてください。
設備のグレードにこだわりすぎない
スケルトンリフォームの費用に影響する内容の一つとして紹介したとおり、グレードの高い住宅設備ばかり選んでしまうと費用も割高になるため注意が必要です。
設備についても、優先順位や、妥協してもいいもの・妥協したくないものをあらかじめ決めておき、予算にあわせて柔軟に選択できるようにしましょう。
補助金や減税制度を活用する
リフォームの中には、国や自治体の補助金や助成金、減税制度の対象となるものがあります。
代表的なものとしてあげられる工事は以下のとおりです。
・バリアフリーに関連する工事
・耐震補強工事
・省エネに関連する工事
補助金や助成金などの制度に申し込んだ上で工事をすれば、工事にかかった費用の何割かを補助金や助成金として受け取れる可能性があります。
また、対象となる工事をすることで、所得税や固定資産税の優遇を受けられる可能性もあります。
スケルトンリフォームのメリット
スケルトンリフォームをすることによって期待できるようになる、4つのメリットを紹介していきます。
理想の間取りとデザインにできる
スケルトンリフォームは自由度の高いリフォーム方法です。
マンションであればコンクリート躯体を、戸建てであれば基礎と駆体を残し、後はすべて一新できるため、理想の間取りやデザインを実現しやすくなっています。
細かく分けられていた部屋の壁をなくして大きなリビングにしたり、壁付けされていたキッチンをアイランド型に変更するなど、大胆な間取りの変更も可能です。
注文住宅を購入するときのように、細部にまでこだわって理想の空間を実現できます。
建て替えよりもコストを抑えられる
スケルトンリフォームは、コストをなるべく抑えたいと考えている方にもおすすめのリフォーム方法です。
戸建ての内装から外観まで一新する方法には建て替えとスケルトンリフォームがありますが、スケルトンリフォームは建て替えよりもコストを抑えやすい傾向があります。
RC造や鉄骨造であれば建て替えの1/2程度の費用でリフォーム可能です。
駆体の劣化が激しい木造住宅など、建て替えと変わらない金額になる例外的なケースもありますが、大幅にコストを抑えられる点は、非常に魅力的なメリットだと言えるでしょう。
最新の設備を導入できる
基礎や駆体以外の部分を一新するスケルトンリフォームには、新しい設備を導入しやすいというメリットもあります。
例えば、
・CUCINAやkitchenhouseのオーダーキッチン
・Mieleの食洗機
・GAGGENAUのオーブン
・LIEBHERRの冷蔵庫
など、人気の高級ブランドの最新設備を取り入れることもできます。
導入する設備に合わせてプランニングすることですべての設備がジャストフィットした美しい空間に仕上げられるのは、スケルトンリフォームならではです。
耐震補強や断熱工事ができる
基礎のコンクリートを打ち増ししたり、柱を金属パーツで補強する耐震補強工事や、壁や天井の内側に断熱材を充填する断熱工事は、既存の内装材を撤去した上で行う必要があります。
スケルトンリフォームは、一旦既存の内装材などを撤去し、建物を駆体だけの状態(スケルトン)にして工事を進めていくため、これらの耐震補強工事や断熱工事を同じタイミングで効率的に進められます。
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スケルトンリフォームのデメリット
魅力的な点が多いスケルトンリフォームですが、デメリットがないわけではありません。スケルトンリフォームの3つのデメリットを紹介していきます。
部分リフォームよりも高くなる
建て替えに比べてコストを抑えやすいスケルトンリフォームですが、部分リフォームよりは費用が高額になる点はデメリットの一つです。
スケルトンリフォームは既存の設備のほとんどを解体するため解体費用がかさみますし、工事の対象となる範囲が広くなり、対象となる箇所も多くなります。
そのため、工事の内容や対象箇所が限定的な部分リフォームと比較すると、どうしても金額が高くなります。
工事期間が長くなりやすい
工事期間が長くなりやすい点も、スケルトンリフォームならではのデメリットです。
具体的な工事期間はリフォームの内容によって異なりますが、部分リフォームのほとんどが数日で完了するのに対し、スケルトンリフォームはマンションなら最低3ヶ月以上、戸建てなら最低4ヶ月以上はかかります。
建物の規模が大きく大掛かりな工事になると、半年以上かかることもあります。
対応できるリフォーム会社が少ない
住宅のスケルトンリフォームでは、リフォーム会社選びで難航するケースが多々あります。
スケルトンリフォームでは、建物のさまざまな構造躯体に関する知識やノウハウ、経験、実績が必要になりますが、それらを持ち合わせているリフォーム会社はそう多くありません。
スケルトンリフォームの施工を依頼するリフォーム会社を探す際は、ホームページの内容や事例を細かくチェックし、スケルトンリフォームに対応しているかチェックしましょう。
また、ノウハウや経験、実績が豊富かどうかについてもチェックしながら選ぶようにしてください。
マンションのスケルトンリフォームの注意点
マンションをスケルトンリフォームする際の注意点について解説していきます。
リフォームできるのは専有部分だけ
マンションには、専有部分と共用部分がありますが、スケルトンリフォームで手を加えられるのは専有部分のみです。
玄関ドアや窓のサッシ、バルコニー、パイプシャフトなどをリフォームすることはできません。
また、管理規約によって部屋の床に使用する床材の種類が定められていたり、特定の住宅設備の場所の移動が禁止されていたりすることもあり、思い通りにリフォームできないこともあります。
壁式構造は間取り変更が制限される
マンションには、柱や梁で建物を支える「ラーメン構造」と、壁で建物を支える「壁式構造」がありますが、壁式構造だと、間取りの変更が制限されてしまうことがあります。
動かしたい壁が耐力壁で、動かすことができないようなケースでは、思い通りの間取りを実現することが難しくなるため注意してください。CRAFTではプランを工夫し、可能な限り理想の間取りに近づけます。
水回りの移動は排水・排気の経路に注意
マンションには、「PS」と表記されたパイプスペースと呼ばれる設備があります。
これは、「パイプシャフト」と呼ばれるもので、中には上下階と縦につながれた配管が通っているため、手を加えたり移動させたりすることができません。
また、キッチンやトイレなどの水回り設備とつながっている配管は、排水がパイプシャフトに集約されるよう、勾配のつく形で配置されています。
水回り設備を元の位置から離れた場所に配置すると、勾配が緩やかになり、水回り設備からの排水がパイプシャフトへとスムーズに流れなくなってしまうこともあるため注意しなくてはいけません。
戸建てのスケルトンリフォームの注意点
戸建てのスケルトンリフォームにおける2つの注意点について解説していきます。
構造によって制限がある
戸建てにはさまざまな工法がありますが、これらの構造によってリフォームの内容が制限されることもあるため注意しなくてはいけません。
例えば、鉄筋コンクリートの壁式構造だと撤去できない耐力壁があり、間取りが制限されます。また鉄骨造、軽量鉄骨造は壁を撤去してもブレースが残ることも。CRAFTでは「耐力壁を活かす」「ブレースを塗装して空間に馴染ませる」などのプランの工夫により、お客さまのご希望を叶えています。
現状によって追加費用がかかる
スケルトンリフォームでは、リフォームする予定の建物の状態によっては追加費用が発生することもあります。
住宅の基礎や駆体の状態は解体するまで確認できないため、解体した後になってから、基礎部分や躯体部分の補修工事が必要であることが判明することも少なくありません。
CRAFTでは事前にお施主さまに報告し、どのような対応をするかを都度検討していきます。
スケルトンリフォームの会社選び
スケルトンリフォームを依頼するリフォーム会社を選ぶときは、スケルトンリフォームの実績に注目しながら選ぶようにしましょう。
スケルトンリフォームは、基礎や駆体だけを残し、その他の設備をすべて解体してからリフォームするという性質上、複雑な工事を伴います。
そのため、知識や経験など、スケルトンリフォームにどれだけ精通しているかが重要です。
また、理想の住宅を実現するには設計力と施工力も重要になるので、それらの点を満たしている会社かどうかチェックしながら探すようにしましょう。
〈まとめ〉スケルトンリフォームの費用についてはリフォーム会社に相談するのが一番
スケルトンリフォームは自由度が高い分、予算をオーバーしてしまうことも少なくありません。
そうならないためにも、スケルトンリフォームは、リフォーム会社に相談しながら進めるのが一番です。
CRAFTでは、見積もりの作成を含め、費用についてもお気軽にご相談いただけますので、ぜひ一度お問い合わせください。
<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。