目次
スケルトンリフォームにかかる費用は?
スケルトンリフォームにかかる費用の相場を、マンションと戸建てに分けて解説していきます。
マンションのスケルトンリフォームの費用相場
| ㎡単価 | 主なリフォーム内容 |
|---|---|
| 10万~20万円/㎡ | 間取りは既存を利用し、低価格の材料・器具で一通りきれいにする部分リフォーム。見えなくなる設備配管や電気配線などはできる限り活用します。 |
| 20万~30万円/㎡ | スケルトンにして間取り変更し、全てを標準レベルの材料・器具に交換。見えなくなる設備配管や電気配線も全て交換します。 |
| 35万以上/㎡ | スケルトンにして間取りを大幅に変更し、全てハイレベルな材料・器具に交換。見えなくなる設備配管や電気配線も全て交換するため安心です。ほぼオーダーメイドの上級グレードのリフォームです。 |
すべてが上記に該当するわけではありません。リフォーム内容によるため、詳しい費用感は直接お問合せください。
戸建てのスケルトンリフォームの費用相場
戸建てを比較的高品質なグレードでリフォームする場合、下記を目安にしてください。
木造 30万円/㎡~
RC造・鉄骨造 35万円/㎡~
ただし戸建てもマンションと同様、リフォーム内容やセレクトする素材などによって金額に幅があります。個別のリフォーム費用は、CRAFT青山ショールームの相談会にてご案内しています。お気軽にご参加ください。
*戸建てスケルトンリフォーム費用 参考記事*
戸建てのスケルトンリフォームの費用相場は? 事例に見る費用感と、メリットデメリット
*築年数・坪数別の費用を知りたい方はこちら*
戸建て(一軒家)のまるごとリフォームの費用相場は?メリット・デメリットも解説
*鉄骨造のスケルトンリフォーム費用を知りたい方はこちら*
鉄骨造のスケルトンリフォームの費用相場は?メリット&事例を紹介!
スケルトンリフォーム事例に見る費用感
スケルトンリフォームの事例を紹介していきます。スケルトンリフォーム費用の目安にしてください。
マンションのスケルトンリフォーム事例1. 大人のくつろぎ空間(3,000万円・15年・90㎡)
築15年のマンションをスケルトンリフォームしました。
なかなか使う機会がなく有効活用できていなかった部屋を取り込み、住宅の東側に大きなLDKをレイアウト。場所を大きく移動したキッチンには、AriafinaのレンジフードやMieleの食洗機など、奥さまのこだわりが詰まった設備を導入しました。
ストーン調のタイルや無垢の床材など、細部にまでこだわることで、洗練された落ち着きのある大人の空間となっています。
マンションのスケルトンリフォーム事例2. 趣味を愉しむ上質な住まい(5,200万円・14年・132㎡)
ご自宅の倍の広さがある物件を購入し、スケルトンリフォームによって理想の住まいを実現した事例です。
CDや本、服などご夫婦の趣味のアイテムが家中に溢れていることにお悩みだったため、それらの大切なアイテムを身近に感じながらも快適に過ごせる空間をプランニング。玄関から寝室までの動線と家事スペースの奥に大容量のライブラリーを、小上がりスペースにも大きな収納スペースを設けました。
これにより、「住宅がモノで溢れる」という悩みを解消しつつ、どこにいても好きなアイテムの存在を感じられる空間に仕上がっています。
戸建てのリフォーム事例1. スムーズな生活動線(4,500万円・9年・140㎡・鉄筋コンクリート造)
「天窓から入る直射日光がきつい」「LDKが過ごしにくい」「浴室と寝室が離れすぎている」など、築9年の比較的新しい物件でありながらさまざまな問題を抱えていたこちらの物件。
リビングのそばに大きく配置されていた夫婦質を取り除いて、ドッグスペースつきの大きなLDKに変更し、もともとダイニングだった箇所をフリースペースとして活用する間取りに変更。
天窓からの直射日光の問題は、半透明の樹脂板を設置することで、入ってくる光が柔らかくなるよう対策しました。
もともとL字の廊下を通る形で配置されていた浴室と寝室は、洗面室・WICと一緒に一か所にまとめ、スムーズにアクセスできるようにしています。
戸建てのリフォーム事例2. 贅沢な余白のある空間(7,200万円・17年・192㎡・鉄骨造)
3階建ての鉄骨造の住宅をフルリフォームした事例です。
壁付けされ独立していたキッチンをオープンにし、リビングやダイニングはもちろん、キッチンまでしっかりと自然光が入るよう変更。全体をモダンで落ち着きのあるインテリアで統一しました。
1階から階段を上がってくるとあらわれるホールも印象的で、既存の吹き抜けも相まってホテルのような空間に仕上がっています。ホールに新設したステップフロアのライブラリースペースも、暮らしを豊かにしてくれます。
スケルトンリフォームの費用が高くなる要因
スケルトンリフォームの費用に影響する5つの要素について解説していきます。
住宅の広さ
リフォームの対象となる住宅の広さが広ければ広いほどコストがかさみます。
1LDKや2LDKなど同じ間取りであっても、リフォームする面積が広い住宅の方が費用も高くなるので、延床面積を把握しておきましょう。
間取り
スケルトンリフォームでは間取りを大きく変更することもできますが、間取りの変更にはコストがかかるので注意しなくてはいけません。
また、水回り設備の移動は配管の移動を伴うため、よりコストがかかることになります。
建物の状態
戸建てのスケルトンリフォームでは、建物の状態も費用に影響します。
戸建ては、築年数が古いほど駆体の劣化が進んでいるため、耐震補強などにコストがかかります。木造住宅はとくにその傾向が強く、建て替えと変わらない金額になることも。
一方、RC造や鉄骨造の住宅は駆体が頑丈なので、古くてもリフォーム費用が想定以上に高くなるようなことはほとんどありません。
設備のグレード
住宅設備はさまざまなメーカーから多種多様な製品が発売されていますが、これらの設備は製品のグレードによって価格が大きく異なります。
グレードの高い製品は高機能で質感が高い反面、価格も高くなるため、製品のグレードにこだわると費用も割高になります。
スケルトンリフォーム費用を抑えるコツ
スケルトンリフォームの費用をなるべく抑える上で把握しておくべき、3つのコツを紹介していきます。ただしあまりにコストダウンを意識しすぎると妥協点が増え、満足度が下がってしまいます。メリハリを考えながら計画しましょう。
優先順位を考える
スケルトンリフォームの費用を抑え、予算内で済ませるためには、事前にやりたいことの優先順位を考えておかなくてはいけません。
優先順位を決めずにすべてやろうとすると予算を大幅に超過しかねません。また、事前に決めておかないと、優先順位の低い工事を優先するなど失敗する可能性もあります。
まずはスケルトンリフォームでやりたいことをリストアップし、優先順位をつけるところから始めてみてください。
設備のグレードにこだわりすぎない
スケルトンリフォームの費用に影響する内容の一つとして紹介したとおり、グレードの高い住宅設備ばかり選んでしまうと費用も割高になるため注意が必要です。
設備についても、優先順位や、妥協してもいいもの・妥協したくないものをあらかじめ決めておき、予算にあわせて柔軟に選択できるようにしましょう。
補助金や減税制度を活用する
リフォームの中には、国や自治体の補助金や助成金、減税制度の対象となるものがあります。
代表的なものとしてあげられる工事は以下のとおりです。
・バリアフリーに関連する工事
・耐震補強工事
・省エネに関連する工事
補助金や助成金などの制度に申し込んだ上で工事をすれば、工事にかかった費用の何割かを補助金や助成金として受け取れる可能性があります。
また、対象となる工事をすることで、所得税や固定資産税の優遇を受けられる可能性もあります。
スケルトンリフォームのメリット・デメリット
スケルトンリフォームのメリット
スケルトンリフォームには、以下の4つのメリットがあります。
- ・理想の間取りとデザインにできる
- ・建て替えよりもコストを抑えられる
- ・最新の設備を導入できる
- ・耐震補強や断熱工事ができる
スケルトンリフォームは自由度が高いため、細かく分けられていた部屋の壁をなくして大きなリビングにしたり、壁付けされていたキッチンをアイランド型に変更するなど、大胆な間取りの変更も可能です。
さらに戸建であれば建て替えの1/2程度の費用でリフォーム可能です。その分の費用で内装や設備のグレードにこだわることもできます。CUCINAやkitchenhouseのオーダーキッチン、Mieleの食洗機といったハイスペックな設備の導入ができる点もメリットです。
またスケルトンリフォームは、一旦建物を駆体だけの状態(スケルトン)にして工事を進めていくため、耐震補強工事や断熱工事を同じタイミングで効率的に進められます。
スケルトンリフォームのデメリット
魅力的な点が多いスケルトンリフォームですが、デメリットがないわけではありません。スケルトンリフォームには以下の3つのデメリットがあります。
- ・部分リフォームよりも高くなる
- ・工事期間が長くなりやすい
- ・対応できるリフォーム会社が少ない
- ・固定資産税が上がる
スケルトンリフォームは部分リフォームよりも解体費用がかさみ、また工事範囲が広くなるため、金額は高くなりがちです。
また工事期間も長く、マンションなら最低3ヶ月以上、戸建てなら最低4ヶ月以上はかかります。建物の規模が大きく大掛かりな工事になると、半年以上かかることもあります。
スケルトンリフォームには建物のさまざまな構造躯体に関する知識やノウハウ、経験、実績が必要になりますが、それらを持ち合わせているリフォーム会社が見つからず、会社選びに時間がかかることも。
さらに、スケルトンリフォームは住宅の評価額に影響を与えるため、固定資産税も上がります。ただし構造や基礎に触れない・床面積が変わらないリフォームは上がりません。また耐震リフォームや省エネリフォームで固定資産税が下がる場合もあります。詳しくは「スケルトンリフォームをすると固定資産税が上がる? 固定資産税を抑える3つのコツ」をご覧ください。
マンションのスケルトンリフォームの注意点
マンションをスケルトンリフォームする際の注意点について解説していきます。
リフォームできるのは専有部分だけ
マンションには、専有部分と共用部分がありますが、スケルトンリフォームで手を加えられるのは専有部分のみです。
玄関ドアや窓のサッシ、バルコニー、パイプシャフトなどをリフォームすることはできません。
また、管理規約によって部屋の床に使用する床材の種類が定められていたり、特定の住宅設備の場所の移動が禁止されていたりすることもあり、思い通りにリフォームできないこともあります。
壁式構造は間取り変更が制限される
マンションには、柱や梁で建物を支える「ラーメン構造」と、壁で建物を支える「壁式構造」がありますが、壁式構造だと、間取りの変更が制限されてしまうことがあります。
動かしたい壁が耐力壁で、動かすことができないようなケースでは、思い通りの間取りを実現することが難しくなるため注意してください。CRAFTではプランを工夫し、可能な限り理想の間取りに近づけます。
水回りの移動は排水・排気の経路に注意
マンションには、「PS」と表記されたパイプスペースと呼ばれる設備があります。
これは、「パイプシャフト」と呼ばれるもので、中には上下階と縦につながれた配管が通っているため、手を加えたり移動させたりすることができません。
また、キッチンやトイレなどの水回り設備とつながっている配管は、排水がパイプシャフトに集約されるよう、勾配のつく形で配置されています。
水回り設備を元の位置から離れた場所に配置すると、勾配が緩やかになり、水回り設備からの排水がパイプシャフトへとスムーズに流れなくなってしまうこともあるため注意しなくてはいけません。
戸建てのスケルトンリフォームの注意点
戸建てのスケルトンリフォームにおける2つの注意点について解説していきます。
構造によって制限がある
戸建てにはさまざまな工法がありますが、これらの構造によってリフォームの内容が制限されることもあるため注意しなくてはいけません。
例えば、鉄筋コンクリートの壁式構造だと撤去できない耐力壁があり、間取りが制限されます。また鉄骨造、軽量鉄骨造は壁を撤去してもブレースが残ることも。CRAFTでは「耐力壁を活かす」「ブレースを塗装して空間に馴染ませる」などのプランの工夫により、お客さまのご希望を叶えています。
現状によって追加費用がかかる
スケルトンリフォームでは、リフォームする予定の建物の状態によっては追加費用が発生することもあります。
住宅の基礎や駆体の状態は解体するまで確認できないため、解体した後になってから、基礎部分や躯体部分の補修工事が必要であることが判明することも少なくありません。
CRAFTでは事前にお施主さまに報告し、どのような対応をするかを都度検討していきます。
スケルトンリフォームの会社選び
スケルトンリフォームを依頼するリフォーム会社を選ぶときは、スケルトンリフォームの実績に注目しながら選ぶようにしましょう。
スケルトンリフォームは、基礎や駆体だけを残し、その他の設備をすべて解体してからリフォームするという性質上、複雑な工事を伴います。
そのため、知識や経験など、スケルトンリフォームにどれだけ精通しているかが重要です。
また、理想の住宅を実現するには設計力と施工力も重要になるので、それらの点を満たしている会社かどうかチェックしながら探すようにしましょう。
〈まとめ〉スケルトンリフォーム費用は、見積りをもらうのが一番早くて確実
スケルトンリフォームは自由度が高い分、予算をオーバーしてしまうことも少なくありません。そうならないためにも、早めに見積りをもらって資金計画を立てることが大切です。
CRAFTでは青山ショールームの相談会にて、「リフォームでやりたいこと」を丁寧にヒアリングし、おおまかな予算をお伝えしています。費用はお住まいの状況やご希望によってさまざまです。予算内に抑えるために、やりたいことに優先順位をつけるといったことでコストバランスを図ることも可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。








