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骨組みだけ残して天井・壁・床をすべて取り払うスケルトンリフォーム。しかし、スケルトンリフォームは工事が終わってから後悔することも。この記事では、スケルトンリフォームで後悔すること、メリット・デメリットから失敗を防ぐ方法について解説します。
(作成日 2023.9.30 更新日2024.10.1 )
スケルトンリフォームでありがちな後悔5つ<マンション・戸建て>
マンションと戸建てでありがちな「スケルトンリフォームの後悔」について解説します。
1.希望通りの間取りにできなかった
スケルトンリフォームは、住宅の骨組みだけを残しつつ天井・壁・床をすべて取り払って行うリフォームを指します。そのため、原則は間取りの大幅な変更が可能です。
しかし、100%自分の思い通りの間取りにできるわけではありません。戸建ては住宅の構造によっては撤去できない壁があったり、マンションは管理規約で間取りの変更が禁止されている場合もあります。
間取り変更にどのような制限があるか、必ず事前に確認しておきましょう。構造による制限がある場合でも、工夫によって理想の間取りに近づけられることもあります。
2.老朽化で建て替えが必要になった
スケルトンリフォームを検討していても、物件の老朽化が激しい場合は「建て替え」が必要となることもあります。
築年数が何十年と経過している物件は、解体工事を開始してから支柱・天井・壁・床の問題が発覚する場合もあります。例えば、基礎部分の腐食の他、シロアリによる被害も珍しくありません。
特に中古戸建てを買ってスケルトンリフォームを検討している場合は、必ず購入前に状態をチェックすることが大切。CRAFTでは購入前に無料でホームインスペクションを実施しているため、安心して購入をご判断いただけます。
3.仮住まいの家賃を忘れていた
スケルトンリフォームは基礎部分を残すため、新築や建て替えよりも比較的工期は短いのが特徴です。しかし、理想の住まいを実現するためにこだわりを詰め込みすぎると、その分工期も長くなってしまいます。
その結果、仮住まいの家賃がかさんでしまうことも珍しくありません。スケルトンリフォームの工期の目安は2ヶ月〜4ヶ月が平均とされるため、最低でも2ヶ月〜4ヶ月分の家賃を用意しなくてはなりません。
仮に1ヶ月で10万円の家賃であれば、20万円〜40万円は別途で用意しておかねばならない計算です。もちろん、工期が4ヶ月〜6ヶ月ほどかかる場合もあるため、仮住まいの家賃についても考えておく必要があります。
4.予算をオーバーしてしまった
スケルトンリフォームは新築や建て替えと比較すると、費用を抑えられるのが特徴です。しかし、物件にダメージが残っている場合は、その修復や補修だけで相応の費用がかかってしまいます。
結局、想定していた予算を大幅にオーバーしてしまうこともあるかもしれません。
築年数が古い物件ほど老朽化が激しく、修繕部分も出てきます。そのため、古い物件をスケルトンリフォームして予算オーバーとなり、後悔するケースもあることを知っておきましょう。
5.完成後がイメージと違った
スケルトンリフォームは、「完成後のイメージが想像と違っていた」ことで後悔するケースもあります。図面だけでは、リフォーム完了後の状態を想像するのが難しいためです。
そのため、設計の段階で何度も打ち合わせを行い、より理想の住宅にできるようリフォーム会社と協力することが大切です。
スケルトンリフォームのメリット・デメリット
ここからは、スケルトンリフォームのメリット・デメリットを解説します。
スケルトンリフォームのメリット
スケルトンリフォームのメリットは、以下の通りです。
・新築や建て替えよりコストを抑えられる
・見えない部分もアップデートできる
・間取りを自由にできる
スケルトンリフォームは、新築や建て替えよりコストを抑えられるメリットです。基礎部分を残したまま改修するため、土台から作らなければならない新築や建て替えに比べてトータルの費用を抑えられます。
土台以外は一度解体してから施工に入るため、見えない部分のアップデートも可能です。例えば、床下の配管や壁裏の断熱材など、長年手を付けられなかった部分も直せるのが強みです。
さらに間取りも比較的自由にできるため、お子さまの独立後に広々としたLDKにしたり、子供部屋を趣味の部屋にしたり、バリアフリー化を導入したりと希望の住まいにできます。
スケルトンリフォームのデメリット
スケルトンリフォームのデメリットは、以下の通りです。
・住宅の構造によっては間取りに制限がある
・予算をオーバーすることがある
自由度の高いスケルトンリフォームでも、 住宅の構造によっては間取りが制限されます。たとえば鉄筋コンクリート(RC)造の壁式構造であれば、構造に関わる耐力壁を動かすことができません。また軽量鉄骨造も、間取り変更に伴いブレースが露出することも。このような制約があっても、ご希望の間取りに近づけられるようなプランの工夫が必要です。
また理想を詰め込むと予算もオーバーに。リフォームでやりたいことに優先順位をつけることも大切です。
スケルトンリフォームの事例(間取り図付き)
ここからは、スケルトンリフォームで何ができるか?を見ていきましょう。CRAFTの事例とともにご紹介します。
事例1:大きく回遊できる家〈マンション〉
都内のタワーマンションは、ご夫婦と愛犬がゆったりと過ごせるようスケルトンリフォームしました。部屋数を減らして3LDKから2LDKへと間取り変更。さらにキッチンをオープンにし、大空間のLDKを叶えています。寝室~WTC~洗面室~LDKをつなげ、邸内を大きく回遊させることにより、スムーズな生活動線を生み出したこともポイントです。インテリアは「ナチュラルモダン」がコンセプト。グレージュで上品にまとめ、ご愛用のCassinaのソファやBaccaratのシャンデリアが溶け込むように計画しました。
事例2:パークビューを望む1LDK〈マンション〉
お子さまたちの独立をきっかけに、パークビューのマンションを購入したご夫婦。スケルトンリフォームにより、ワンルームにもなる1LDKへと間取り変更しました。公園の景色に面したバルコニー側は、すべてリビング・ダイニングに。リビングの一角には、景色を眺めながら静かに過ごせる暖炉スペースを設置しています。キッチンを挟んだ先のベッドルームは、ウッドシャッターでゆるやかに間仕切り。開放すればリビングと連続し、やわらかな朝の空を感じることができます。
事例3:吹き抜けとスケルトン階段のあるリビング〈戸建て〉
ご実家を譲り受け、住み替えることになった戸建て。ご夫婦の暮らしに合わせてスケルトンリフォームしました。部屋が細かく仕切られ、窮屈な印象だったことから、2つの和室をとりこんで広々としたLDKに。リビングとダイニングには吹き抜けを設け、スケルトン階段を新設。暗かったLDKに開放感が生まれ、たっぷりの自然光を感じながら心地よく過ごせるようになりました。リビングと玄関ホールの間はFIXガラスで仕切り、柱をリズミカルに配置。玄関ホールを箱のように見せています。
事例4:スムーズな生活動線に〈戸建て〉
「LDKが過ごしにくい」「浴室と寝室が離れすぎ」といった過ごしにくさを感じていたことから、スケルトンリフォームをすることに。寝室を移動してLDKを拡大しつつ、縦長の間延びしたイメージを避けるために、壁を立ち上げて背面をDVDライブラリーとしています。リビングの一角にはドッグスペースをレイアウト。寝室は移動し、浴室やWICなどのプライベート空間を一カ所にまとめ、生活動線と短縮したこともポイントです。寝室~WIC~玄関をつなげることで、外出・帰宅の動線をスムーズにしました。
スケルトンリフォームの失敗を防ぐ方法
ここからは、スケルトンリフォームの失敗を防ぐ方法について解説します。
〈1〉リフォームの目的を明確にする
スケルトンリフォームを行う前に、「子育てしやすい家に」「親と程よい距離感で同居したい」など、明確なリフォームの目的を考えることが重要です。
目的が曖昧のまま計画を進めてしまうと、後になってから「ここはこうすれば良かった」という場面が出てきます。物件の状況やご希望次第では建て替えの方が効率的な可能性もあるため、スケルトンリフォームでなければならない理由は何なのかを一度整理しておきましょう。
〈2〉リフォームの優先順位を考える
スケルトンリフォームでやりたいことに優先順位をつけることも大切です。
・2LDKから3LDKに間取りを変更したい
・天井に窓や吹き抜けをつくりたい
・防音性を高めたい
・断熱性を高めたい
・キッチンの位置を変えたい
・バリアフリー化したい
・省エネ化したい
ざっと挙げるだけでも、スケルトンリフォームの要望はたくさん出てくるかと思います。しかし、その要望の中には優先順位の高いものと低いものがあるはずです。
一度、要望をメモ帳などにリスト化し、その中で優先順位を決めていきましょう。
例えば、最も優先順位の高いものを「10」、最も優先順位の低いものを「1」という具合に振り分けるのがおすすめです。もしくは「絶対にやってもらいたい工事」「できたらやってもらいたい工事」などに振り分けておくのもありです。
〈3〉リフォームの予算を明確にする
前述では「スケルトンリフォーム=予算オーバーになりがち」と説明しましたが、しっかりと予算を割り出して工事の内容を決めていけば、予算を大幅に超えることはありません。
「中庭を作りたい」「外交や外壁も一新したい」「サッシも全て交換したい」などと希望を詰め込み過ぎると、予算を超えてしまうこともあります。しかし、先に予算を決めてしまえば、後はそれに沿って工事の内容を決めていくだけです。
そのため、先にリフォームの予算を決めてしまうのがおすすめです。
〈4〉リフォームの工期を把握する
スケルトンリフォームは、数ヶ月〜半年以内に「着工〜竣工」まで終わるのが一般的です。しかし解体後に思わぬ劣化が見つかり追加工事が必要な場合は、工期が伸びます。
そうなると仮住まいの家賃が膨らんでしまいます。近くに実家があって家賃がかからない場合は問題ないですが、仮住まい用に物件を借りるとなるとそれ相応の家賃が必要です。
そのため、あらかじめスケルトンリフォームの日程を把握し、仮住まいの期間がどれくらいになるのかも把握しておきましょう。
〈5〉完成後のイメージを共有する
スケルトンリフォームは「完成後のイメージと違う」という事態に陥ることもあるため、工事を開始する前に完成後のイメージは共有しておきましょう。
リフォーム会社によっては設計図だけで説明する場合もありますが、可能であれば事前にイメージしやすいスケッチや模型などを用意してもらうのがおすすめです。
CRAFTではプランのご提案時にリフォーム後がわかる完成イメージCGを作成。理想のイメージと完成にほとんどブレがありません。
〈6〉リフォーム会社との相性を確かめる
フルリフォーム会社は多く存在するため、相性の良いリフォーム会社もあれば相性の悪いリフォーム会社もあります。「デザイン性が好みかどうか」もそのひとつ。各社のリノベーション事例を見て、イメージする空間に近いかもチェックしておきましょう。
そのため、可能であれば複数のリフォーム会社の担当者と打ち合わせし、質問のしやすさや相談のしやすさを確認しましょう。ただし打ち合わせには時間も労力も必要となるため、「相談は多くても3社」に留めておくのがおすすめです。
〈7〉近隣住民に配慮する
スケルトンリフォームの工事が始まる際は、近所の方への挨拶も忘れずに済ませておきましょう。
工事期間中は施工会社の車が道路に停められるだけでなく、騒音や振動が発生することもあります。何も告知なしに工事が始まってしまうと、周辺の方は驚いてしまうかもしれません。
それが余計なトラブルの原因となる場合もあるため、工事の前には挨拶が鉄則です。CRAFTではオーナーさまに代わって、近隣挨拶や管理会社への申請を行います。また、解体工事など騒音が出やすい作業の場合は窓を閉め切る・手作業で行うなど徹底して配慮しています。
〈まとめ〉スケルトンリフォームで理想の住まいに
ご紹介したように、スケルトンリフォームでは理想の家にできる反面、後悔するリスクも孕んでいます。そのため、失敗しないよう目的や優先順位を考え、予算や工期についてもリフォーム会社と話し合っておくのが賢明です。
CRAFTではなお、VR・CG画像でイメージを共有するため、完成後の住宅も想像しやすいのが特徴です。スケルトンリフォームの実績豊富で細かな要望にも的確に応えられます。
今まで担当した物件の事例写真も豊富に用意しておりますので、「リフォーム後をしっかりイメージしたい」という方も安心してご依頼いただけます。ぜひお気軽にご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。