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〈セカンドリビング〉という言葉を聞いたことはありますか?
メインリビングとは別の、もうひとつの小さなリビングのこと。セカンドリビングは、二世帯住宅や戸建ての2階につくられることが多いようです。しかし最近では、マンションでも見られるようになってきました。
今回は、セカンドリビングの事例や間取りをご紹介します!
セカンドリビングとは?メリットは?
そもそもセカンドリビングは、どのように使われているのでしょうか?
「2階のセカンドリビングでは、寝る前に家族でテレビを見る」(40代女性)
「ホームパーティーのときにテラスのセカンドリビングも開放する」(30代女性)
「二世帯だから、子供に気兼ねなく過ごせるリビングとして」(60代女性)
「子どもたちが遊んだり、宿題をしたりする」(40代男性)
「仲間を読んだり、音楽を聴いたりするサロンみたいに使っている」(30代男性)
さまざまな用途がありますね。「しばらくはセカンドリビングにして、将来は子供部屋にする」という方もいました。
セカンドリビングには、シーンによって用途を変えられるフレキシブルなスペースと考えましょう。
セカンドリビングの間取りは?
セカンドリビングの間取りに「これがベスト」というものはありません。
二世帯なら世帯ごとにあってもいいですし、就寝前にくつろぎたいなら2階の寝室前に。またホームパーティーなどで使う予定があるなら、テラスやバルコニーをセカンドリビングにしてもよいかもしれません。
「どう過ごすか」によって、セカンドリビングの間取りが決まります。ですので、あなたがやるべきことは「なぜセカンドリビングが欲しいのか」をデザイナーに伝えること。面積や全体のレイアウトを考慮しながら、ベストなセカンドリビングの間取りを提案してくれるはずです。
セカンドリビングのおすすめ事例
では実際に、セカンドリビングを設けたリノベーション事例をご紹介します。2階の寝室の横にセカンドリビング、二世帯にセカンドリビング、バルコニーをセカンドリビングに…。「こんなふうに過ごしたい!」と思ったら、間取りも広さも自由です。
7つの事例から、あなたの暮らしにフィットしそうなセカンドリビングを見つけてみましょう。
〈case1〉 2階にセカンドリビング
セカンドリビングでもっとも多いのが、〈2階のセカンドリビング〉です。「2階にも家族が集まる場所がほしい!」というのがその理由。
こちらの戸建ては、寝室のある2階にセカンドリビングをレイアウト。壁には織部焼のようなタイルを貼り、こだわりのオーディオセットを配置しました。2階の寝室横にセカンドリビングがあれば、寝る前に家族で音楽を聴いたり、本を読んだりできますね。メインのリビングよりも狭いことで、いつもより家族のつながりが生まれます。
プライベート感が満載のセカンドリビングなら、メインのリビングと違った過ごし方ができそうです。
〈case2〉1階の玄関前にセカンドリビング
2階にリビングがある場合は、逆に1階にセカンドリビングを設けるパターンも。
こちらは1階をまるごとセカンドリビングとしたケースです。トレーニングスペース、ホームシアター、ミニバー、シャワールーム、インナーテラスがあり、さまざまな趣味を思いきり楽しめる空間。突然ゲストが訪れたときも、セカンドリビングに案内すれば他の家族に気兼ねなくくつろいでもらえます。
広めの土間にはテーブルを置いて、お茶をしたり、友人とお酒を飲んだり。フレキシブルなセカンドリビングは、趣味や人とのつながりを深めてくれます。
〈case3〉お庭にセカンドリビング
「間取り的に、セカンドリビングが難しい」というときは、お庭(テラス)をセカンドリビングにしてみてはいかがでしょうか。
こちらはお庭にサンルームを増築し、セカンドリビングにした事例です。自然光がたっぷりと注ぐ気持ちのよい空間。テラスと同じタイルを貼ることで、内と外の境界線を曖昧にし、より伸びやかな印象に仕上げています。
休日はここでブランチをしたり、星空のもとで食事をしたり。贅沢な気分にしてくれるセカンドリビングです。
〈case4〉バルコニーをセカンドリビングに
陽当たりのよい2階のバルコニー(ベランダ)をセカンドリビングにすることも。
こちらはLDK横のバルコニーにウッドデッキを張って、セカンドリビングとして活用しています。アウトドアソファやテーブルを置けば、アウトドアリビングに。
さきほどのサンルームと同様、外の光を感じながら過ごせるスペースです。LDKとバルコニーの間を一枚ガラスで仕切ることにより、たくさんの自然光が室内に届くようになりました。
LDKとひと続きのウッドデッキのセカンドリビングは、室内に実際以上の広がりを与えてくれます。
〈case5〉二世帯のセカンドリビング
二世帯でニーズの多い、セカンドリビング。とくに完全同居や部分同居の方は、「たまには家族水入らずで過ごしたい」「好きなテレビを観たい」なんて思うコトもあるはずです。こちらは1階の玄関前に、親世帯専用のセカンドリビングを設けました。
いつもは子世帯と一緒にみんなでくつろいでいるものの、たまには1人でテレビを観たり、友達を招いたりしたい。そんなときに、小上がりの和室のセカンドリビングがあるとうれしいですよね。
お母さまも「ちょっとお茶飲んでって」なんて、気軽に友達に声をかけられます。
〈case6〉LDKの小上がりをセカンドリビングに
LDKにゆとりがあるなら、一角にセカンドリビングを設けてみてはいかがでしょうか。
こちらはリビング横に小上がりを設け、デスクや棚でゆるやかに間仕切りしています。ここではお子さまが本を読んだり、宿題をしたり。また床暖房を入れているため、ご主人さまがゴロリと横になることも可能。「いつの間にか、ここに家族が集まって来ちゃった…」何てコトもありそうですね。
家族が仲良しで、いつも一緒に過ごしたい方にはおすすめのセカンドリビングです。
〈case7〉寝室をセカンドリビングに
最近ちょっと注目されているのが、〈寝室セカンドリビング〉です。
寝室にテレビやソファを置いて、リビングのようにくつろげるようにすることがポイント。もちろん〈リビング〉ですから、インテリアにはとことんこだわりましょう。
こちらの寝室セカンドリビングは、木をたくさん使って落ち着いたイメージに。ベッドの上部のウォールナットの下がり天井をそのままベッドヘッドとつなげて天蓋のように仕上げています。スリットには間接照明を入れて、縦ラインを強調。また手前の棚にはテレビを収納。観たい時は、リモコンでリフトを操作します。
広さもインテリアも、妥協のないセカンドリビング。まるでホテルのスイートルームに泊まっているような気分に。パジャマ姿で映画を観るなど、夫婦でステキな過ごし方ができそうです。
まとめ
セカンドリビングについてご紹介しました。
セカンドリビングといえば、これまでは「二世帯だから」「2階でもくつろぎたい」という理由でケースがほとんどでした。でも最近は、「リビング横に設けて子どもが遊ぶ」「テラス(バルコニー)をセカンドリビングにしてホームパーティーを」など、コミュニケーションをとりやすくするために設けるケースも。
もちろん、寝室横にセカンドリビングを設けたり、寝室そのものをセカンドリビングにしたりと、プライベートな空間としての利用もおすすめ。
ライフスタイルが多様化している今、セカンドリビングの使い方も広がっています。リビングとして、書斎として、プレイルームとして、寝室として、客間として…”セカンドリビング”というよりも、もっとフレキシブルに過ごせる”フリースペース”として捉えてみてはいかがでしょうか。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。