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GLAS LUCE(グラスルーチェ)をご存知ですか? TVをマジックミラーで覆い、TVの存在感をなくすというシステム。TVの存在感を消しながら、空間につややかで瑞々しい雰囲気をつくります。今、インテリアとしてグラスルーチェが注目されているそうです。
薄型TVになったとは言っても、黒く大きなTVがせっかくのインテリアを損なうことは否定できません。
TVは観たいけど、TVを置きたくない。そんな矛盾を解決してくれるのが、グラスルーチェです。
今回は、
〈1〉グラスルーチェの仕組みと仕様
〈2〉グラスルーチェを使ったリノベーション実例
〈3〉グラスルーチェの価格
〈4〉グラスルーチェの設置方法
〈5〉グラスルーチェのショールーム
についてご紹介します。
〈1〉グラスルーチェの仕組みと仕様
グラスルーチェの仕組みはシンプルだからフレキシブル
グラスルーチェの仕組みについてご紹介します。
TVモニターを、グラスルーチェという特殊なミラーガラスで覆います。このガラスは株式会社ハナムラが独自開発し、特許を取得したもの。ガラスのTVのモニターが重なる部分に、特殊塗装と特殊フィルムが施されています。そのためスイッチをオフにするとTVの存在を感じさせず、ミラーに空間が美しく映り込み、伸びやかな雰囲気に。スイッチをオンにすると、クリアな映像が浮かびます。初めて見る人は、これがTVだと気がつかないかもしれませんね。
モニターサイズは24V型から70V型まで対応しており、国産のTVを使用します。「どうしてもこのメーカーのTVがいい」という場合は、対応してくれるそうです。TVのメンテナンスや交換を考慮した設計となっており、ガラスは取り外しが可能(交換時はハナムラに要相談)。半永久的に使い続けることができます。
基本はオーダーメイドのビルドインタイプや自立パネルタイプが中心ですが、壁に立て掛けるタイプも。立て掛けタイプはモニターが内蔵され、工事の必要がありません(設置作業は必要です)。
グラスルーチェの仕様はシーンに合わせて選ぼう
ガラスのタイプは全部で4種類。グラスルーチェオリジナルのマジックミラー(ブラック・シルバー)、カラーガラス(ホワイト・ファインブラック)から選ぶことができます。一番大きな違いは、映り込みの度合いのようです。
マジックミラー(ブラック・シルバー)
映り込みが大きく、空間を伸びやかでゴージャスに見せてくれます。しかし、照明や自然光を取り込みやすいためTV画面が見えにくいというデメリットが。ライトや窓などの映り込みが少ない環境をつくる必要があります。
カラーガラス(ファインブラック)
ミラー効果がないためマジックミラーよりも映り込みが少なく、TV画面を観やすい。スイッチを消すとTVの存在がほとんどない。
カラーガラス(ホワイト・ファインブラック)
ミラー効果がないためマジックミラーよりも映り込みが少なく、TV画面を観やすい。白いフレームが明るいインテリアに調和する。ただし、電源オフ時もTVの存在がわかる。
こうした特徴を持つため、住宅ではファインブラックが人気のようです。
〈2〉グラスルーチェを使ったインテリアの実例
グラスルーチェのあるクールなLDK
こちらは、リノベーションで壁一面にグラスルーチェのファインブラックを取り付けた実例です。実際にTVを見ることが多いため、映り込みが少なく、TVが観やすいガラスをセレクトしました。
ビ ルドインによってグラスルーチェを壁にフラットに納めています。サイドの収納扉にもブラックガラスを使用しました。壁一面に設けることで、ガラスの存在感を強調。繊細な美しさ、心地よい伸びやかさが生まれています。インテリアとしても申し分のないビジュアルですね。
グラスルーチェのなかにTVモニターを3つ設置しています。大画面では映画を観つつ、小さな画面でニュースやセキュリティーカメラを観るなどマルチディスプレイが可能に。またはBGMのようにヒーリング効果のある映像を流しておくといった使い方も。TVのフィールドを越えた使い方ができるようになりました。
グラスルーチェでバスタイムも映画鑑賞
さらに、「入浴中にTVを見たい」というリクエストがありました。そこで洗面室にグラスルーチェを設置。洗面台のミラーとしても使えるように、こちらはマジックミラーをセレクトしました。床から天井にかけて壁一面にマジックミラーを貼り、空間がダイナミックに映り込むように計画。バスタブに浸かりながら、間仕切りのガラス越しに映画鑑賞をしたり、ニュースを観たり。
贅沢なバスタイムを楽しみたい方におすすめです。
〈3〉グラスルーチェの価格は?
気になるのが、グラスルーチェの価格ですね。
たとえばグラスルーチェの中でも一番小さなサイズのFRAME wall32は¥338,000(税別)。キャビネットの上に立て掛けたり、壁に掛けて絵画のように飾ることができます。
シンプルなフレームが特徴のFLAT mini32は、¥458,000(税別)。これらの立て掛けタイプは施工が不要のため、気軽にインテリアに取り入れやすいことがポイントです。また、送料は地域によって異なりますが、施工費とあわせてプラス¥50,000ほどの経費を見ておきましょう。
グラスルーチェのビルドインタイプや、床と天井で固定して壁に設置する自立パネルタイプになると、当然ですが価格がぐっと上ります。参考までにTVを含めたグラスルーチェの価格帯をご紹介します。
一番小さな24V型のTVモニター…¥368,000(税別)
一番大きな70V型のTVモニター…¥2,570,000(税別)
ただし、これはガラス部分が”TVモニターぎりぎりいっぱい”の場合。写真の施工例のように、TVモニターのまわりにゆったりとガラスを使ってゴージャスに仕上げると、価格帯も上がります。さらに配送料と施工費、諸経費などで最低でも30万円以上はかかることになり ます。
これらはあくまで参考価格です。ガラスのサイズやTVの台数によって異なるため一概には言えません。具体的な金額を知りたい方は、グラスルーチェ、もしくはリフォーム会社に相談して見積もりを出してもらいましょう。
〈4〉グラスルーチェはどうやって設置するの?
では、グラスルーチェはどのように取り付けていくのでしょうか。ビルドインタイプのグラスルーチェの施工現場をご紹介します。
まずは、グラスルーチェの担当者、もしくはリノベーション会社のデザイナーと、どのガラスをどのようなサイズで取り付けるかを決めましょう。壁一面に設けてダイナミックに、横長に設けてスタイリッシュに。入れ方によって住まいのイメージが変わります。完成イメージが固まったら、設計図を描き、いよいよグラスルーチェの施工がスタートします。
壁面に掘り込みをつくり、その中に木枠を設け、専用のアルミフレームユニットにTVを固定。TVの接続や音響を確認できたら、上からグラスルーチェをかぶせるように設置。大きなグラスルーチェはなかなかの重量です。職人さんが数人で持ち上げ、引っ掛けて固定します。自立パネルタイプは床と天井の2面で固定するため、壁を掘り込んだり釘を打つ必要はなく、より施工が簡単です。アルミフレーム・TV・ガラスは一体になっており、地震によってずれることはありません。
ビルドインの施工は大変ですが、フラットな画面はやはりクールでかっこいいですね。
〈5〉グラスルーチェのショールームはどんなところ?
グラスルーチェのショールームは、新宿のリビングデザインセンターにあります。全ての商品がラインナップされています。
ショールームは、木の質感を活かしたあたたかい雰囲気です。木目がはっきりとしたフローリングに、明るいパネルの壁。そこに艶やかなガラスミラーと鮮明な映像が溶け込んでいます。グラスルーチェはホテルライクな空間はもちろん、ナチュラルなインテリアとの相性もよいことがわかります。
ショールームは予約優先。先客があれば待つこともあるため、事前に予約して行くのがよさそうです。
「ちょっと実物を見たいだけ」という場合は、二子玉川の〈蔦屋家電〉がおすすめです。グラスルーチェのショールームに比べると展示数は少ないですが、最新のデザイン家電と一緒にグラスルーチェを見ることができます。もちろんこちらでも購入できます。
〈GLAS LUCE ショールーム〉
住所:東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワーリビングデザインセンターOZONE 5階
TEL:03-3344-8438 / FAX:03-6302-0355
OPEN:10:30~18:30
定休日:水曜日
〈蔦屋家電〉
東京都世田谷区玉川1-14-1 二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット
TEL 03-5491-8550
OPEN :10:00~20:00
定休日:元旦
まとめ
グラスルーチェについてまとめましたが、いかがでしょうか。
グラスルーチェはTVではありません。生活感のあるTVをなくし、映像をインテリアとしてとらえ、美しい空間をつくるためのシステムです。
「ホテルライクな空間にしたい」
「リビングのイメージを壊したくない」
「生活感をなくしたい」
という方にはおすすめです。
美しい映像を流してリラックス。キャンドルの映像を流してライトのように。薪が燃える映像で暖炉のようにあたたかく。TVというフィールドを越えて活躍するグラスルーチェ。あなたはインテリアにどう取り入れますか?
<著者>中野 瀬里乃
大学卒業後、出版社・フリーライターを経て、2013年リノベーション会社CRAFTへ入社。自社HPやオウンドメディアにてリノベーション・不動産・建築・インテリア関連の事例紹介やコラムを多数執筆。