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一人暮らしの男性のインテリア。素材やディテールへのこだわりには、驚かされることがあります。リノベーションで理想を叶えた、一人暮らしの男性のインテリア実例を紹介します。
〈一人暮らしインテリア実例1〉インダストリアル
床にはモルタル、壁はアンティーク煉瓦を塗装。煉瓦の下地が見えるように白いペンキをざっくりと塗り、煉瓦の無骨な質感を強調しています。
天井はコンクリート躯体をあらわしに。経年したコンクリート躯体は、いぶし銀のような奥深い魅力を放ちます。オープンシェルフは古材と黒皮鉄を使ってオリジナルで製作し、インダストリアルなイメージに仕上げました。
一方、対面は白い壁ですっきりとモダンな印象に。WIC(ウォークインクロゼット)の間仕切りは、細いアルミフレームと透け感のあるファブリックガラスを採用しました。WICへ視線を通すことで、伸びやかさを感じさせます。
一人暮らしだからこそチャレンジできる、突き抜けたインテリアです。
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〈一人暮らしインテリア実例2〉ブルックリン
リノベーション前提で物件探しからスタート。勤務地に近く、角部屋というご自身にとってベストなマンションを購入しました。
キッチンにはバーカウンターを設置し、ゲストにお酒をふるまうことができるように。カウンターは古材を使ってオリジナルで製作しています。
玄関~リビングの壁にはチークの古材チップを貼り、ワイルドなイメージに仕上げました。ランダムな凹凸のある壁には、ご愛用のギターをディスプレイ。オーセンティックなバーのような雰囲気で、リラックスした時間を過ごせそうです。
ベッドルームはコンパクトながらも、室内窓で視線の抜けをつくっています。ガラス越しに天井のコンクリートが続き、ワンルームのような開放感。ヘッドヘットはDIYで仕上げるなど、住みながらカスタマイズしていくたのしみもあります。
一人でも、仲間と一緒でも。お酒と音楽をたのしめるブルックリンスタイルのインテリアです。
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〈一人暮らしインテリア実例3〉マテリアルの調和
「マンションのありきたりなデザインが好きじゃない」ということから、テクスチャーで経年の趣を演出。オリジナリティに満ちた住まいにリノベーションしました。
床は、木目が個性的なボルドーパインの無垢フローリング。壁の一部にはアンティーク煉瓦を貼り、古い工場の柱のように見せています。ハイライトとなる壁は、鉄板のような特殊塗装を施しています。コーナーには錆(サビ)を描き、雨風にさらされたようなリアリティを演出しました。
一人暮らしなら、ベッドルームにも遊び心をとりいれたいですね。
寝室にはロフトを設け、その下をWIC(ウォークインクロゼット)に。内側から溢れる光が、洞窟のような印象を強めています。入口サイドには、眼鏡や時計をディスプレイするニッチをオリジナルで造作。誰かに見せたくなるような、こだわりのベッドルームが誕生しました。
一つひとつのマテリアルを厳選し、調和させることで、唯一無二のインテリアに仕上げています。
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〈一人暮らしインテリア実例4〉清潔&ラフ
リノベーションを前提に物件探しからスタート。一人暮らしには十分な広さのマンションを購入しました。多くのグリーンやドライフラワーがさりげなく溶け込む、ラフで清潔感のあるインテリアをご希望でした。
マンションの壁や天井を撤去し、コンクリートをあらわしに。コンクリートの無骨な質感を際立たせるため、一部の壁は白やグレーで塗装しています。コンクリートと塗装の比率を考慮することで〈ラフさ〉と〈清潔感〉のバランスをキープ。
キッチンの腰壁には、古材のパネルを貼りました。経年を感じさせつつ、縦横に貼ることでよりラフな印象に。木を多用すると野暮ったくなる恐れがあることから、横のバランスをとりスタイリッシュに見せていることもポイントです。
コンクリート・塗装・古材・グリーンが調和し、独自の世界観を生み出しています。
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〈一人暮らしインテリア実例5〉NYのロフトアパートメント
古い倉庫や工場をリノベーションした、NYのロフトアパートメントのようなインテリアをご希望でした。
キッチンカウンターは浮づくり加工を施し、木目を浮き上がらせています。さらにナタで傷をつけ、長年使い込んだような質感を再現。キッチンの床には、ワックスで色ムラを出したテラコッタタイルで経年の味わいを。業務用の厨房機器を入れたことで、老舗レストランのような風格が漂っています。
フローリングは、オークの無垢板をエイジング加工しています。壁はグレイッシュベージュで塗装し、シンプルな家具で素材感を引き立てていることもポイント。
LDKの一角にベッドルームと書斎を設けたワンルームのような間取りは、一人暮らしならではのプランです。もちろん引き戸を締めれば、独立したベッドルームに。
熟成したワインのように豊かな空間で、仲間に手料理やワインをふるまうことができるようになりました。
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〈一人暮らしインテリア実例6〉ヴィンテージモダン
リノベーションを前提に物件探しからスタート。大きな窓が印象的なメゾネットマンションを購入しました。
イギリスの滞在時、古い建物に感じた心地よさ、なつかしさ。リノベーションでは、その空気感を表現しています。
フローリングはオークのヴィンテージ仕上げ、壁は塗りムラや刷毛跡を残しながらグレーで塗装しました。控えめながらも、素材が際立つ空間。収納は光沢を残して塗装し、モダンな印象をプラスしています。ジャン・プルーヴェをはじめとしたご愛用のヴィンテージ家具たちが上品にフィットしています。
窓際には、黒皮鉄で製作したスケルトン階段がシンボリックにたたずんでいます。経年するごとに錆(サビ)が出て、味わいが深まっていくのもたのしみの一つ。
メゾネットマンションの特性を活かし、1階と2階でイメージを変えたこともポイントです。
たとえば2階のフローリングはヘリンボーンに貼り、オーセンティックに。手前から、書斎~WIC~バスルーム~寝室といったプライベートスペースを連続させ、バスルームは箱のような造形で仕上げています。壁は1階よりも濃いダークブラウンで塗装。パブリックとプライベートを、素材や色でさりげなくゾーニングしました。
徹底的にコンセプトを追求することで生まれた、ヴィンテージモダンなインテリアです。
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まとめ
一人暮らしの男性のインテリアをまとめました。
コンクリートやアンティーク煉瓦、古材など、やはり男性一人暮らしになるとラフな質感を求める方が多いようです。しかし、こだわりポイントはひとそれぞれ。アンティーク煉瓦の上から、白く塗装する。階段を「スチール」ではなく、「黒皮鉄」で製作する。ただ塗装するのでなく、「鉄板」のような質感に塗る。
女性からすると「そこまで!?」と思うかもしれません。しかしこのマニアックなこだわりは、男性にとって住まいが人生の遊びであることを物語っているような気がします。
リノベーション前提で物件探しをすることで、理想の空間を叶えやすくなるケースも。一緒にこだわりのインテリアを叶えてみませんか?
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。