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近ごろ人気の高まりを見せるグレイッシュインテリア。
グレーの注目度は高く、世界的な色見本帳メーカーのPANTONE(パントン)社は、「2021年のテーマカラーはグレー&イエロー」と発表しました。グレイッシュインテリア作りのコツを、リノベーション事例とともにご紹介します。
グレイッシュインテリアとは?
グレイッシュインテリアとは、グレーを基調としたインテリアのこと。グレイッシュカラーは灰色が混ざった色を指します、「くすみカラー」と聞くとピンとくる人も多いのではないでしょうか。なかでもグレーとベージュの中間色であるグレージュは、近年ファッション業界を中心に注目度の高い色となっています。
グレイッシュインテリアの特徴
上品で落ち着いた雰囲気
グレーは彩度が低くコントラストが小さいため、上品で落ち着いた印象にまとめやすい色です。ブルー系のグレイッシュインテリアはクールな空間に、グレージュやベージュを合わせると暖かな雰囲気を演出できます。
ほかの色と合わせやすい
柔らかなトーンのグレイッシュカラーは、ほかのどんな色とも調和する協調性が高い色です。ビビットな色を差し色にするのも良いですし、ペールカラーやパステルカラーなどの淡い色調を重ねてグラデーションのように取り入れることもできます。
グレイッシュインテリアのリノベーション事例1
木、ガラス、タイルなどのさまざまな素材を、シックなトーンでまとめたグレイッシュインテリアの事例です。アイランドキッチンやTV背面の石壁はグレー、オークの突板で製作したTVボードや床の大判タイルは優しいグレージュをセレクト。
そこに、ライトグレーのソファやブラウンのダイニングテーブルとチェアを配置したことで、LDKにグレー〜グレージュ〜ブラウンの柔らかなグラデーションが生まれました。
グレイッシュインテリアのリノベーション事例2
海が見えるセカンドハウスをリノベーションしました。景色を眺めながらくつろぐための小上がりは、黒の畳を採用。蹴込みには黒皮鉄、下がり天井にも黒のクロスを貼り、ダークトーンでまとめています。
床にはライトグレーの大判タイル、キッチンにはモールテックスを塗りました。クールなグレーとダークトーンでまとめた、モダンなグレイッシュインテリアです。
グレイッシュインテリアのリノベーション事例3
グレーを基調とした空間に、落ち着いた色味をプラスした事例です。バイオエタノール暖炉のマントルピースにはライトグレーの大判タイル、その隣の飾り棚の背面にはダークグレーの石を貼りました。リフォーム前からお持ちのarflexのソファやダイニングセットもシックなグレーです。
フローリングは木目が美しいウォールナット、TVの下には木目のカウンターを造作。涼し気なグレーと、木のぬくもりを感じられるダークブラウンが調和しています。さらに、窓辺に置いたグリーンや、バーチカルブラインドのラベンダーが優しい差し色となっているグレイッシュインテリアです。
グレイッシュインテリアのリノベーション事例4
大人のモノトーンが心地よい、ホテルライクなリフォーム事例です。広々としたLDKの壁や天井を白で塗装し、床はグレイッシュなフローリングをセレクト。フルフラットの開放的なキッチンは、熱や衝撃に強いセラミックトップです。キャビネットとともにダークグレーで統一しました。
リビングのTVは、壁に収めて箱のような印象に。グレーの大判タイルを廊下まで貼ることで連続性を強調。窓辺には黒い大理石でカウンターを造作しました。明るさのなかに重厚感がある、モダンなグレイッシュインテリアです。
グレイッシュインテリアのリノベーション事例5
ラフなヴィンテージ感とホテルライクな上質感が共存するグレイッシュインテリア事例です。床は既存のカーペットを剥がしてモルタル塗り、天井は躯体あらわしに。正面の壁にはアンティークレンガを貼り、ムラが残るように白く塗装しています。
廊下を兼ねたキッチンスペースはオーク無垢材のフローリング。天板はセラミック、壁にはモザイクタイルと、表情豊かな素材をセレクト。古材の棚板と黒皮鉄のフレームで造作したオープン棚は、ベッドルームとの間仕切りも兼ねています。
グレイッシュインテリアのリノベーション事例6
グレーの空間に差し色のオレンジが際立つグレイッシュインテリア事例です。35畳を超えるLDKの一角で存在感を放つ、アールの壁。特殊塗装により黒皮鉄を思わせる濃淡の壁は、水回りへと続く廊下側をオレンジのグラーデションに仕上げました。ダイニングチェアや目隠しパネルもオレンジ色で統一しています。
リビングの床はカーペット、ダイニングの床はモールテックス仕上げで、曲線の見切りで切り替えています。
まとめ
グレイッシュインテリアを柔らかで優しい印象にまとめたいならグレージュやベージュ、重厚感のある空間にしたいなら黒やダークブラウンを合わせるとよいでしょう。差し色をプラスするなら、色数を絞ることで存在感を強調することができます。
住まいをシックで落ち着いた空間にしてくれる、グレイッシュインテリアにしてみませんか?
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。