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ライフスタイルの変化やアウトドアブームの広がりで、アウトドアリビングを設置するリノベーションが人気です。これからの季節は、ますます活用できそうですね。今回は、アウトドアリビングにリノベーションした事例やアウトドアリビングづくりの注意点、間取りのポイントをお伝えします!
アウトドアリビングでどんな過ごし方ができる?
アウトドアリビングとは、バルコニーやテラスなど屋外の空間を使った「第二のリビング」のこと。リビングとつなげたウッドデッキ、日よけのオーニング、アウトドアテーブルや椅子を置くなど、スタイルはさまざまです。
そんなアウトドアリビングでは、どんな過ごし方ができるのでしょうか。
ガーデンパーティー
アウトドアリビングで、お友達を招くガーデンパーティーはいかがでしょうか?気持ちいい風を感じながら、ちょっとしたお料理や飲み物を味わうだけでも、いつものホームパーティーが特別なものに。
屋外の開放的な雰囲気で、自然とリラックスした雰囲気が生まれます。室内とアウトドアリビングを行ったり来たりするうちに、初めて会ったゲスト同士も会話が弾むかもしれません。
バーベキュー
アウトドアリビングの代表的な楽しみ方といえば、バーベキューです。室内では煙やにおいが気になるお料理も、屋外なら気になりません。
本格的なキャンプ場に出かけるのもいいですが、自宅ならもっと気軽に楽しめるのがメリット。お庭やテラスの一部をタイルやインターロッキングにしておくと、火を使っても安全でお掃除も簡単です。
プール
ウッドデッキを設けたアウトドアリビングなら、夏のプール遊びにも活躍します。ウッドデッキの上なら、プールに穴が空いたり汚れたりすることもなく、片付けも簡単。日差しを調整できるシェードがあると、もっと便利ですね。
子供たちには思い切り水遊びを楽しんでもらい、大人はクーラーのきいたリビングから見守ることも。混んでいるプールを避け、気軽に水に親しむことができます。
テラスでランチ
カフェのテラス席で食べたランチがいつもより美味しかった、という経験をしたことはありませんか?外で食べる食事は、なぜか新鮮に思えるもの。自然の光や風が、非日常を感じさせてくれるからかもしれません。
自宅にアウトドアリビングがあれば、いつでもそんな食事を楽しめます。平日のひとりランチでさえ、特別な時間になるでしょう。
家族でピクニック気分
手作りのお弁当やテイクアウトした食事を、自然豊かな野山や公園で楽しむピクニックも、家族の大切な時間です。でも、身近にそんな場所がなければ、なかなか気軽に出かけられませんよね。
そんな時に活用できるのが、アウトドアリビング。窓を開けたら、いつでもピクニック気分が味わえます。お気に入りのピクニックシートを広げ、お弁当を囲んでおしゃべりや外遊びを楽しみましょう。
〈一戸建て〉アウトドアリビングの施工例
アウトドアリビングは、一戸建てでもマンションでも取り入れることができます。ここからは、事例を見ながらイメージを広げていきましょう。
まず紹介するのは、一戸建ての事例です。
庭やバルコニー、屋上など屋外に面した部分が多い一戸建ては、アウトドアリビングの取り方もバリエーション豊か。早速、リノベーションでアウトドアリビングを設けた施工事例をご紹介します。
〈一戸建てのアウトドアリビング施工例1〉
広いお庭のある中古の一戸建てを購入し、リノベーションでアウトドアリビングを設けた事例です。気軽に外に出られるよう、リビングに隣接した位置にウッドデッキを設置。白とグレーのペンキでラフに塗った、西海岸テイストがおしゃれです。
ウッドデッキにはあえて段差を設け、変化を出しています。自由に座ったり遊んだりできる、楽しい雰囲気になりました。
近隣からの視線に配慮したフェンスは、邸内のインテリアとテイストを揃えて制作。温かみのある木を選び、風が心地よく抜けるようスリットを設けています。また、ブルーのシェードは、晴れた日でも程よく日差しをさえぎってくれます。こうした設計の工夫で、住宅地でもお子さまたちが自由に遊べるアウトドアリビングが実現します。
〈一戸建てのアウトドアリビング施工例2〉
こちらの事例では、あまり使われていなかったテラスを2階リビングから気軽に出られるアウトドアリビングとしてリノベーションしました。
もともとのテラスは、無機質なコンクリート仕上げ。そこにウッドデッキを張り、リビング側の窓を全開放できるサッシに変えたことで、内と外とがひと続きの空間に生まれ変わりました。ホームパーティーでは、ゲストが自由にリビングとテラスを行ったり来たり。開放的な気持ちで、リラックスして過ごせます。
周囲からの視線は、ウッドフェンスでさりげなくカット。日差しや通風を確保しつつ、プライバシーに配慮できる作り方です。窓の上には可動式のオーニングを設け、日差しや小雨を気にせず過ごせる空間になりました。
〈一戸建てのアウトドアリビング施工例3〉
まるでリゾートホテルの屋外プールのようなこちらの事例は、既存の中庭をアウトドアリビングにリノベーションしたものです。
もともとの高低差を生かした段差には、間接照明を入れて横ラインを強調。水盤の内側にはモザイクタイルと光ファイバーを仕込み、星空のようなきらめきを演出しています。ライトアップを室内からでも楽しめるよう、リビングの窓は腰壁を取り払って大きなFIX窓に変更。水深40cm以上確保することで、お子さまがプール遊びできるようにもしています。
昼間の過ごし方に注目が集まるアウトドアリビングですが、夜の見え方も意識した設計なら、高級ホテルのようなリラックスした空間に。
〈一戸建てのアウトドアリビング施工例4〉
こちらの事例では、2階リビングに隣接するバルコニーに、アウトドアリビングを設けました。
アウトドア用のテーブルと椅子を置き、人工芝とウッドデッキで仕上げたバルコニーは、おしゃれなキャンプ場のような雰囲気。白いパラソルも、気分を盛り上げてくれます。リビングと大きな窓で視線がつながり、横の扉から自由に出入りできる気軽さもいいですね。週末には、ここでバーベキューやランチを楽しんでいるそうです。
また、都心の一戸建てでアウトドアリビングを楽しむには、ご近所への配慮も大切。こちらでは、ウッドフェンスでぐるりと取り囲み、視線をさえぎりつつも風や光はうまく抜けるように計画しています。
〈マンション〉アウトドアリビングの施工例
テラスやバルコニーを利用すれば、マンションでもアウトドアリビングを楽しめます。屋外での過ごし方が広がるだけでなく、リビングとバルコニーにつながりが生まれ、お部屋がより広く感じられる効果もあります。
リノベーションで素敵なアウトドアリビングを設置した事例を、2つピックアップしてご紹介します。
〈マンションのアウトドアリビング施工例1〉暖炉を囲んで夜も楽しめる
ライトアップが印象的なこちらのアウトドアリビングは、築28年のタワーマンションをリノベーションした事例です。
バルコニーの床は、タイルデッキ、ウッドデッキ、人工芝と素材を変えて段差をつけ、変化のある空間に仕上げています。壁に張ったウッドデッキは、無機質な白いタイルの外壁をさりげなくカバーし、アウトドアらしい雰囲気を強調しています。下からの間接照明も効果的ですね。
中央には薪のいらないバイオエタノール暖炉をレイアウト。都会の真ん中でも焚き火を囲んで語り合ったり、お酒を飲んだりするアウトドア気分を楽しめます。
〈マンションのアウトドアリビング施工例2〉
愛犬との暮らしを楽しむため、テラスのあるマンション1階の物件を選んでリノベーションした事例です。
リビングからつながる広いテラスにウッドデッキを設置し、クラシカルなラタンチェアを置いてアウトドアリビングとしています。日差しを避けるために設置したオーニング(日よけ)があると夏でも過ごしやすく、室内に入る風が涼しくなる効果も期待できます。
芝生を自由に駆けまわる愛犬を眺めながら、ゆったりお茶や読書を楽しむ。そんなくつろぎスペースが誕生しました。
アウトドアリビングの施工時の5つの注意点
アウトドアリビングのリノベーションでは、いくつか気をつけたいことがあります。
1.メンテナンスしやすい素材を選ぶ
アウトドアリビングのウッドデッキやタイルデッキは、紫外線や風雨にさらされるため、年月とともに劣化や傷みが気になるようになります。そのため、ウッドデッキの塗装やタイルデッキの掃除といった定期的なメンテナンスが欠かせません。
お手入れの負担を軽くするには、メンテナンスしやすい素材を選ぶことも大切です。劣化しにくい樹脂製のウッドデッキや手入れしやすいタイルデッキを選ぶと、あまり手間がかかりません。
2. プライバシーに配慮する
アウトドアリビングでリラックスして過ごすには、周囲からの視線が気にならない工夫が欠かせません。周りの環境に合わせて、フェンスやパラソルを設置しましょう。
その際に気をつけたいのは、風通しや光をさえぎらないよう計画すること。高い壁に囲まれるとくつろいだ雰囲気にはなりにくいものです。最小限の高さにして、無機質になりすぎない素材を選ぶなど、気持ちよく過ごせるように工夫しましょう。
3. シェードや屋根で日差しをコントロールする
日当たりのいいアウトドアリビングは気持ちの良いものですが、あまりに日差しが入っても過ごしにくいもの。そこで、日差しをコントロールできるように、可動式のシェードやパラソルを設置すると、いつでも気持ちよく過ごせます。
一戸建てなら、軒やひさしを伸ばして上部をおおうカバードポーチもおすすめです。ちょっとした小雨よけにも活躍します。
5.照明や電源、水道を設置する
アウトドアリビングをライトアップしたり、バーベキューを楽しんだりするなら、照明や電源、水道があると便利です。
一戸建てなら好みの位置に設置できますが、マンションのテラスやバルコニーは共用部分にあたるため、自由に設置できないこともあります。イメージ通りのアウトドアリビングが実現できるか、設備面でもチェックしてリノベーションプランを検討しましょう。
アウトドアリビングの間取りのポイント
アウトドアリビングを活用するために、忘れてはならないのが「間取り」です。
日当たりがよく広々としたアウトドアリビングでも、室内から気軽に出入りできない位置にあると、あまり使わなくなってしまいます。
おすすめは、LDKとひと続きになった場所にアウトドアリビングを配置する間取りです。リビングのすぐ隣なら、外で遊ぶお子さまを室内で見守ったり、パーティーで人が増えた時にアウトドアリビングを案内したりすることができます。バーベキューの食材をキッチンから運んだり、お酒のおかわりを取りに行ったりするのも便利です。
〈まとめ〉リノベーションで叶える、アウトドアリビングのある暮らし
お庭やテラスをアウトドアリビングにリノベーションした、さまざまな事例をご紹介しました。
「メンテナンスしやすい素材を選ぶ」「周囲の視線が気にならないようプライバシーに配慮する」「リビングと連続した間取りにする」といった点に注意しながら計画すれば、きっと「やってよかった」と思うアウトドアリビングが実現します。
〈CRAFT〉では、物件探しからリノベーションまでサポートしています。おしゃれで使いやすいアウトドアリビングをご希望なら、ぜひご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。