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注目を集め続ける「リノベーション」。リノベーションを通じて、中古マンションに新たな価値を付け足し、資産価値を高めることができます。
この記事では、中古マンションのリノベーションと資産価値の関係や、資産価値を高めるための方法についてご紹介します。
中古マンションの資産価値を左右する要素
中古マンションのリノベーションと資産価値の関係の前に、まずは「中古マンションの資産価値を左右する要素」をチェックしてみましょう。
中古マンションの資産価値(物件価格)に大きく影響する要素は主に、以下の5つです。
・物件の築年数
・物件の機能・設備・間取り(部屋の需要)
・立地条件
・物件の管理状態・メンテナンスの有無
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
〈1〉物件の築年数
中古マンションに限らず、どんな物件でも年月の経過に伴い劣化が起こります。そのため、築年数が長くなるほど資産価値が下がっていきます。しかし、ある年数で下がり幅が小さくなります。
例えば公共財団法人 東日本不動産流通機構が公表した「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2020年)」のデータによれば、下がり続けていた資産価値が築26年〜築30年で下げ止まっています。そのためこのあたりの中古マンションを狙えば「資産価値が下がりにくい」と言えそうです。
ただし中古マンションを含む不動産価格は、建築費や住宅ローン金利などさまざまな要素に影響されます。中古マンションの購入・売却の際は、市場を熟知しているプロに相談するのがおすすめです。
〈2〉物件の設備・機能・間取り(部屋の需要)
物件の設備・機能・間取りも、中古マンションの資産価値を左右するポイントです。同じ築年数の物件でも、部屋の内装や設備がリノベーションされ新しくなっていれば「住みたい」という人が多くなり、部屋の需要は高まります。また1LDKよりも3LDKのほうがファミリー層にフィットしやすく、売れやすい傾向にあります。
〈3〉立地条件
立地条件も、中古マンションの資産価値を左右するポイントです。立地条件では主に以下の点が影響します。
・主要駅とのアクセス
・都市開発計画の有無
・スーパーや商業施設など生活のしやすさ
・治安や騒音などの住環境
主要駅とのアクセスがよく、駅近くがスーパーや飲食店、商業施設などで賑わっているエリアは人が多くなり、評価も高くなります。都市開発計画がある場合も、将来性が評価されて需要が高まるため、資産価値が下がりにくいと考えられるでしょう。
駅から遠い新築マンションより、駅近の中古マンションの方が資産価値が高いケースも多くあります。中古マンション購入の際は、立地条件を重視することが大切です。
〈4〉物件の管理状態・メンテナンスの有無
資産価値を意識する場合は、物件の管理状態・メンテナンスの有無もしっかりチェックしておきたいポイントです。
中古マンションは専有部分はリノベーションできるものの、共有部分はリノベーションができません。エントランスなど共有部分はきれいに保たれているか、外壁塗装など住まい全体のメンテナンス・修繕はしっかり行われているかといった中古マンションの管理状態は、資産価値にも影響する部分です。
中古マンションの資産価値を高めるリノベーション 5つのポイント
リノベーションによって新しい価値をプラスすることで、中古マンションの資産価値は高められます。しかし、個性的すぎる間取りやインテリアは、返って敬遠されてしまうことも。将来売却の予定があるなら、シンプルで誰が見ても好ましい空間へのリノベーションがおすすめです。
ここからは、中古マンションの資産価値を高めるリノベーションのポイントについて見ていきましょう。
〈1〉誰もが住みやすい間取りにする
リノベーションでは、自由にさまざまなことができます。しかし、あまりにもリノベーションの個性が強すぎると、欲しいと考える人が減ってしまう可能性も。資産価値を考えてリノベーションを行うのであれば、「誰もが快適に暮らせる間取り」を意識しましょう。
アットホーム株式会社が行ったアンケート調査「2022年10月 『住宅購入のプロセス&マインド』調査2022年度版」によれば、現在の住まいを探した際に価格以外で重視した点について、「部屋の広さや間取り」が54.4%でトップという結果が出ています。毎日の生活を送ることになる部屋の広さや間取りは特に重視される部分であるため、暮らしやすさを意識したリノベーションにするのがおすすめです。
・スムーズな家事動線
・広々としたリビングダイニング
・対面キッチン
・住居内の段差をなくしたユニバーサルデザイン
例えば上記は、幅広い世代に人気の間取りです。必要な設備や機能も考慮し、住む人のライフスタイルやニーズに合わせた間取りを提案することで、マンションの居住性や魅力を一層高めることができます。
〈2〉土地や環境に合ったニーズを反映する
誰もが住みやすい間取りにすることに加えて、その土地や環境に合ったニーズを反映することも、中古マンションのリノベーションの価値を高めるポイントです。ファミリー層が多いなら2LDKや3LDK、単身者が多いならワンルームでも良いかもしれません。
物件のあるエリアで人気の物件の間取りをチェックしてみましょう。トレンドや市場ニーズを踏まえた間取りやデザインにすれば、資産価値をより高めることにつながります。
〈3〉個性の強すぎないデザイン
室内をおしゃれにリノベーションすることも資産価値向上につながります。ただし、デザインは好みが別れる部分です。あまりに個性的すぎるデザインや間取りは、一部の人には受け入れられますが、人によっては住みにくいと感じる可能性も。ニーズとマッチすれば資産価値が高まる可能性もあるため、デザインリノベーションに強いリノベーション会社に相談してみるのがおすすめです。
〈4〉見えない部分も修繕し住まいの劣化を防ぐ
内装や間取り、デザインだけでなく「見えない部分の工事」もリノベーションで重要なポイントの一つです。給水管や排水管には寿命があり、古いまま使うと水漏れが起こり、住まいを劣化させたり、無駄な補修費用が発生してしまうことに。建物そのものを劣化させてしまう可能性もあるため、注意が必要です。
中古マンションのリノベーション時は、配管設備や電気配線の状態もしっかりチェックし、必要に応じて工事を行いましょう。
〈5〉日当たりと風通しを良くする
日当たりと風通しを良くすることで、マンションの住み心地を向上させることができます。間仕切りを撤去するなど工夫して、自然光の取り入れや風の通り道を確保しましょう。また、マンションのサッシ交換はむずかしいですが、二重サッシを使用することで、断熱性をアップできます。南向き・東向き・西向き・北向きの順番で日当たりがよいといわれており、南向きの物件は人気です。「マンションのリノベーションの場合、日当たりの改善は難しい」というイメージがあるかもしれませんが、工夫次第で日当たりや風通しはよくできます。
ガラスブロックや室内窓を採用する、リビングの位置を変更するなど、リノベーションでできる工夫はさまざま。実績豊富なリノベーション会社に相談してみるのがおすすめです。
CRAFTの中古マンションのリノベーション事例
ここでは、中古マンションのリノベーションで資産価値をアップした事例をご紹介します。
〈リノベーション事例1〉暮らし心地とデザイン性の両立
デザインリフォームを前提に購入した中古のタワーマンションを「子供と一緒に過ごせる住まい」をコンセプトに、ご家族全員が暮らしやすい空間に仕上げました。
独立キッチンをオープンにしたことで、忙しい家事の合間もお子様の様子を見守れるように。天井まで届くハイサッシからは海や空が望め、のびのびとした開放感の中でリラックスして過ごせます。
〈リノベーション事例2〉開放感あふれる心地よい空間
都内の中古マンションをCRAFTの仲介で購入されたご夫婦。最上階特有の勾配天井や天井の高さ、そしてルーフバルコニーに魅了され、これらの特徴を活かしたリノベーションを行いました。
玄関ホールをオープンに設計することで、玄関を開けるとすぐにLDKが広がる、開放感ある間取りに。
ラウンジ兼書斎スペースは壁ではなくTVボードで柔らかく区切り、ワンルームのようなつながりの中で、愛犬と共にリラックスして過ごせる空間を実現しました。
〈まとめ〉中古マンションのリノベーションで資産価値を高めよう
中古マンションの資産価値は、さまざまな要素が影響します。以下は、資産価値の高い中古マンション選びの主なポイントです。
・立地条件
・物件の管理状態・管理体制
・日当たりは良いか
・防災性の高さ
・セキュリティ面
CRAFTは、こうした資産価値の高い中古マンションもご紹介できます。さらには、資産価値を高めるリノベーションも可能です。暮らしやすく洗練された住まいなら、将来の売却も有利になるでしょう。資産価値のある中古マンションの購入やリノベーションについてのご相談は、お気軽にお問合せください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。