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リフォームに適したタイミングは「箇所・築年数・目的」によって異なりますが、見極めるべきタイミングがわからない方もいるでしょう。この記事では箇所別、築年数別のベストなリフォーム時期について解説します。
リフォーム時期を見極めたほうがいいのはなぜ?
住まいの老朽化や設備の故障、外壁や屋根の劣化などを放置すると、暮らしが不便になるだけではなく、建物の寿命が短くなるリスクも。また故障や老朽化を放置すると、修復が困難になり、工事費が高くつく場合もあります。適切なタイミングでのリフォームは、よい住環境で長く暮らし続けるために欠かせないといえます。
リフォームを検討したい3つのタイミングとは?
国土交通省の『住宅市場動向調査(以下、同調査)』をベースに、リフォームを検討すべきタイミングを見てみましょう。
住宅の劣化が目立ってきた
同調査の「リフォームの動機」では、「住宅が痛んだり汚れたりしていた」が42.5%で1番多く、2番目に多い理由が「家を長持ちさせるため」で23.5%でした。住まいが痛んできた・痛みそうなタイミングでのリフォームが多い傾向にあります。
住宅は築7〜8年経過すると、屋根・外壁の汚れや、湿気や水漏れによるクロスの劣化などのトラブルが起こりがち。もし気になる点があれば、リフォーム会社に見てもらいましょう。早め早めの定期的なメンテナンスをはじめ、耐熱・耐震工事など、住まいの機能アップデートを行うことにより、長く住み続けられます。
間取り・デザインが合わなくなった
同調査では「家族や自分の老後に備えるため」もリフォーム理由の5位以内に入っています。それゆえライフスタイルの変化も、リフォームを行うタイミングといえるでしょう。結婚をした、子どもが生まれた、親と2世帯で住むことになったなど、生活をしていると家族構成の変化が起きる場合があります。そういった場合に、家族構成と住宅の間取りやデザインが合わなくなる可能性があります。
設備の調子が悪い
調査結果では、19.7%の人が「台所・浴室・給湯器などの設備が不十分だった」という理由でリフォームを行うことがわかりました。これは3番目に多い理由です。キッチンなどの内部設備の劣化をきっかけに、リフォームを行うケースが多いといえます。
特にキッチンはさまざまなパーツが組み合わさっており、パーツごとに耐用年数が異なります。1つのパーツが壊れるとキッチンが使えなくなってしまうことも。したがって、一部が故障したらキッチンをまるごと交換するのもおすすめです。
〈部分別〉リフォームにおすすめの時期
リフォームすべきタイミングは、施行箇所によってそれぞれ異なります。ここでは、施工箇所別にリフォームするタイミングを解説します。
内装のリフォームにおすすめの時期
内装のリフォームには、フローリングやクロスの取り替えが含まれます。一般的な目安として、クロスは10年〜15年、フローリングは約15年、畳は約7年を目安に考えましょう。
これらの部分は住宅の寿命に直接影響を与えるわけではありませんが、快適な住環境を保つためには、適切なタイミングでリフォームを行うことが重要です。
外壁のリフォームにおすすめの時期
外壁をリフォームする最適な時期は、外壁塗装の種類によりますが、シリコン系塗料の場合は、約10年ごとに行うとよいでしょう。屋根の寿命は素材によって異なりますが、外壁塗装と同時に行うことで足場代を節約できます。
窓まわりのリフォームにおすすめの時期
窓まわりのリフォームは、約20〜30年を目安に行いましょう。窓は住宅の断熱性に大きな影響を与えるため、窓のリフォームによって快適な住環境を維持できます。立て付けが悪く開閉しづらいなど劣化した窓を放置すると、隙間風が入ったり結露しやすくなったりなどの問題が生まれます。この場合は最新性能を持つ窓に交換する、二重窓にするといったリフォームがおすすめです。
キッチンのリフォームにおすすめの時期
キッチンは10〜20年ごとのリフォームがおすすめです。コンロや水回りなど、頻繁に使用される箇所は劣化が進みやすいといえます。また、お手入れの行き届き具合によっても劣化の進行は異なるため、日々のメンテナンスを怠らないようにしましょう。リフォームの目安は10~20年と幅広いですが、排水溝の詰まりやコンロの点火トラブルなどの不具合が見られる場合は、すぐに点検を行うことが大切です。
浴室のリフォームにおすすめの時期
浴室のリフォームは、15〜20年が目安といえます。湿気がこもりやすく、さらに住まいの構造部分を腐食させる可能性もあるため、適切なタイミングでリフォームを行わないと水漏れなどの問題が発生する恐れがあります。もし浴室の壁や床にヒビが生じたり、コーキングが劣化したりしているなどの兆候が見られる場合は、早めにリフォームを検討しましょう。
トイレのリフォームにおすすめの時期
トイレのリフォームは、約10年を目安に行いましょう。便器自体は陶器で作られているため、10年で劣化することはありませんが、タンクやウォシュレットの部品など、内部が老朽化する可能性があります。これらが老朽化すると、水漏れや故障などが起こる可能性が高まります。
〈築年数別〉リフォームにおすすめの時期
ここでは、築年数別にリフォームやメンテナンスが必要になるケースを解説します。
築10年未満の住宅
築10年未満の住宅では、天井や床、壁に断熱材が入っている場合がほとんど。また、換気設備も整っていることが多く、寒暖差やカビなどの問題についても万全な対策がされていると考えられます。「間取りやデザインが合わない」「導線が悪い」といった不満がなければ、リフォームの必要はないでしょう。
ただし、築7〜8年を経過すると、屋根や外壁などに汚れや傷みが目立つことがあるため、気になる箇所については塗装などを検討しましょう。
築10年以上の住宅
木造住宅の場合、「築10年目は最初のメンテナンスの時期」とされています。屋根や外壁の塗装の剥がれが目立つようになり、再塗装が必要となるタイミングです。
また、洗面所や浴室など水回りの寿命も来る時期であり、まだ使える状態ではありますがトラブルが起きやすくなります。特に劣化が進んでいる場合は、メンテナンスをおすすめします。
築20年以上の住宅
築20年が経過すると、設備そのものが劣化し、不具合が増えるため、リフォームが必要なケースが増えます。この時期の水漏れなどの問題は、単純なメンテナンスでは改善できず、設備をまるごと交換しなければならないケースも。
また、築30年以上経過した住宅は「旧耐震基準」で建てられている場合もあるため、専門家に相談し、耐震性を強化する必要があるかどうかを確認しましょう。
効率よくリフォームできるおすすめの時期は?
リフォームのおすすめの時期は、天候や気温のほか、長期休暇などのイベントによっても影響を受けます。ここでは、おすすめの時期や季節を紹介します。
【リフォーム全般】気候が安定している春
4月から5月は気温が暖かく、天候も安定しているため、工事がスムーズに進みます。特に木造住宅では、工事中に雨が降って木材が濡れることを避ける必要があります。そのため、梅雨や台風の時期を避け、安定した天候でのリフォームがおすすめです。
【外壁塗装】気温の安定した春と秋
外壁塗装を行う際には、気温の安定した春か秋を選ぶことがおすすめです。夏に行う際は窓を閉め切るため、室内に熱がこもり、もし住みながら外壁塗装を行う場合は熱中症のリスクが高まります。また、冬は気温によって塗料の乾きが遅くなり、作業に時間がかかることも。それゆえ春・秋の時期が程よいといえます。
ただし、秋は台風の季節でもあるため、予期せず工期が延びる可能性がある点を忘れないようにしましょう。
【内装リフォーム】オールシーズン
内装リフォームの場合は天気の影響を受けず、いつでも実施できます。ご自身の都合の良いタイミングでスタートしましょう。あえて繁忙期を避けるのもおすすめです。
〈まとめ〉住まいの状況を見直して、ベストなリフォーム時期を選ぼう
築年数や設備によって、リフォームにベストな時期は変わってきます。それぞれの箇所や築年数を把握しつつ、最適なリフォーム時期を選びましょう。また故障や不具合から生じるリフォームの時期は、日頃のメンテナンスによって左右されるといえます。欠かさず設備の状態を確認することが大切です。
CRAFTでは、住まいの状況やお客さまのライフスタイルの変化に合わせた、最適なリフォーム設計をご提案します。住まいに関するご相談があれば、気軽にお問合せください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。