目次
「日当たりがよくない」というイメージが先行し、避けられてしまいがちな北向きマンション。そんな北向きマンションですが、デメリットさえ解消できれば、非常にポテンシャルが高く魅力的な物件ということをご存知でしょうか?北向きマンションをリノベーションした方の事例を交えながら、北向きマンションのメリット・デメリットや、北向きマンションを購入した方が後悔しているポイントとその対処法などについて紹介していきます。
北向きマンションのメリット
北向きマンションを購入するべきかどうかを考える上でまず把握しておきたいのが、北向きマンションのメリットについて。
北向きマンションの主なメリットとしては、
・直射日光が差し込みづらく日差しが強くなりすぎない
・景色が綺麗に見える(特にタワーマンション )
・他の向きのマンションに比べてリーズナブルな物件が多い
・工夫された間取りの物件が多い
などがあげられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
直射日光が差し込みづらく日差しが強くなりすぎない
開口部が北に設けられている北向きのマンションは、「直射日光が差し込みづらく、日差しが強くなりにくい」という特徴があります。
日当たりの良い部屋で過ごしていると「暑い」「眩しい」と感じることがあるかと思いますが、直射日光が差し込みづらい北向きのマンションでは無縁です。日差しによる家具や内装の劣化が発生しにくい点も、北向きマンションならでは。
このメリットによる恩恵を受けやすいのが、タワーマンションの高層階の部屋です。タワーマンションの高層階の部屋は低層階の部屋に比べて日差しが強くなりやすい傾向にありますが、北向きのマンションであれば、このデメリットによる影響をある程度回避できます。
「順光」だから、景色が綺麗に見える
南向きのお部屋は「逆光」なのに対し、北向きのお部屋は「順光」。つまり空も街も美しい色彩のまま視界に入ります。そのため、タワーマンションの購入を検討している方には北向きの物件の方がおすすめです。実際タワーマンションの高層階では、北向きの部屋の方が人気というケースもあるほどです。
他の向きのマンションに比べてリーズナブルな物件が多い
マンションは、
・南向き
・東向き
・西向き
・北向き
の順で人気が高く、物件の価格も高騰しがちです。
北向きのマンションは他の向きのマンションに比べてリーズナブルな物件が多いので、「物件費用を抑えやすい」というメリットがあります。実際の価格はそれぞれの物件によって異なりますが、一番人気の南向きの物件より10%ほど安く売りに出されていることもあるほどです。
北向きのマンションは、物件の購入費をできるだけ抑えたいと考えている方にとっては非常に魅力的な物件だと言えるでしょう。
工夫された間取りの物件が多い
日当たりが悪いというデメリットを解消するために工夫された間取りの物件が多い点も、北向きマンションのメリットの一つです。
先ほど紹介したとおり、北向きマンションは他の向きのマンションに比べて採光しずらいため、間口を広くとったり窓の数を増やすなど、間取りやデザインを工夫して明るく見せている物件が多い傾向にあります。
実際、同じマンションの部屋でも北向きの部屋と他の向きの部屋で間取りや造り、デザインが異なるというケースは少なくありません。物件をリサーチする際は、他の向きの部屋と比較しながら検討するのもおすすめです。
北向きマンションのデメリット
意外と魅力的なメリットが多い北向きマンションですが、実際に購入してから後悔しないためにも、デメリットについても確認しておきましょう。
北向きマンションを購入する上で懸念される主なデメリットとしては、
・部屋が暗くなりやすい
・部屋の中が寒くなりやすい
・洗濯物が乾きづらい
などがあげられます。
北向きマンションならではのこれらのデメリットについて解説していきます。
部屋が暗くなりやすい
北向きマンションは日光が入ってきにくいので室内が暗くなりがちです。タワーマンションの高層階の部屋や間取りが工夫されている物件であればしっかりと明るさを確保できますが、そうでない物件だと日中は室内が暗くなりやすいので注意しなくてはいけません。
物件を内覧する際は、「十分な明るさを確保できるか」にも注目しながら選ぶようにしましょう。
部屋の中が寒くなりやすい
日当たりが悪い北向きマンションは室内の温度も低くなりがちです。冬場は室内が寒くなりやすいので、他の部屋よりも暖房代が高騰してしまう可能性があります。
マンションは断熱性が高いためそれほど心配する必要はありませんが、北向きのマンションは、部屋の中が寒くないかどうかもチェックしながら選ぶようにしましょう。
洗濯物が乾きづらい
北向きマンションの日当たりの悪さは洗濯物にも影響します。
北向きのマンションはベランダの日当たりもあまりよくないので、その他の向きのマンションに比べて洗濯物が乾くまでに時間がかかります。室内に洗濯物を干したとしても乾きづらさは変わりません。
そのため、早めに洗濯を終わらせて干しておける時間を長めに確保するようにしたり、乾燥機を活用するなどの対策が必要になります。
北向きのマンションが避けられがちな理由
人気度 | マンションの方角 | 特徴 |
---|---|---|
1位 | 南向き | ・日当たり抜群 ・西日の影響を受けにくい ・物件の価格は高め |
2位 | 東向き | ・比較的日当たりが良い ・朝日が入る ・夕方以降は日が入りにくい |
3位 | 西向き | ・冬場は暖かく過ごしやすい ・西日が眩しい ・夏場は西日の影響で室内が暑くなりやすい ・西日によって家具や壁紙、フローリングが日焼けしやすい |
4位 | 北向き | ・日当たりが悪い ・部屋の暗さや寒さに注意が必要 ・リーズナブルな物件が多い |
それぞれの向きのマンションの特徴については上記のとおりです。
マンションの購入では「日当たり」を重視する方も多いため、北向きのマンションは人気が低く、避けられてしまいがちです。
北向きのマンションを購入する際は、「日当たりが悪い」というデメリットと物件の価格を天秤にかけつつ、日当たりの悪さをどう解消するかが重要になります。
北向きのマンションを購入した人が後悔しているポイントと対処法
北向きマンションを買った人が実際に住んでみて後悔している主なポイントとしては、
・想定していたよりも日当たりが悪かった
・家の中がジメジメする
・カビが生える
などがあげられます。
ただ、これらは事前に対処することで回避できるものばかりです。
例えば、物件を内覧する際に日当たりをしっかりと確認するようにしておけば「想定していたよりも日当たりが悪かった」という失敗は避けられますし、湿度の高さによる部屋のジメジメやカビはリノベーションで通風を確保すれば解消できます。あまり条件のよくない物件であっても、リノベーションで間取りを工夫したり窓を大きくしたりすることで十分に対処できるのです。
北向きマンションのリノベーション事例
ここからは、北向きのマンションをリノベーションしてデメリットを解消しつつ、理想の住まいを手に入れた方の事例を2つ紹介していきます。
東京らしい最高の夜景を楽しめる北向きマンション
こちらは築13年の北向きマンションをリノベーションした事例です。
5LDK・220㎡の広々とした物件でしたが、リビングの一角に個室が設けられていることでリビングが狭く、また「眺望が良い」という物件の魅力が活かされていない状態でした。
そこでリノベーションでは、その個室をなくしてリビングを拡大。個室の壁がなくなったことで、より眺望の良いリビング空間に仕上がりました。新しく造作した3.5畳の小上がりからの先には、東京タワーを含む東京らしい最高の夜景を楽しめるようになっています。
海を望むホテルのような非日常感が魅力の北向きマンション
こちらは、築8年の北向きマンションをリノベーションした事例です。
ご夫婦が一緒にゆったりと過ごす時間はもちろん、別々に過ごしている時間もお互いの存在を感じながら過ごせるよう、対面式のキッチンに変更。リビングに設けたご主人の書斎についても、背の低い間仕切りで仕切っているだけなので、目線を上げるだけで奥さまの様子を確認できるようになっています。
また、対面式のキッチンを導入し、リビングに書斎を設けたことで、
・キッチン
・書斎
・リビング
・ダイニング
の、どこからでも横浜の海を一望できる最高の眺めを楽しめるようになっています。
〈まとめ〉リノベーションなら過ごしやすく魅力的な北向きマンションを実現できる
北向きマンションは「日当たりが悪い避けるべきマンション」というイメージが先行してしまいがちですが、メリットがないわけではありません。日差しの影響を受けやすいタワーマンションなどの高層階の部屋であれば、逆に北向きのマンションの方がおすすめだったりするほどです。
また、北向きマンションを購入した方が後悔したポイントとしてあげている、
・想定していたよりも日当たりが悪かった
・家の中がジメジメする
・カビが生える
などは、リノベーションで解消できるものばかりです。
ただ、北向きマンションのリノベーションでは物件選びがとても重要になるので、北向きマンションの購入を検討されている方は、物件のリサーチからリノベーションまで一貫してお任せいただけるCRAFTにご相談ください。
*関連記事*
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。