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自分だけのオリジナル住まいを実現できるとして、中古マンションのリフォームに興味を持つ方が増えています。中古マンションは新築マンションよりお手頃価格である場合が多く、購入費用で浮いた分はリフォームに費用に充てられるため、より自分の理想に近い住まいを実現できます。
この記事では、中古マンションをリフォームするメリットや失敗する理由、失敗しないためのポイントについて詳しく解説します。
中古マンションをリフォームするメリット
新築マンションでは得られないメリットが中古マンションのリフォームにはあります。
中古マンションリフォームの代表的なメリットは主に以下の通りです。
・自分の好み・ライフスタイルに合った設計にできる
・築年数が古くても新築同様の内装にできる
・新築マンションより物件購入費用を抑えやすい
ここからは、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
〈1〉自分の好み・ライフスタイルに合った設計にできる
新築マンションは間取りや内装が最初から決まっていることから、場合によっては好みに合わない可能性があります。中古マンションリフォームであれば、自分の好み・ライフスタイルに合わせて自由に見た目や間取りをカスタマイズすることが可能です。
例えば、独身の方であれば部屋数を減らして広いワンルームにする、家族で住むのであれば2LDKや3LDKなどに変更してそれぞれのプライベート空間を確保するなど、世帯人数や生活スタイルに合わせて間取りを変更できます。
また、壁紙や照明、キッチンやお風呂なども好みのデザインのものに変更できるため、おしゃれな住まいにしたい方や統一感のある空間にしたい方など、住まいにこだわりがある方に中古マンションのリフォームはおすすめです。
〈2〉築年数が古くても新築同様の内装にできる
中古マンションリフォームの魅力は、たとえ築年数が古くても新築マンション同様の内装にできることです。築年数が古いマンションだと、どうしても壁紙の色褪せや設備の不調などの経年劣化が目立ち、気になるという方もいます。
しかし、中古マンションリフォームであれば壁紙や設備、照明などあらゆる部分を新しいものに取り換えられるため、新築マンションと遜色ない空間にすることが可能です。
内装のデザインや見た目は自由に選択できるため、普通の新築マンションでは見られない自分だけのオリジナル空間を実現できます。
〈3〉新築マンションより物件購入費用を抑えやすい
中古マンションは新築マンションより購入費用を安く抑えられるメリットがあります。マンションは築年数が古くなるにつれて価値が下がっていく傾向にあり、築10年以上経過したマンションは新築マンションに比べて約1,000万円の差が出ることも少なくありません。
また、新築マンションを購入する場合は価格交渉や割引ができないケースがほとんどですが、中古マンションであれば価格交渉や入居時期などの融通が利くことがあるため、比較的自由度が高いです。マンションの購入費用を安く抑えた分、リフォーム費用に充てられる予算が増えるためより自分の理想に近い空間を実現しやすくなります。
中古マンションのリフォームで失敗する原因
新築マンションに比べてメリットが多い中古マンションリフォームですが、なかには失敗して後悔するというケースも少なからずあります。ここでは、中古マンションリフォームで失敗する原因を3つ紹介します。
〈1〉間取りが変更できない構造だった
マンションの構造には、「ラーメン構造」と「壁式構造」の2種類があります。壁式構造は壁面で建物を支えており、比較的頑丈であることが特徴です。しかし、建物の耐久性は壁にかかっているため、壊すことができない壁が必ず存在します。中古マンションリフォームを実行しようと考えている場合、壁式構造では間取りを変更できない可能性があるため注意しなければなりません。
一方で、ラーメン構造は壁で建物を支えているわけではないため広い空間が作りやすく、間取りの自由度も高いです。リフォームで間取りを変更したいと考えている場合は、マンションの構造を確認してから物件を購入することをおすすめします。
〈2〉結果的に予算以上の費用がかかった
中古マンションのリフォームでは、結果的に予算以上の費用がかかってしまったというケースも珍しくありません。リフォーム会社からもらう最初の見積もりは、あくまでも概算の金額です。そこから細かいリフォーム内容を詰めていくと金額が上がることがあります。とくにハイグレードな素材やキッチン、バスルームなどをセレクトすると、費用は高額になりがちです。
リフォームに望むことすべてを見積もりに含めることは難しいため、なるべく余裕をもって予算を用意しておくことが大切です。
〈3〉リフォーム業者の担当者との相性が悪かった
リフォーム業者を選ぶ場合、業者の実績や評判で選ぶケースがほとんどだと思われます。しかし、中古マンションリフォームが成功するかは依頼したリフォーム業者の評判ではなく、担当者がどれだけ要望を汲み取って理解してくれるかで結果が大きく変わります。たとえリフォーム業者の評判が良くても、担当者との相性が悪ければ自分が思うようなリフォームの仕上がりにはなりません。
リフォーム業者を選ぶ際は、複数の業者に相談して担当者の雰囲気や相性を確認してから依頼することが大切です。
中古マンションのリフォームで失敗しないためのポイント
中古マンションのリフォームで失敗しないためには、物件を購入する前にポイントを押さえておく必要があります。ここでは、中古マンションリフォームで失敗しないためのポイントを3つ紹介します。
〈1〉マンションの構造と管理規約を確認する
リフォーム目的で中古マンションを購入する場合は、事前にマンションの構造と管理規約を確認しておくことをおすすめします。前述したように、マンションは構造によっては間取りの変更ができない場合があるため、壁式構造なのかラーメン構造なのか事前に確認しておきましょう。
また、マンションの管理規約では建物の共有部分にあたる窓やベランダなどに手を加えられないケースが多いです。共有部分は万が一の際の避難設備を兼ねていることから、ほとんどのマンションではリフォームすることができません。購入前に必ず「希望通りにリフォームできるかどうか」を確認しておきましょう。CRAFTでは物件見学に設計担当が同行し、可能なリノベーションをその場でお伝えさせていただきます。
〈2〉トータルコストを考慮して予算を組む
築年数が古いマンションの場合、配管や天井裏などが劣化していることがあり、リフォームの際に修繕が必要になる可能性があります。想定外のトラブルや修繕に対応するためにも、可能な限り余裕をもって予算を組んでおくことをおすすめします。
また、物件の購入費用とリフォーム費用だけでなく、家具購入費用、引越し費用、仮住まい費用などを合わせたトータルコストを考慮することも大切です。
〈3〉リフォーム業者との打ち合わせは入念に行う
評判が良いリフォーム会社だからといって、すべて担当者任せに進めてしまうとイメージと異なる仕上がりになる可能性があります。リフォームは一度実行してしまうと、たとえイメージと違っても元の状態に戻したり大幅な変更を加えたりすることが難しくなります。
そのため、中古マンションのリフォームを検討する際は、リフォーム会社と入念に打ち合わせをして変更箇所や完成イメージのすり合わせを行うことが大切です。住まいにこだわる方は、可能な限り具体的な完成イメージや優先順位をまとめておくと、打ち合わせもスムーズに進みます。
CRAFTの中古マンションリフォーム事例
最後に、CRAFTの中古マンションリフォームの事例を2つ紹介します。実際の仕上がりや費用などを見ておくと、リフォームした際のイメージがつかみやすくなるはずです。
〈リフォーム事例1〉
家族が快適に過ごせるように、中古マンションをデザインリフォームしました。リビング・ダイニングに入るための扉は斜めに設置してバルコニーまでの視線を通し、キッチンの向きも変更することでリビングやバルコニーが一望できるようにしました。
伸びやかで広々とした空間は黒やグレーなどを基調とした「シンプルモダン」がコンセプト。床やキッチンの下がり天井、建具に木を取り入れることでクールでありながらあたたかみのある空間を演出しています。
費用:3,000万円
工期:3ヶ月
リフォーム面積:134㎡
築年数:20年
〈リフォーム事例2〉
やや窮屈な印象だった中古マンションをデザインリフォームして、広々とした快適空間に一新しました。当初あった独立キッチンやL字型のリビングダイニング、リビングサイドにあった小上がりは狭い印象があったため、キッチンをオープンにして小上がりを取り込む形にしてLDKを拡大。
インテリアにはナラのリブパネルを中心に異なる質感の木を使用しており、明るくナチュラルな雰囲気を演出。また、木の素朴さが目立たないようにシャープなシルエットを意識したことで、空間全体に洗練されたイメージが生まれました。
さらに、暑さ・寒さ対策として全室にインナーサッシを入れることで年中快適に過ごせる住まいを実現しました。
費用:5,500万円
工期:5ヶ月
リフォーム面積:120㎡
築年数:22年
〈まとめ〉中古マンションのリフォームは事前確認と準備が成功のカギ
中古マンションのリフォームは、新築マンションより物件購入費用が安いことや自分の好み・ライフスタイルに合わせて自由にカスタマイズできることが魅力です。さまざまなメリットがある中古マンションリフォームですが、注意しながら進めなければ仕上がりがイメージと異なっていたり、予算以上の費用がかかったりなど、失敗する可能性があることは留意しておかなければなりません。
リフォーム目的で中古マンションを購入する際は構造や内部設備の経年劣化など、マンションの見えない部分に注目して事前確認をすることが重要です。物件によっては間取りの変更ができなかったり水回りが移動できなかったりなど、制限があることも少なくありません。マンションを購入する際はあらかじめリフォームしたい箇所や完成イメージを明確にして、それが実現できる物件であるか確認しておくことが大切です。
CRAFTは、中古マンションの購入からフルリフォームまでワンストップで実施。購入前にマンションリフォームの可能性や費用感をお伝えするため、購入判断もスムーズです。これから中古マンションをお探しの方は、ぜひCRAFTへご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。