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住まいの不満を一気に解消できるフルリフォーム(全面リフォーム)。フルリフォームでは、間取りの変更や住宅全体のデザインの変更などさまざまなことができるため、理想の住宅を実現する方法として人気です。今回は一戸建ての大規模リフォームのポイントや、気になる「費用感」をご紹介していきます。
(作成日2023.11.22 更新日2024.9.4)
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)とは?建て替えとの違い
「フルリフォーム(全面リフォーム)」とは、建物の基礎部分や構造部分のみを残した上で住宅を全面的に改修する大規模なリフォームです。部分的なリフォームとは異なり、間取りの変更などを含め、住宅全体をリフォームしていきます。
また「建て替え」は、既存の住宅を解体し、更地にしてから新しく建て直すことになるため、フルリフォームよりも時間とコストがかかります。
構造躯体の劣化がひどく、建て替えもフルリフォームも費用があまり変わらないのであれば、建て替えを選ぶ方がよいケースも。CRAFTでは建物の状態を見て、リフォームした場合、建て替えした場合、それぞれのメリットデメリットをお伝えしています。
一戸建てリフォームの「部位別」の費用相場
戸建てのフルリフォームを検討されている方の中には、どういった箇所のどういったリフォームにいくらかかるのか知りたい・把握しておきたいという方もいるかと思います。
そこで、リフォームする箇所別・内容別の費用相場をまとめてみました。
※こちらはあくまでも一般的な価格であり、CRAFTは該当しない場合があります
※CRAFTは部分的なリフォームには対応しておらず、フルリフォームのみ対応しています
キッチンのリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
システムキッチンを交換する | キッチンの位置や内装の変更はなし | 80〜150万円 |
キッチンを対面式に変更する | 壁付のキッチンを対面式に変更 | 150〜300万円 |
浴室のリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
浴室の交換 | 在来工法からユニットバスに変更 | 80〜150万円 |
浴室の交換 | ユニットバスから在来工法に変更 | 150〜300万円 |
浴室の交換 | 在来工法から在来工法に変更 | 180〜350万円 |
内装のリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
壁・天井のリフォーム | 壁や天井のクロスの張替え | 8〜15万円 |
壁・天井のリフォーム | 壁や天井のクロスを珪藻土に変更 | 30〜40万円 |
床のリフォーム | 複合フローリングの上張り | 15〜20万円 |
床のリフォーム | 床の張替え | 50〜80万円 |
収納のリフォーム | 壁面収納(ユニット) | 30〜100万円 |
収納のリフォーム | 壁面収納(造作) | 15〜30万円 |
外壁・屋根のリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
屋根 | 塗替え | 50〜80万円 |
屋根 | 重ね張り(カバー工法) | 100〜200万円 |
屋根 | 張替え | 180〜300万円 |
壁 | 塗替え | 50〜100万円 |
壁 | 重ね張り(カバー工法) | 100〜200万円 |
壁 | 張替え | 150〜300万円 |
一戸建てフルリフォームの「築年数別」の費用
以下は、CRAFTのフルリフォーム事例のデータを築年数別にまとめたものです。
築年数 | 費用 | 広さ | 構造 | 主なリフォーム内容 |
---|---|---|---|---|
築9年 | 4500万円 | 140㎡ | 鉄筋コンクリート(RC)造 | ・大幅に間取りを変更 ・上質な内装材を採用 ・設備を全交換 ・建具や本棚をオリジナルで製作 |
築16年 | 4800万円 | 194㎡ | 鉄筋コンクリート(RC)造 | ・大幅に間取りを変更 ・既存のコンクリートを活用しつつデザインを一新 ・設備を全交換 ・地下に寝室+ドレッシングルーム ・屋上にアウトドアリビング" |
築28年 | 3000万円 | 100㎡ | 軽量鉄骨造 | ・1階のみ間取りを変更 ・上質な内装材を採用 ・設備を交換 ・テラスにウッドデッキを新設 |
築45年 | 4500万円 | 162㎡ | 鉄骨造 | ・倉庫だった1階部分を住居スペースに ・上質な内装材を採用 ・設備は全て新設 ・高級オーダーキッチンを採用 ・断熱工事 |
このように、「築年数」よりも「リフォーム内容」「リフォーム面積」のほうが費用に影響することがわかります。費用を抑えたい場合は、既存の間取りを活かしたり、既製品をうまく活用するなどしてコストバランスを図るとよいでしょう。
一戸建てフルリフォームの「坪数別」の費用相場・坪単価
次は、坪数別にフルリフォーム費用を見てみましょう。下記はCRAFTがフルリフォームした事例のデータです。
坪数 | 費用 | 構造 | 主なリフォーム内容 |
---|---|---|---|
約30坪 | 2800万円 | 軽量鉄骨造 | ・1階を中心に大きく間取り変更 ・タイルを使って上品な雰囲気に ・テラスに向けて窓を拡大&開口 ・高級オーダーキッチンを採用 |
約40坪 | 4500万円 | 鉄筋コンクリート(RC)造 | ・大幅に間取りを変更 ・上質な内装材を採用 ・設備を全交換 ・建具や本棚をオリジナルで製作 |
約50坪 | 4900万円 | 木造 | ・二世帯住宅を一世帯用に改装 ・基礎や柱を補強し耐震性アップ ・1〜3階を鉄骨のスケルトン階段でつなげる |
約60坪 | 7900万円 | 鉄筋コンクリート(RC)造 | ・大幅に間取りを変更 ・ 外観とエクステリアも一新 ・上質な内装材でホテルライクに ・設備を全交換 |
「坪数が大きくなれば価格は高額になりやすい」と言えますが、上記を見ると「リフォーム内容」のほうが費用に大きく影響していることがわかります。また鉄筋コンクリートや鉄骨住宅なら既存の構造を活かせますが、古い木造住宅だと耐震補強が必要になるケースも。坪単価が高くなる要因のひとつです。
一戸建てリフォームでこだわりぬいた住まいを実現するなら「132~165万円/坪 」ほどを見ておくとよいでしょう。詳しい費用感を知りたい方は、青山・自由が丘モデルルームの相談会へお申込みください。
事例で見る一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用相場
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)にかかる費用はそれぞれのケースによって異なります。そこでおすすすめなのが、物件の広さやリフォーム内容が似ている事例の金額を参考にすること。
ここでは、CRAFTが手掛けた一戸建ての全面リフォームの事例を3つ紹介していきます。
事例1. 窓の外に広がる景色との一体になったように感じられる住宅
こちらは、中古戸建てを購入してフルリフォームした事例です。
もともと一階は和室+LDKという間取りでしたが、和室をなくしてキッチンの場所を移動させ、よりゆったりと過ごせる伸びやかなLDKに変更しました。パティオを中心に回遊できる素敵な間取りはそのままに、住宅の中とデッキ、デッキの先に広がる庭や景色がひと続きに感じられるような開放感のある空間を演出しています。
住宅の構造上撤去できないブレース(筋交い)は、塗装して周りの設備との統一感を演出することでアクセントとしています。
築年数:11年
リフォーム面積:90㎡
リフォーム費用:2,800万円
事例2. 大きなL字のLDKとフリースペースが魅力のモダンな住宅
こちらは、目黒区にある一戸建てをフルリフォームした事例です。
築年数は9年と比較的新しい住宅ですが、「天窓から入る直射日光がキツい」「LDKが過ごしづらい」「浴室と寝室が離れすぎている」などの問題を改善するため、クラフトでデザインリフォームすることに。天窓の陽射しは半透明の樹脂板を設置する方法で解消し、過ごしづらいと感じていたLDKは、隣接していた寝室を移動させ大胆に拡大。間延びしているような印象を避けるため、南側の窓の前にL字の壁を設け、スペースをほどよく分けました。
愛犬の様子をいつでも確認できるドッグスペースを設けたり、DVDを3,000枚近く収納できるライブラリーを設けるなど、既存を活かしつつもより豊かな生活を送れる暮らしやすい空間になっています。
築年数:9年
リフォーム面積:140㎡
リフォーム費用:4,500万円
事例3. ゲストとの時間を思う存分楽しめるホテルのような住宅
海外在住のご夫婦は、港区にある中古戸建てを購入し、ハイクラスなホテルのようにフルリフォーム。
一時帰国した際に友人を呼んで楽しめるよう、地下一階にバンド演奏も行えるプレイルームを用意し、地上1階にゲスト用の寝室とバスルームを設けました。2階には広々としたLDKとバーカウンターを設け、地下一階〜地上二階にかけてゲストが自由に行き来できる空間にしています。
ご夫婦の寝室やバスルームは地上3階に設け、プライベートな空間とパブリックな空間をしっかりとゾーニング。過ごしやすさだけでなくデザインにもこだわり、大理石やウォールナットを中心に重厚でモダンに仕上げています。
築年数:17年
リフォーム面積:378㎡
リフォーム費用:1億7,100万円
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用に影響する4つの要素
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)にかかる費用はさまざまな条件によって変動しますが、特に影響が大きいのが、
・住宅の状態
・物件の広さ
・リフォームの内容
・導入する設備や用いる建材のグレード
の、4点です。
築年数の古い住宅だと、外観部分や配管・配線、断熱機能などが劣化してしまっていることがあります。そのケースでは外観の修繕や配管・配線の交換、断熱材の交換や補充なども必要になるため費用もかさみがちです。
また、広い物件であればあるほどリフォームの作業範囲も広くなりますし、より多くの職人が必要になったり、リフォームの期間が長くなるため費用も高くなります。
リフォームの内容も費用への影響が大きくなるポイントで、たとえば大きな間取りの変更など大規模なリフォームになればなるほどコストがかさみます。
一戸建てのリフォームに使用される建材や導入される住宅設備はグレードもさまざまですが、この建材や設備のグレードも費用に大きく影響する要素の一つです。
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用を予算内に抑える4つのコツ
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用は高額になりがちですが、今後の毎月の返済を考えると少しでも費用を抑えておきたいところです。
そこで把握しておきたいのが、大規模リフォームの費用を抑えるコツについて。
具体的なコツとしては、
・既存の設備や間取りを活かしたプランを考える
・リフォームの優先順位を決めておく
・建材や設備のグレードを見直す
・補助金や減税を活用する
の、4点があげられます。
それぞれのコツについて詳しく解説していきます。
既存の設備や間取りを活かしたプランを考える
紹介してきたとおり、一戸建てのフルリフォームでは、やりたいことが多くなればなるほどコストがかさみます。
間取りを変更したり入れ替える設備が多くなればなるほどリフォーム費用も高額になっていくので、少しでも費用を抑えたいのであれば、「なるべく既存の設備や間取りを活かす」という考え方が重要になります。
既存の設備や間取りを活かしたプランを考えるには、提案力のあるリフォーム会社やプランニングが上手いリフォーム会社に依頼する必要があるので、その点も意識しながらリフォーム会社を探すようにしましょう。
リフォームの優先順位を決めておく
一戸建てのフルリフォームはできることが多いため、つい色々と手を加えたくなりますが、手を加える箇所が増えれば増えるほど費用も高額になります。ご予算内でおさめたいと考えるのであれば、「リビングは絶対に広くしたい」「キッチンはオープンにしたい」「もし予算が余れば床暖房を入れる」のように、リフォームの優先順位を決めておくことが必要に。
設計担当と話し合いながら、ご自身の理想の暮らしを叶えるために「ゆずれないもの」「ゆずれるもの」を明確にしておきましょう。
建材や設備のグレードを見直す
住宅のリフォームに使用する建材や住宅設備にはさまざまなグレードがありますが、当然グレードの高い製品は価格も高いため、そればかりセレクトすると費用はどんどん膨らんでいきます。
リフォームの満足度を高めたいのであればこだわるべきところはこだわるべきですが、「ハイグレードをセレクト=よい住まいになる」とも言えません。それよりも「どこに何を使うか」といったメリハリが大切です。製品のグレードについても優先順位を決め、こだわりたい箇所と妥協しても問題ない箇所を決めておくようにしましょう。
補助金や減税を活用する
少しでもお得に一戸建てをフルリフォームしたいのであれば、補助金や減税についてもチェックしておくとよいでしょう。
一戸建てのフルリフォームで利用可能な補助金制度や助成金制度は少なくありませんし、減税制度を上手く活用することで税金の額を減らせるようになることもあります。
・耐震リフォーム
・省エネリフォーム
・バリアフリーリフォーム
など、対象となるリフォームが限定されていたりもしますが、それらのリフォームを検討しているのであれば忘れずに利用しておきたいところなので、事前に確認しておくようにしましょう。
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)のローン
一戸建てのフルリフォームを検討されている方の中には、これから物件を購入する予定の方もいるかと思います。
その場合、リフォームローンだけでなく住宅ローンも利用できることになります。リフォームローンと住宅ローンはそれぞれ特徴が異なるため、特徴をよく理解した上でどちらを利用するべきか考えましょう。それぞれのローンの概要と特徴は以下のとおりです。
リフォームローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
金利 | 高い | 低い |
借入問題 | 少ない | 多い |
借入期間 | 短い | 長い |
金額が高額になるフルリフォームには、借入期間を長めに設定することが可能で金利が低く設定されている住宅ローンの方が向いています。
これから中古住宅を購入してフルリフォームするつもりであれば、「中古物件購入とリノベーション計画を同時(※)」に行い、住宅ローンを利用することをおすすめします。
※フルリフォーム費用を住宅ローンで借り入れる場合は、中古住宅購入費用とまとめて申請する必要があります。そのためには、早い段階でリフォームの見積書が必要。CRAFTのように物件購入とリノベーションをワンストップで対応している会社に依頼するのがベストです。
フルリフォーム(全面リフォーム)の注意点
フルリフォームの実績が豊富な会社に依頼する
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)は、構造に関わる工事が多いため、建築知識・設計力・施工力があり、実績豊富なリフォーム会社を選びましょう。また「自社設計施工」であればより安心です。フルリフォームでは解体後に想定外してなかった柱や梁が現れたり、劣化が見つかり、急遽対応するケースことがありますが、CRAFTのような自社設計施工であれば、スピーディーに対応可能です。実際にフルリノベーションしたモデルルームを「見学できるか」も、大切なチェックポイントです。
引っ越し希望日から逆算して早めに相談する
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)期間は設計に3ヶ月~、工事に4~5ヶ月ほどかかります。また雨天続きで外壁・屋根工事ができない場合や工事内容が複雑、工事期間が長期休暇と重なる、解体後に予期せぬ劣化が見つかり追加工事が必要になるなど、工事期間が長くなるケースは少なくありません。「この日までに引っ越したい」という希望がある場合は、少なくとも7ヶ月前にはリフォーム会社に早めに相談しましょう。フルリフォームでは想定外なこともあり得ます。早ければ早いほど、プランニングや仮住まいなどゆとりを持ってリフォーム準備ができるでしょう。
これから物件を購入するケースではワンストップリノベーション会社への依頼がおすすめ
これから中古戸建てを購入してフルリフォームする場合、「物件購入」と「リフォーム」をそれぞれ別会社に任せてしまうと、「物件の構造的な問題でやりたいリフォームができない」「リフォーム予算が足りない」といったトラブルが発生する可能性があります。物件の購入とリフォームをトータルで任せられるワンストップリノベーションの会社に依頼するのがおすすめです。
CRAFT ESTATEではご希望のリフォーム内容を叶えられる物件だけをご紹介するため「物件購入からリフォームまでスムーズ」「理想の住まいを叶えやすい」「フルリフォーム費用も住宅ローンで借り入れられる」といったメリットがあります。
〈まとめ〉一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)にかかる正確な費用は見積もりで確認を
フルリフォーム費用は、対象となる物件の広さやリフォームの内容などさまざまな条件によって異なります。
住宅を全体的に改修するフルリフォーム(全面リフォーム)では相場や事例の金額との差異も大きくなるので、正確な費用を把握したいのであればリフォーム会社に見積もりを出してもらいましょう。もし「建て替えとリフォームで迷っている」場合は、そのこともお伝えください。建物の状態を見た上で、ベストな選択をしていただけるようにアドバイスしています。
CRAFTでは、既存の住宅のフルリフォームはもちろん、物件の購入からのワンストップリノベーションも行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。