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住まいの不満を一気に解消できるフルリフォーム(全面リフォーム)。
フルリフォームでは、間取りの変更や住宅全体のデザインの変更などさまざまなことができるため、理想の住宅を実現する方法として人気です。
一戸建ての大規模リフォームのポイントや、気になる「費用感」などについて紹介していきます。
(作成日2023.11.22 更新日2024.5.8)
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)とは?建て替えとの違い
「フルリフォーム(全面リフォーム)」とは、建物の基礎部分や構造部分のみを残した上で住宅を全面的に改修する大規模なリフォームです。部分的なリフォームとは異なり、間取りの変更などを含め、住宅全体をリフォームしていきます。
また「建て替え」は、既存の住宅を解体し、更地にしてから新しく建て直すことになるため、フルリフォームよりも時間とコストがかかります。
構造躯体の劣化がひどく、建て替えもフルリフォームも費用があまり変わらないのであれば、建て替えを選ぶ方がよいケースも。CRAFTでは建物の状態を見て、リフォームした場合、建て替えした場合、それぞれのメリットデメリットをお伝えしています。
一戸建てをフルリフォーム(全面リフォーム)するメリット
一戸建てをフルリフォーム(全面リフォーム)すると、以下のようなメリットが期待できるようになります。
・理想の住まいに生まれ変わる
・建て替えよりも費用を抑えやすい
・構造部分や配管も一新できる
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 理想の住まいに生まれ変わる
部分的なリフォームだとイメージ通りの空間を実現できるのは対象となる部分のみですが、フルリフォーム(全面リフォーム)では全体を改修していくので、住まいを「まるごと」理想の空間に生まれ変わらせることができます。
リビングを広くしたり、吹き抜けを設けるといった間取り変更はもちろん、インテリアの変更も可能です。さらに古い戸建ての場合は断熱性を高めることで、夏は涼しく冬は暖かな省エネ住宅に。
これらのさまざまなリフォームをまとめて行うことで、既存の住宅を理想の住まいに造り変えられる点は、フルリフォームならではの大きなメリットの一つです。
2. 建て替えよりも費用を抑えやすい
古くなった住宅は、「建て替える」という方法もありますが、解体費用が発生する分、建て替えはかなり割高になります。フルリフォーム(全面リフォーム)は建て替えに比べると費用を抑えやすい傾向があるので、なるべくコストをかけずに理想空間を実現したい方におすすめです。
解体費用や建設費用のかからない分、浮いた費用で内装やハイスペックな設備にこだわることもできます。
3. 構造部分や配管も一新できる
一戸建てのフルリフォームでは床や壁を一旦剥がすため、住宅の構造部分や配管の状態も確認できます。一見問題なさそうに見える一戸建てでも、構造部分や配管に劣化が見られるケースは珍しくありません。
部分的なリフォームは内装部分を残したまま改修することも多く、駆体や配管の劣化に気づけずに放置してしまうことも少なくありませんが、フルリフォームならその心配はありません。構造部分や配管に劣化が見られる場合は、それらも含めて一新できます。
一戸建てをフルリフォーム(全面リフォーム)するデメリット
紹介してきたとおり一戸建てをフルリリフォーム(全面リフォーム)するとさまざまなメリットが期待できるようになりますが、デメリットがないわけではありません。
主なデメリットとしては以下のようなものがあげられます。
・部分的なリフォームよりも費用が割高になりやすい
・部分的なリフォームよりも工期が長くなりやすい
・構造的な問題でやりたいリフォームができないこともある
それぞれ詳しく解説していきます。
1. 部分的なリフォームよりも費用が割高になりやすい
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)は「費用を抑えやすい」とご紹介してきましたが、それはあくまでも「建て替え」と比較した場合の話です。部分的なリフォームに比べると割高になりやすい傾向があります。
ただし部分的なリフォームを何度も繰り返すよりは経済的なため、気になる箇所が多い場合は、フルリフォームのほうがおすすめです。一度で終わらせたほうが結果的にコストを抑えられる上、工事中のストレスも最低限に留めることができます。
2. 部分的なリフォームよりも工期が長くなりやすい
部分的なリフォームの中には数日で工事が完了するものもありますが、戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)だと短くても3ヶ月、工事の内容によっては6ヶ月ほどかかることもあります。また、住宅を全面的に改修するという性質上、住み続けながらの工事は難しく、仮住まいを用意しなければなりません。
資金計画を建てる際は、仮の住まいの家賃や契約料、引越し費用なども含めて考えましょう。
3. 構造的な問題でやりたいリフォームができないこともある
一戸建てには、
・木造軸組工法(在来工法)
・2×4工法(枠組壁工法)
・鉄骨造(S造)
・鉄筋コンクリート造(RC造)
など、さまざまな構造の住宅がありますが、構造的な問題でご希望のリフォームができないこともあります。
2×4工法や鉄筋コンクリート造の壁式構造の戸建て中には撤去できない壁があり、間取り変更に制限がかかることがあります。
その場合は、各工法に詳しいリフォーム会社やフルリフォーム実績が豊富なリフォーム会社に相談するようにしましょう。また、提案力の高いリフォーム会社であれば、構造的な問題を上手くカバーしながら理想の住まいを実現する方法を提案してくれます。
CRAFTは鉄筋コンクリート造や鉄骨造などあらゆる構造のフルリフォームの実績多数です。お気軽にご相談ください。
戸建てリフォームの部位別の費用相場
戸建てのフルリフォームを検討されている方の中には、どういった箇所のどういったリフォームにいくらかかるのか知りたい・把握しておきたいという方もいるかと思います。
そこで、リフォームする箇所別・内容別の費用相場をまとめてみました。
※こちらはあくまでも一般的な価格であり、CRAFTは該当しない場合があります
※CRAFTは部分的なリフォームには対応しておらず、フルリフォームのみ対応しています
キッチンのリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
システムキッチンを交換する | キッチンの位置や内装の変更はなし | 80〜150万円 |
キッチンを対面式に変更する | 壁付のキッチンを対面式に変更 | 150〜300万円 |
浴室のリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
浴室の交換 | 在来工法からユニットバスに変更 | 80〜150万円 |
浴室の交換 | ユニットバスから在来工法に変更 | 150〜300万円 |
浴室の交換 | 在来工法から在来工法に変更 | 180〜350万円 |
内装のリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
壁・天井のリフォーム | 壁や天井のクロスの張替え | 8〜15万円 |
壁・天井のリフォーム | 壁や天井のクロスを珪藻土に変更 | 30〜40万円 |
床のリフォーム | 複合フローリングの上張り | 15〜20万円 |
床のリフォーム | 床の張替え | 50〜80万円 |
収納のリフォーム | 壁面収納(ユニット) | 30〜100万円 |
収納のリフォーム | 壁面収納(造作) | 15〜30万円 |
外壁・屋根のリフォーム
内容 | 概要 | 費用相場 |
---|---|---|
屋根 | 塗替え | 50〜80万円 |
屋根 | 重ね張り(カバー工法) | 100〜200万円 |
屋根 | 張替え | 180〜300万円 |
壁 | 塗替え | 50〜100万円 |
壁 | 重ね張り(カバー工法) | 100〜200万円 |
壁 | 張替え | 150〜300万円 |
事例で見る一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用相場
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)にかかる費用はそれぞれのケースによって異なります。そこでおすすすめなのが、物件の広さやリフォーム内容が似ている事例の金額を参考にすること。
ここでは、CRAFTが手掛けた一戸建ての全面リフォームの事例を3つ紹介していきます。
事例1. 窓の外に広がる景色との一体になったように感じられる住宅
こちらは、中古戸建てを購入してフルリフォームした事例です。
もともと一階は和室+LDKという間取りでしたが、和室をなくしてキッチンの場所を移動させ、よりゆったりと過ごせる伸びやかなLDKに変更しました。
パティオを中心に回遊できる素敵な間取りはそのままに、住宅の中とデッキ、デッキの先に広がる庭や景色がひと続きに感じられるような開放感のある空間を演出しています。
住宅の構造上撤去できないブレース(筋交い)は、塗装して周りの設備との統一感を演出することでアクセントとしています。
築年数:11年
リフォーム面積:90㎡
リフォーム費用:2,800万円
事例2. 大きなL字のLDKとフリースペースが魅力のモダンな住宅
こちらは、目黒区にある一戸建てをフルリフォームした事例です。
築年数は9年と比較的新しい住宅ですが、「天窓から入る直射日光がキツい」「LDKが過ごしづらい」「浴室と寝室が離れすぎている」などの問題を改善するため、クラフトでデザインリフォームすることに。
天窓の陽射しは半透明の樹脂板を設置する方法で解消し、過ごしづらいと感じていたLDKは、隣接していた寝室を移動させ大胆に拡大。間延びしているような印象を避けるため、南側の窓の前にL字の壁を設け、スペースをほどよく分けました。
愛犬の様子をいつでも確認できるドッグスペースを設けたり、DVDを3,000枚近く収納できるライブラリーを設けるなど、既存を活かしつつもより豊かな生活を送れる暮らしやすい空間になっています。
築年数:9年
リフォーム面積:140㎡
リフォーム費用:4,500万円
事例3. ゲストとの時間を思う存分楽しめるホテルのような住宅
海外在住のご夫婦は、港区にある中古戸建てを購入し、ハイクラスなホテルのようにフルリフォーム。
一時帰国した際に友人を呼んで楽しめるよう、地下一階にバンド演奏も行えるプレイルームを用意し、地上1階にゲスト用の寝室とバスルームを設けました。2階には広々としたLDKとバーカウンターを設け、地下一階〜地上二階にかけてゲストが自由に行き来できる空間にしています。
ご夫婦の寝室やバスルームは地上3階に設け、プライベートな空間とパブリックな空間をしっかりとゾーニング。過ごしやすさだけでなくデザインにもこだわり、大理石やウォールナットを中心に重厚でモダンに仕上げています。
築年数:17年
リフォーム面積:378㎡
リフォーム費用:1億7,100万円
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用に影響する4つの要素
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)にかかる費用はさまざまな条件によって変動しますが、特に影響が大きいのが、
・住宅の状態
・物件の広さ
・リフォームの内容
・導入する設備や用いる建材のグレード
の、4点です。
築年数の古い住宅だと、外観部分や配管・配線、断熱機能などが劣化してしまっていることがあります。そのケースでは外観の修繕や配管・配線の交換、断熱材の交換や補充なども必要になるため費用もかさみがちです。
また、広い物件であればあるほどリフォームの作業範囲も広くなりますし、より多くの職人が必要になったり、リフォームの期間が長くなるため費用も高くなります。
リフォームの内容も費用への影響が大きくなるポイントで、たとえば大きな間取りの変更など大規模なリフォームになればなるほどコストがかさみます。
一戸建てのリフォームに使用される建材や導入される住宅設備はグレードもさまざまですが、この建材や設備のグレードも費用に大きく影響する要素の一つです。
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用を予算内に抑える4つのコツ
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)の費用は高額になりがちですが、今後の毎月の返済を考えると少しでも費用を抑えておきたいところです。
そこで把握しておきたいのが、大規模リフォームの費用を抑えるコツについて。
具体的なコツとしては、
・既存の設備や間取りを活かしたプランを考える
・リフォームの優先順位を決めておく
・建材や設備のグレードを見直す
・補助金や減税を活用する
の、4点があげられます。
それぞれのコツについて詳しく解説していきます。
既存の設備や間取りを活かしたプランを考える
紹介してきたとおり、一戸建てのフルリフォームでは、やりたいことが多くなればなるほどコストがかさみます。
間取りを変更したり入れ替える設備が多くなればなるほどリフォーム費用も高額になっていくので、少しでも費用を抑えたいのであれば、「なるべく既存の設備や間取りを活かす」という考え方が重要になります。
既存の設備や間取りを活かしたプランを考えるには、提案力のあるリフォーム会社やプランニングが上手いリフォーム会社に依頼する必要があるので、その点も意識しながらリフォーム会社を探すようにしましょう。
リフォームの優先順位を決めておく
一戸建てのフルリフォームはできることが多いため、つい色々と手を加えたくなりますが、手を加える箇所が増えれば増えるほど費用も高額になります。ご予算内でおさめたいと考えるのであれば、「リビングは絶対に広くしたい」「キッチンはオープンにしたい」「もし予算が余れば床暖房を入れる」のように、リフォームの優先順位を決めておくことが必要に。
設計担当と話し合いながら、ご自身の理想の暮らしを叶えるために「ゆずれないもの」「ゆずれるもの」を明確にしておきましょう。
建材や設備のグレードを見直す
住宅のリフォームに使用する建材や住宅設備にはさまざまなグレードがありますが、当然グレードの高い製品は価格も高いため、そればかりセレクトすると費用はどんどん膨らんでいきます。
リフォームの満足度を高めたいのであればこだわるべきところはこだわるべきですが、「ハイグレードをセレクト=よい住まいになる」とも言えません。それよりも「どこに何を使うか」といったメリハリが大切です。製品のグレードについても優先順位を決め、こだわりたい箇所と妥協しても問題ない箇所を決めておくようにしましょう。
補助金や減税を活用する
少しでもお得に一戸建てをフルリフォームしたいのであれば、補助金や減税についてもチェックしておくとよいでしょう。
一戸建てのフルリフォームで利用可能な補助金制度や助成金制度は少なくありませんし、減税制度を上手く活用することで税金の額を減らせるようになることもあります。
・耐震リフォーム
・省エネリフォーム
・バリアフリーリフォーム
など、対象となるリフォームが限定されていたりもしますが、それらのリフォームを検討しているのであれば忘れずに利用しておきたいところなので、事前に確認しておくようにしましょう。
一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)するときの注意点とポイント
一戸建てのフルリフォームを検討されている方の中には、これから物件を購入する予定の方もいるかと思います。
その場合、リフォームローンだけでなく住宅ローンも利用できることになりますが、リフォームローンと住宅ローンはそれぞれ特徴が異なるため、特徴をよく理解した上でどちらを利用するべきか考える必要があります。
それぞれのローンの概要と特徴は以下のとおりです。
リフォームローン | 住宅ローン | |
---|---|---|
金利 | 高い | 低い |
借入問題 | 少ない | 多い |
借入期間 | 短い | 長い |
金額が高額になるフルリフォームには、借入期間を長めに設定することが可能で金利が低く設定されている住宅ローンの方が向いています。
これから中古住宅を購入してフルリフォームするつもりであれば、「中古物件購入とリノベーション計画を同時(※)」に行い、住宅ローンを利用することをおすすめします。
※フルリフォーム費用を住宅ローンで借り入れる場合は、中古住宅購入費用とまとめて申請する必要があります。そのためには、早い段階でリフォームの見積書が必要。CRAFTのように物件購入とリノベーションをワンストップで対応している会社に依頼するのがベストです。
これから物件を購入するケースではワンストップリノベーション会社への依頼がおすすめ
これから物件を購入してフルリフォームする場合、物件の購入とリフォームをそれぞれ別の会社に任せてしまうと、「物件の構造的な問題でやりたいリフォームができない」といったトラブルが発生する可能性があります。
そういったトラブルを避けるためにも、リフォームの対象となる物件をこれから購入する予定なのであれば、物件の購入とリフォームをトータルで任せられるワンストップリノベーションの会社に依頼しましょう。
CRAFT ESTATEではご希望のリフォーム内容を加味した上で物件をリサーチし、紹介するため「物件購入からリフォームまでスムーズ」「理想の住まいを叶えやすい」「フルリフォーム費用も住宅ローンで借り入れられる」といったメリットがあります。
〈まとめ〉一戸建てのフルリフォーム(全面リフォーム)にかかる正確な費用は見積もりで確認を
フルリフォーム費用は、対象となる物件の広さやリフォームの内容などさまざまな条件によって異なります。
住宅を全体的に改修するフルリフォーム(全面リフォーム)では相場や事例の金額との差異も大きくなるので、正確な費用を把握したいのであればリフォーム会社に見積もりを出してもらいましょう。もし「建て替えとリフォームで迷っている」場合は、そのこともお伝えください。建物の状態を見た上で、ベストな選択をしていただけるようにアドバイスしています。
CRAFTでは、既存の住宅のフルリフォームはもちろん、物件の購入からのワンストップリノベーションも行っています。ぜひお気軽にお問い合わせください。
<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。