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ドアのリフォームをお考えですか? ちゃちゃっと手軽に交換したいなら、メーカーの既製品がおすすめです。納期も早いし、バリアフリーに対応していたりと機能的。デザイン性のバリエーションもおどろくほど豊富なので、きっとお好みのドアが見つかるはずです。
え?そんなんじゃない? なるほど、ステンドグラスを使ったり、お好きな無垢の木を使ったり、メタリックに仕上げたり、とにかくオリジナルのドアにリフォームしたいわけですね。よくおわかりで。
実は室内ドアこそ、”インテリアのセンスの発揮しどころ”なのです。
これから、お施主さまのご希望やお好み、インテリアのテイストに合わせて室内ドアをリフォームした事例をご紹介します。みなさまのドアのリフォームのご参考になるはずです。
インテリアに趣が生まれる、室内ドアのリフォーム実例
スギの無垢板を並べて、手づくり感のある室内ドア
「シックな北欧インテリア」をイメージしたインテリアです。壁は漆喰、フローリングは無垢のミャンマーチークにこだわりました。
リビングや寝室、書斎などリビング・ダイニングに面したドアは、スギの羽目板でつくりました。LDKのイメージに合わせて木目や濃淡を組み合わせ、施工現場で実物を見ながら、バランスのよい並びを決定しています。
真っ白な漆喰に浮き上がる赤茶色の濃淡。素朴で飾り気がないけれど、手づくりのぬくもりがしっかりと伝わってきます。北欧のヴィンテージ家具と同じくらいの時を経たようなドアです。
ステンドグラスでモダンな室内ドア
ガラス工芸がご趣味だと言うお施主さま。お持ちの李朝箪笥や、リビングの随所に使ったモザイクタイルのイメージに合わせて、オリジナルの室内ドアにリフォームしました。
さまざまな色や質感のガラスをモンドリアン柄に組み合わせた引き戸。廊下から見たときに、リビングでくつろぐ家族の様子がデフォルメされて映ります。独特のやわらかな空気感をつくり出すのは、ステンドグラスならではですね。
これまで暗かった玄関に、ステンドグラスのやさしい光が届くようになりました。
引き戸を閉めれば、隠れニッチで大人の雰囲気
上品な赤褐色のサペリを、フローリングや柱、そして室内ドアにも使ってリフォーム。引き戸を閉めると、それまで隠れていたニッチ(棚)があらわれます。お気に入りのウイスキーボトルやグラスがあらわれ、ぐっと大人の雰囲気に。
そもそもはじめは、リフォームでニッチを設ける予定はありませんでした。しかし解体してみると、壁の中にちょっとした空間が。デザイナーは「これはもったいない」と、デッドスペースを使ってニッチを設けるプランを検討。
壁をくり抜いたような、極めてミニマムな飾り棚です。引き戸を閉めるたびに、ちょっとうれしい気分になりそうですね。
アンテーク塗装でレトロな室内ドア
「古い洋館のようにな雰囲気が好き」というお施主さま。ゴージャスではないけれど、味わいがあり、素材感が伝わってくるようなドアにリフォームしました。
ドアは海外の既製品ですが、現場でアンテーク塗装を施し、経年で変色したような風合いをつくりました。もちろんドア枠もアンテーク塗装。密で通直な木目や真鍮のドアノブ、レトロなガラスのゆらぎが、空間に十分すぎるくらいの趣を与えています。
特殊塗装でメタリックなドア
あえてコテ跡が残るように塗装した壁とドア。かなりシックなインテリアですが、こちらの塗装でほどよくインパクトが生まれています。こちらに光があたると、濃紺のうえに紫色が浮かび上がります。メタリックな壁やドアを、空間のアクセントとしたリフォーム実例です。
SIC~水まわり~キッチン収納は壁でぐるりと囲み、邸内にたたずむ大きな”箱”のように見せています。その箱を大胆にくり抜いたようなドアが、”箱”のボリューム感を強調。
初めて訪れたゲストは「こちらは…?」とまじまじと眺め、それから深いため息をついてしまいそうですね。
まとめ
いかがでしょうか。
オリジナルの室内ドアの魅力、インテリアへの影響を感じていただけましたでしょうか。今回ご紹介した実例は、〈室内ドアを含めたフルリノベーション〉になりますが、室内ドアのみリフォームされる方も、イメージづくりの参考にしていただければと思います。
ちなみに、室内ドアのリフォームには3つの方法があります。
・ドアと枠(ドアまわりの壁のフレーム)を、オリジナルでつくる
・ドアと枠を既製品にする
・ドアと枠の面材だけを交換する
室内ドアと枠をオリジナルでつくるリフォームが、一番コストがかかります。当然ですが工期もかかります。ですので室内ドアをリフォームする際は、まずは何を重視するかを決めましょう。コストや工期を調整したいなら、既製品でも問題ありません。先述したように性能もデザイン性も優れています。
しかし、「ドアでアクセントをつくりたいな」と思ったら、例えばリビングのドアだけでもオリジナルでつくられてみてはいかがでしょう。たった一枚のドアで、素晴らしい家具や絵画を飾っているような雰囲気が生まれます。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。