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毎日使う洗面台は、何より心地よい場所でありたいもの。そんなこだわりのある方なら、造作もしくはオーダー(家具工事)の洗面台がおすすめです。スペックやミラーの大きさ、収納、広さ…。ご自身がベストだと思うパウダールームをオリジナルで自由につくることができるのです。
ホテルのパウダールームのように、ゆったりとした気持ちで使えるラグジュアリーな空間。ゲストにも気持ちよく使ってもらえること間違いなし。これから、ホテルライクな造作洗面台にリフォームした事例をご紹介します。
(作成日2017.04.04 更新日2022.01.29)
造作工事と家具工事...オーダーの洗面台とは?
洗面台は、大きく3つに分かれます。
〈1〉既製品
Panasonicなどのメーカーが販売している商品。
〈2〉造作家具(オーダー)
現場で職人さんがつくってくれる家具のこと。たとえばお部屋のオープン棚やちょっとしたカウンターを作るのは、こちらの方法。
〈3〉家具工事(オーダー)
家具メーカーに依頼して工場で制作してもらう家具のこと。「造り付けの家具」と言われることも。引き出しのあるような家具は、こちらです。
とくに「造作家具」と「家具工事」はよく混合されがちなので、しっかり分けて考えておきましょう。既製品以外は、スペースや使う方の好みに合わせてオーダーメイドでつくることができます。
オーダー洗面台のメリットは、好きなデザインとサイズにできること
造作や家具工事といったオーダーの洗面台のメリットは、何と言ってもオリジナルで好きなデザイン、サイズにできること。既製品だと好みのサイズやデザインの洗面台を探すのがむずかしく、ちょっとしたデッドスペースが生まれがちですが、そこはオーダー洗面台の強みです。
お好きなミラーや水洗、洗面ボウル、壁のタイルなどをひとつひとつセレクトしていくのも楽しい作業。リノベーションの場合は、設計デザイナーが邸内のコンセプトに合わせて計画し、家具屋さんにオーダーすることになります。つまり、リビング〜パウダールームまで同じインテリアにすることもできるのです。
ご自身が毎日使っていてもうれしくなるし、ゲストが「素敵だな」と思ってもらえるような、特別なパウダールームに。そこはオーダー洗面台の大きなメリットですね。
オーダー洗面台のデメリットは、価格が高くなること
造作家具や家具工事の洗面台のデメリットは、やっぱり価格が高くなること。大量生産の既製品の洗面台と比べると価格差は歴然です。また素材や設備にこだわるほど、どんどん高くなってしまうため注意が必要です。予算オーバーにならないようにコストバランスを図りながら、理想のパウダールームになるよう計画することが大切です。そのあたりは設計デザイナーがコントロールしてくれます。
〈オーダー洗面室の事例1〉スタイリッシュなパウダールーム
リビングのテレビボードの背面に洗面台をレイアウトし、家族が手洗いしやすいように。ゆったりとした幅の洗面カウンターには、洗面ボウルを2つ。家具工事でとことんこだわりました。壁には天然石のボーダータイル、フレームはモルタルで造作。ミラーの背面には間接照明を入れて、住まいの主役級のパウダールームに仕上げています。
〈オーダー洗面室の事例2〉洗練されたパウダールーム
まるで海外のように、ベッドルームの隣にパウダールームをレイアウト。ゆったりとした洗面台は、グレーの人工大理石を使って造作しました。大きなミラーでより広さを強調しつつ、6角形のデザインタイルでリズミカルに。シンプルながらも洗練された印象を与える空間となっています。
〈オーダー洗面室の事例3〉ミニマルなパウダールーム
テラスに面した明るいスペースに、洗面台を造作しました。壁にはミラーとTVモニターの役割を兼ねた〈グラスルーチェ〉を設けています。壁一面にスキマなくミラーを貼り、ひろびろとしたイメージをつくりました。洗面台は、まるで浮いているように軽やかに取り付けています。非日常感を感じさせてくれるような空間ですね。
バスルームとの間仕切り壁にはガラスを使用し、入浴しながらTV鑑賞ができるように。ミニマルながらもモダンでインパクトのある、ホテルライクなパウダールームです。
〈オーダー洗面室の事例4〉ナチュラルモダンなパウダールーム
広い洗面スペースには、2ボウルの洗面台を家具工事。ほどよく抜け感がありながらも、サイドや下部には収納がたっぷり。扉は明るい木目をセレクトし、さわやかなパウダールームに仕上げました。
正面の壁にはヘリンボーン柄のタイルを貼り、間接照明で凹凸が際立つように。いつでも心地よく過ごすことができるナチュラルモダンな洗面台となっています。
〈オーダー洗面室の事例5〉クラシカルなパウダールーム
住まいの中心にパウダールームを配置し、入り口を2つ設けて回遊できる動線に。廊下とリビング、どちらからも行き来できるようにしました。
洗面台は造作し、ホテルライクな2ボウルに。壁には高級感のある石目調のタイル、額縁のような趣のあるKOHLERの2つのミラーキャビネットを使用。パウダールームも、邸内と同じくアメリカントラディショナルなインテリアで統一しました。
床のタイルは居室と連続させ、ドア上にはFIXガラスを入れました。パウダールームをしっかり区切るのではなく、どこかつながりを持たせることで、居室で過ごすような心地よさを。
〈オーダー洗面室の事例6〉グラマラスなパウダールーム
スタイリッシュな洗面台はオリジナルデザインの家具工事です。ゴージャスホテルさながらのパウダールームに。
「椅子に座ってメイクやスキンケアがしたい」というご希望から、奥さまが座ってちょうど良い高さに設定。木のぬくもりをさりげなく取り入れ、居心地よくしたこともポイントです。左下には配管を隠し、収納とゴミ箱を備えました。生活感のなさは、ホテルライクなパウダールームのルールのひとつです。
壁にはシックな色合いの大理石のモザイクタイル。間接照明をつけると、上品な華やかさがあらわれます。朝はさわやかな自然光、夜は華やかなきらめきの中。昼と夜で違った表情をたのしめそうです。
〈オーダー洗面室の事例7〉ガーデンビューなパウダールーム
洗面台は、上品な光沢と重厚感のある大理石を使って家具工事。大きなバスルームの正面にレイアウトしています。
バスルームと洗面室の間仕切りをFIXガラスにしたことにより、より伸びやかな印象に。壁のベージュのタイルは洗面室からバスルームへと流れ込み、その奥には美しいロックガーデンが広がっています。
やわらかな朝の光に包まれて、ゆたかな緑を眺めながら身支度。ゆったりとしたラグジュアリーな雰囲気は、ハイクラスホテルのスイートルームに匹敵するほどではないでしょうか。もし空間にゆとりがある方は、こんなホテルライクな洗面室もおすすめです。
まとめ
造作や家具工事でつくった、オーダーメイドの洗面台の事例をご紹介しました。
「ホテルみたいな洗面室にリォームしたい」という方は多いようですが、「洗面台を交換する」といった部分リフォームでは、できることが限られてしまいます。床や壁にタイルを貼ったり、浴室のドアをガラスに変えたり。またまた、洗面室を広く贅沢にとってみたり。リビングやダイニングに比べると小さな空間ですが、洗面室は毎日使うスペース。心地よく過ごせる空間にしたいものですね。
どんなに古い洗面室でも、リフォームで素敵な空間に生まれ変わります。オリジナルの洗面台や洗面ボウル、素敵なミラーキャビネット、お好きなタイル。一つひとつにこだわって、ホテルライクなパウダールームをつくってみませんか。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。