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リフォームの設計を依頼できるリフォーム会社にはいくつか種類がありますが、メリット・デメリットや設計を依頼したときの費用に違いがあります。
今回は、住宅のリフォームを依頼できるリフォーム会社の種類と特徴に触れながら、「どこに設計を依頼するべきなのか?」について紹介していきます。
(作成日2017.2.11 更新日2025.1.22)

住宅リフォーム時の設計はどこに依頼するべき?おすすめは?

住宅のリフォームを依頼できる会社の種類と特徴は以下のとおりです。
種類 | 特徴 |
---|---|
設計事務所 | ・デザイン性が高い ・提案力がある ・設計料は割高 ・ラフプランの段階から有料となるケースが多い ・施工は外注になる |
独立系のリフォーム会社 | ・こだわりの住まいを実現しやすい ・コンセプトづくりを得意としており提案にサプライズがある ・社内に設計部や工事部を設けているところもある ・物件探しからサポートしてくれる会社もある |
大手ハウスメーカー系のリフォーム会社 | ・アフターフォローが充実している ・自社の住宅の工法を熟知している ・設計や工事を委託しているケースがある ・プランにこだわりづらい |
不動産系のリフォーム会社 | ・物件探しに強い ・マンションリフォームを中心に行っている ・予算調整がしやすい ・リフォームは外部の会社に委託しているというケースがほとんど |
工務店 | ・ベテランの職人が在籍しているところが多く、技術力が高い ・デザインを苦手としている傾向がある ・プランニングを外部に委託しているところが多い |
「おしゃれな家にしたい」「とことんこだわりたい」など、デザインにこだわるのであれば設計事務所はおすすめです。
ただ、その一方で、設計料が割高な点や施工が外注になってしまう点には注意しなくてはいけません。
リノベーションの設計料はいくらぐらい?
設計料は、どこに住宅のリフォームを依頼するかによって異なります。設計事務所に依頼するときとリフォーム会社に依頼するときの設計料をそれぞれ紹介していきます。
設計事務所にリフォームを依頼したときの設計料
設計事務所にリフォームを依頼するときの設計料は、総工事費の10〜20%が相場となっています。設計事務所は設計に強いということもあっておしゃれなプランを提案してもらいやすいというメリットがありますが、リフォーム会社に比べて設計料が高いため注意しなくてはいけません。
設計事務所の主な収益源は設計料で、設計する際はディティールまでこだわって細かく設計するため、設計料が高く設定されている傾向があります。
リフォーム会社にリフォームを依頼したときの設計料
リフォーム会社にリフォームを依頼するときの設計料は、総工事費の5〜15%が相場になります。リフォーム会社は設計料と施工費の両方で収益を上げているため、設計事務所よりも設計料の単価が若干低くなっています。
5%や10%の違いと聞くとそれほど変わらないように感じられるかもしれませんが、リフォームにかかる総工事費に対する割合であり、それなりの金額になるので、リフォーム会社に依頼するほうが経済的だとは言えるでしょう。
「設計料無料」のからくりと設計の重要なポイント
リフォーム会社の中には「設計料がかからない」ことをアピールしているところもありますが、そういったリフォーム会社には、
- ・プランがパターン化されている
- ・決まった素材・仕様しか選べない
- ・施工費や諸費用が高く設定されている
- ・数枚の図面しか提出しない
などのからくりがあります。
設計料がかかったとしても、ワクワクするようなプランを提案してくれるリフォーム会社に依頼する方が満足度は高くなるので、「理想的なプランを提案してくれるか」「期待以上の提案があるか」を重視して依頼する会社を選ぶようにしましょう。

リフォームを「設計事務所」に依頼するメリット
住宅をリフォームの設計を設計事務所に依頼するメリットとしては、以下の2点があげられます。
デザイン性が高くて提案力がある
設計事務所は、住宅など建物の設計に関するプロなので、他の会社だとなかなか出てこないようなプランを提案してくれます。
デザイン性の高い住宅や個性的な住宅にリフォームしたい場合は、設計のプロである設計事務所に依頼するのがおすすめです。
やりたいことを実現しやすい
設計事務所でのリフォームは、基本的に完全自由設計のオーダープランです。プランやパッケージに制限がなく、細かいこだわりを反映させられます。
とことんこだわって理想の住まいを実現したい方にとっては、細部にまでこだわってプランニングできる設計事務所は、非常に理想的だと言えるでしょう。
リフォームを「設計事務所」に依頼するデメリット
住宅をリフォームの設計を設計事務所に依頼する際は、以下のデメリットに注意しなくてはいけません。
設計料が高い
先述した通り、設計事務所の設計料は、他の会社と比べて割高です。リフォーム会社の設計料が総工事費の5〜15%であるのに対し、設計事務所の設計料は10〜20%と高く設定されています。
設計料だけで100万円以上の差が出てしまうケースもあるので、費用を抑えたいのであれば設計事務所への依頼はあまりおすすめできないと言えるでしょう。
リフォームの費用も高くなりやすい
設計事務所でのリフォームは、こだわった家づくりを行える反面、リフォームの費用も高くなりがちです。
リフォームでは、使用する建材や導入する設備のグレードなどにもこだわることができます。ただ、こだわればこだわるほどコストがかかるので、こだわりすぎて予算を大幅にオーバーするようなケースも多々あります。
ラフプランから有料になるケースが多い
リフォームの初期段階の提案を「ラフプラン」と言いますが、設計事務所は、このラフプランの段階から費用が発生する傾向があります。リフォーム会社や工務店は、ラフプランをサービスとして提供しているところが多く、無料で対応してもらえます。
設計事務所に設計を依頼する際は、どの段階から設計料が発生するのかをよく確認しておきましょう。
住みにくい家になる可能性がある
設計事務所は、優れたデザインの家の設計を得意としています。
ただ、デザインにこだわるあまり、住みやすさが損なわれてしまうケースも少なくありません。これは、デザイン性を重視するあまり、生活動線や家事動線などが軽視されやすくなってしまうためです。
デザインと住みやすさを両立させるには豊富な知識とノウハウが必要になりますが、それらを兼ね備えていない設計事務所に依頼すると、「住みにくい」と感じる家に仕上がってしまいます。
施工は外注になる
設計事務所にリフォーム時の設計を依頼する場合、基本的に施工は外部の業者が対応することになります。設計事務所と施工業者の連携がしっかりしていれば問題はありませんが、中にはうまく連携がとれていないケースも。
うまく連携がとれていないと、こちらの希望が伝わらなかったりミスが発生しやすくなるため、リフォームに対する満足度も低下してしまいがちです。
リフォームを「リフォーム会社」に依頼するメリット

住宅のリフォームを設計事務所ではなくリフォーム会社に依頼するメリットとしては、以下の4点があげられます。
こだわりの住まいを実現できる
リフォーム会社は、マンションや戸建てなどの住宅リフォームの専門家。とことんこだわって住宅をリフォームしたいときは最適です。豊富な知識とノウハウ、実績をもとに、理想の住宅を実現するためのプランを提案してくれます。
例えば、憧れのホテルのようなインテリアや、最新の住宅設備を導入することもできますし、家族構成やライフスタイルに合わせて間取りを大きく変更することも可能です。
住みやすさや効率を意識したプランづくりも得意としているので、リフォーム後の満足度も高い傾向です。
コンセプトづくりが得意で、提案にサプライズがある
リフォーム会社はコンセプトづくりが得意なため、サプライズのある提案をもらいたいときにもおすすめです。
リフォームを検討している方の中には、「大まかなプランは決まっているけど、細かなところまで決めきれてはいない」という方もいるかと思いますが、リフォーム会社は、やりたいことや希望をもとにコンセプトを決めてしっかりと形にしてくれます。「好きなもの」「理想の暮らし」などを伝えることで、素敵なプランを提案してもらえます。
社内に設計部や工事部を設けている
リフォーム会社の中には、社内に設計部や工事部を設けているところもあります。
設計や施工を外部に委託しているリフォーム会社だと、こちらの意向が正しく伝わらなかったり、やりとりにタイムラグが発生するなどのトラブルが起きてしまいがちです。一方、CRAFTのように社内に設計部や工事部があるリフォーム会社は、リフォームの設計・施工まで一貫して対応してくれるので、トラブルが発生しづらく、理想の住まいを実現しやすくなっています。さらにアフターサービスも自社で実施するため、長く快適に暮らせます。
物件探しからサポートしてくれる
リフォーム会社の中には、物件探しからサポートしてくれるワンストップリノベーションの会社もあります。
CRAFTでもワンストップリノベーションのサービスを提供しており、購入物件の仲介からリフォームまでトータルでサポート。物件の内見時には「リフォームでできること」「それにかかるおおよその費用」「耐震性」などをお伝え。物件費用を含めた資金計画が立てやすいため、購入の判断もスムーズです。戸建の場合は瑕疵保険付き、というのも嬉しいポイントです。
ローンや税金対策など資金計画もサポートしているため、住宅の購入からリフォームまでとてもスムーズです。
CRAFTのモデルルームで「ワンストップリノベーション」について相談する
リフォームを「リフォーム会社」に依頼するデメリット
リフォーム会社は、各社ごとに特徴が異なります。例えばCRAFTであれば、「マンションと戸建てどちらのリフォームも対応」「自社設計施工」「構造知識が豊富で、大規模リフォームも得意」といった強みがあります。
一方、「マンションのリフォームにしか対応していない」「構造の知識に乏しく、間取り変更をともなう大規模なリフォームは不得意」といったリフォーム会社も。これらのリフォーム会社の中から希望通りの会社を見つけるのは難しい傾向があり、「会社選びで失敗した」と感じるケースも少なくありません。
会社選びの難易度が高い点は、数が多く、それぞれの会社によって対応内容や特徴が異なるリフォーム会社ならではのデメリットだと言えるでしょう。
デザインと費用のバランスで選ぶなら独立系のリフォーム会社がおすすめ

設計事務所には「デザイン性が高い」という強みがありますが、費用が高いというデメリットがあります。また、デザイン性にこだわるあまり住みにくい家になる可能性がある点にも注意しなくてはいけません。
一方、デザインと費用のバランスがいい独立系のリフォーム会社であれば、費用を抑えながら、デザイン性に優れた住宅へのリフォームを実現できます。
社内に設計部や工事部を設けているリフォーム会社であれば、より理想の住まいを実現しやすくなるので、リフォームを依頼するリフォーム会社を選ぶ際は、それらの点に注目しながら選ぶようにしてください。


設計にこだわったCRAFTのリフォーム事例
設計にこだわってCRAFTで住宅をリフォームした方の事例を紹介していきます。
好きなものに囲まれた趣味を楽しむ家(築14年 / 132㎡ / 5200万円)

こちらは、築14年のマンションのリフォーム事例です。以前の倍の広さがあるマンションを購入し、設計の段階からこだわってデザインリフォームしました。
多趣味なご夫婦が抱えていた「家のあちこちにものがあふれている状態」という悩みを解消するために、ライブラリースペースや大きめの収納棚を設け、趣味のアイテムをしっかり収納できる環境を整えました。
リビング・ダイニングは、廊下をなくして水回りの設備を一箇所にまとめたことで、趣味を楽しむための小上がりスペースを隣接する大空間に。好きなものに囲まれながらリラックスした時間を楽しめる素敵な住まいになっています。
厳選された家具やアイテムが際立つシンプルな住まい(築36年 / 120㎡ / -万円)

こちらは、築36年のマンションのリフォーム事例です。こちらの事例では、物件探しからリフォームまで、トータルでサポートさせていただきました。
WICを併設した寝室のとなりには、ガラス張りの洗面室を配置して、忙しい朝や寝る前の準備をスムーズに行えるようにしました。リビング・ダイニングは、独立して配置されていたキッチンと一体にすることで開放感が増し、よりゆったりと過ごせるようになっています。
全体的に「シンプル」をコンセプトにしつつも、腰壁やテレビ背面の壁に設置したタイルなどでアイポイントを作り、メリハリのある空間に仕上げています。
設計から細部の素材までこだわり抜いた二世帯住宅(築22年 / 400㎡ / -万円)

こちらは、築22年の戸建てを二世帯住宅にリフォームした事例です。地下1階〜1階までの空間を親世帯向けに、2階を子世帯向けとしてデザインリフォームしました。
1階にあるリビングとダイニング、キッチンは仕切りを撤去し、のびやかなLDKに。地下にはテラスを新設し、テラスを囲うように寝室とラウンジを配置しています。
玄関ホールの壁に設けられたナラの突き板や珪藻土で仕上げた寝室の壁、割り肌の石が印象的な吹き抜けの壁など、細部のデザインにまでこだわったことで洗練された住まいになりました。
リフォームの設計料に関するよくある質問
リフォームの設計料に関するよくある質問を、いくつか紹介していきます。
Q 設計料はどこからかかる?
設計料がどの段階から発生するかは、依頼先によって異なります。リフォーム会社はラフプランまで無料で対応してくれる会社が多い一方で、設計事務所はラフプランの段階で10〜30万円ほど請求されるケースが多くなっています。
ただし、会社によって対応が異なるので、事前に確認しましょう。
CRAFTではラフプランの制作までは無料です。
Q 設計料はディスカウントしてもらえる?
住宅リフォームの設計にはかなりの時間と手間がかかるので、設計料を値切るのはNGです。マナー違反にあたりますし、その後、設計事務所やリフォーム会社と良好な関係を築くのが難しくなってしまいます。
設計事務所やリフォーム会社では、適切な価格として設計料を提示しているので、値切り交渉は避けるようにしましょう。
<まとめ>リフォームの際の設計は納得できる価格で信頼できる会社に依頼することが大切
図面は、会社と施主の約束ごとです。数枚の図面だけだと約束ごとが曖昧になってしまい、「ここはベージュのタイルに変更したでしょう」「聞いていません」なんてトラブルのもとに。
多少設計料が高くても、ユニークで新鮮な提案をしてくれる設計事務所に依頼するのもいいでしょう。また、クラフトのように社内の設計者が一つひとつ、丁寧にプランをつくっているリノベーション会社もあります。
図面には、設計者の知恵とこだわりと夢が詰まっています。設計料はその労力やアイデアの対価。プランをしっかりと見て判断すれば、各会社の設計料が妥当かどうかがわかるはずです。



<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。