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間接照明とは、光源を見せず、光を壁や天井にあててその反射光で空間を照らすもの。やわらかい光で空間を包み込んでくれます。
今回はCRAFTのリフォーム事例を例に、間接照明の効果的な使い方をご紹介します。
間接照明の効果は6つ
〈間接照明の効果1〉空間に表情を与える
白でまとめたイノセントな空間。間接照明により、おだやかな表情が生まれてます。
ダイニング・キッチンの下がり天井、奥の廊下の天井に間接照明を入れました。空間にやわらかく広がる光の陰影。モダンアートのように洗練された空気感がただよっています。
このように間接照明は、リビングやダイニングをおしゃれでモダンに見せる効果があります。ただし、あからさまに入れると下品な印象になってしまうため、注意が必要。間接照明の存在を忘れてしまうくらいのさりげなさで、上品に使いたいですね。
〈間接照明の効果2〉リラックスしたムードに
勾配天井のある開放的な寝室。壁には輸入クロスを張り、上質なファブリックでラグジュアリーな雰囲気に。ヘッドボードの裏には間接照明を入れて、ホテルのようにくつろげる寝室に仕上げています。
寝る前に本を読んだり、ぼーっとしたり。大切なひとときを過ごす寝室だからこそ、間接照明でリラックスできる雰囲気にしてみてはいかがでしょうか。
〈間接照明の効果3〉奥行きをつくる
縦長のリビングには8mのTVカウンターを造作し、下部に間接照明を入れました。
TVボードの下に間接照明があることで、床がそこで終わりではなく『奥まで続いている』というイメージが生まれます。折り上げ天井の間接照明も同様。見る人は、天井が『奥まで続いている』ような印象を受けるのです。実際はそこで終わっているのですが、間接照明があることでそのように感じてしまう視覚的効果を利用しています。
視線をコントロールすることで、実際以上の広がりを演出。縦長のリビングでお悩みの方にもオススメな方法です。
〈間接照明の効果4〉ワイド感でダイナミックに
ダイナミックなイメージをつくりたいときも、間接照明が効果的です。
リビング・ダイニングとキッチンの間のバーカウンター。カウンターの天板下と天井に間接照明を入れて、ワイド感を強調しています。とくにカウンターの間接照明は、ウオールナットの木目模様を浮かび上がらせ、素材感を強調する役割も。
間接照明で横のラインを強調し、幅広でダイナミックなバーカウンターに仕上げました。
〈間接照明の効果5〉立体感でバランスをとる
ゲストとお酒を飲んだり、音楽を聴いたりとたのしいひとときを過ごすプレイルーム。
空間が間延びしないように壁と天井に凹凸をつくり、間接照明を入れました。空間のバランスをとりつつ、壁や天井に立体感が生まれて非現実的なイメージに。
間接照明の光のラインが縦横に交差する、モダンな空間に生まれ変わっています。
〈間接照明の効果6〉軽やかさと抜け感をつくる
色も装飾もごくごく控えめな、ミニマムな空間です。オブジェのような収納の下には、間接照明を入れてより軽やかに。
さらに壁にも縦横のスリットと間接照明を入れました。空間が光の奥まで続いているようなイメージが生まれています。
間接照明の効果を存分に発揮。どこまでも軽やかで、どこまでも抜けるような開放感を感じさせる、美しい玄関ホールです。
シンプルなインテリアや、ミニマリストインテリアがお好きな方は、このように間接照明を効果的に使ってみましょう。
まとめ
間接照明のあるリビング・ダイニング。モダンでラグジュアリーな雰囲気が生まれますね。
それだけではなく、今回ご紹介したリフォーム事例のように、間接照明にはさまざまな効果があります。
・空間におだやかな表情をつくる
・リラックスしたムードをつくる
・奥行きを感じさせる
・ワイド感でダイナミックに
・立体感でバランスをとる
・軽やかさを抜け感をつくる
計画性もなしに、ただ間接照明を使うと効果をあまり感じられません。リフォームで間接照明を取り入れる場合は、どのような空間に見せたいか、どのように過ごしたいかを明確にしましょう。そのうえで、デザイナーに素敵なプランを提案してもらいましょう。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。