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静かな住宅街にある中古マンションを購入したご夫婦。「リノベーション前提でいくつもの物件を見学したから、このマンションの魅力に気づけた」と振り返ります。購入後はシンプルであたたかく、ご夫婦らしいオリジナリティに満ちた空間にリノベーション。理想の住まいが完成するまでを、新居でじっくりとお聞きしました。
CRAFTでの物件探しは「ほかの不動産屋さんと視点が違うな」と思った
CRAFT(以下C):敷地やロビーが広く、エントランスに入るだけでゆったりした気分になるマンションですね。今回、中古マンションを買ってリノベーションしたきっかけを教えていただけますか?
Mさん:数年前に知人がマンションを買ってリノベーションしており、お邪魔したときに「こんなふうに暮らせたらいいな」と思ったのがきっかけです。そのときに、CRAFTさんを紹介してもらいました。
C:そうだったんですね。今回はCRAFTに物件探しからご依頼いただきましたが、どのような印象でしたか?
Mさん:CRAFTはリノベーション会社が母体だからでしょうか…「不動産屋さんとは視点が違うな」と思いました。物件を探しているときも「早く決めてください」というプレッシャーはゼロ。むしろ「このマンションはMさんには、あまりおすすめできません」と、はっきり言ってくださいました。
マイペースでマンションを探すことができたし、質問に対する返答も早かったので、忙しかったけれどストレスはありませんでした。
C:いろいろと物件をご覧になって、こちらのマンションを選んだ決め手は何だったのでしょうか。
Yさん:マンションは共用部が充実し、ゆとりがあっていいな、と思いました。そして何より、この築年数にしては天井が高く窓が大きかったことがポイントです。
見学時に天井のダクトの凹凸が気になったのですが、不動産担当の方が「ここはフラットにできます」とその場でアドバイスをしてくださったので、安心して購入できました。
リノベーション費用も、物件費用とまとめて「住宅ローン」で借り入れ
C:今回、リフォーム費用を低金利の住宅ローンで借り入れされていますね。こちらはワンストップのメリットだとご存知でしたか?(*)
Mさん:はじめは知りませんでした。ですから住宅ローンは、私たちにメリットがあるように不動産担当の方がさりげなく誘導してくだいました。私たちに負担がないように、損をしないように、スムーズに進行していただいたという感じです。
(*)物件購入と同時にリフォームのプランニングを行えば、まとめて住宅ローンで借り入れできる。一旦住宅ローンを申込んでしまうと、後からリフォーム費用のみの申請は不可。
ヴィンテージ家具や小物が映える、シンプルな空間に
C:リノベーション では、プランニング前に理想の間取りやインテリアイメージをファイルにまとめてデザイナーにお渡しくださいましたね。
もともと⽬指すイメージがはっきりしていたので、「持っているヴィンテージ家具や⼩物が映えるようなシンプルな空間にしたい」とお伝えさせていただきました。そのため壁も天井も、余分な要素やノイズが⽬⽴たないように気をつけました。所有している照明器具との組み合わせで夜も⼗分に必要な明るさを確保できるので、リビング・ダイニングや寝室にもダウンライトをつけず、フラットな天井にしました。そうすることでペンダントライトも際⽴つかな、と。
C:「ダウンライトに頼らない」という選択で、シンプルさを追求されたのですね。
Yさん:どこかにあたたかな素材を入れたくて、キッチンとリビングの一部の壁にモールテックスを取り入れました。ベージュ系のモールテックスで統一してやわらかい雰囲気に。モールテックスの壁が活きるように、キッチンはあえて吊り戸棚を設けないことにしました。
C:キッチンは、かなりゆとりある大きさですね。どちらのメーカーですか?
Mさん:キッチンはいくつかショールームを見て、最終的にkitchenhouseでオーダーしました。インテリアになじむアッシュベージュをセレクトしています。作業面が広くて料理がしやすく、フルフラットなので、対面からも作業ができます。そのおかげで、以前よりもふたりでキッチンに⽴つ時間が増えました。
Mさん:すっきりとしていますが、実はキッチンの手前と背面カウンターには下部収納がたっぷりとあるんです。食器やキッチンアイテム、食材ストックなどがきれいに収まります。正面のオープン棚には、よく使うアイテムをディスプレイしているので、使う時はさっと取り出すことができて便利です。
C:「隠す」「見せる」のバランスがとれているところがよいですね。リビングサイドにはオープンのデスクスペースがありますが、おふたりで使われるのですか?
Mさん:はい。今はふたりともほぼテレワークなので、デスクカウンターを設けました。仕事の時間は1日の中でも多くを占めるので「家の中の一番心地がよいリビングにつくりたい」とデザイナーさんにリクエスト。リビングの一角なので昼間はとても明るいし、壁でほどよく囲われているので集中できます。
C:ワークスタイルの変化に合わせた間取りですね。ちなみに、玄関サイドのオープンのフリースペースも気になっていました。こちらではどのように過ごされるのでしょうか?
Yさん:妻がピアノを弾いたり、僕が本を読んだり、とにかく自由に過ごすスペースです。床はヘリンボーンでアクセントをつけ、LDKとは少し違った印象に。玄関との間に壁がないので玄関ホールの広がりを感じますし、自然光が注いで明るくなりました。
玄関の土間と廊下は幅を広げたことで、全体的にゆったりとしたイメージになりました。
C:玄関サイドの個室をオープンにして、玄関ホールにゆとりを持たせたのですね。そんな思い切ったプランにも、Mさんらしさを感じます。
「リノベーション前提」で見学を重ねたから、このマンションの魅力に気がつけた
C:ディテールや納まり、素材など、こだわりは多かったようですが「大変だな」と感じたのはどのようなときですか?
Yさん:やはり予算があるので、「こだわるところ」と「諦めるところ」のバランスがむずかしく感じました。いろいろと検討して、床暖房をやめたり、天井だけクロスにするなどしてコストカットをしたのですが「これをやったらどのくらい高くなるか」が自分でわからないため、その都度見積りを出してもらうことに。少し大変でしたが、自分たちで納得してコストバランスを考えることができたのでよかったです。
また寸法やカラーを細かく指定したとき、デザイナーさんはその度に私たちが「なぜそうしたいのか」を理解して、よりブラッシュアップしたプランをご提案くださいました。カウンターの強度など建築面でのサポートもあり、頼るべきところは頼ってよかったと感じています。
C:最後になりますが、ワンストップリノベーションを利用してよかった点を教えてください。
Mさん:理想の物件に出会えたことです。CRAFTの不動産担当の方と一緒に「リノベーション前提」でいくつもの物件を見たからこそ、このマンションの魅力に気付けました。そうした背景がなかったら、この物件を見逃していたかもしれません。
リノベーションのプランも大切ですが、その前段階の物件探しはもっと大切。私たちの理想の暮らしを叶えられるマンションに出会うことができて、本当によかったです。
インタビュー後記
ご自身のライフスタイルや好みがはっきりとしていたMさんご夫婦。「リノベーションで理想の暮らしを叶えたい」と、CRAFTと一緒にイメージ通りにリノベーションできる物件を探しました。そうして手に入れたのは、ゆたかで心地よいお住まい。シンプルだけどクールで、でもどこかあたたかい。そんな絶妙なニュアンスがご夫婦の暮らしにフィットしているようです。
今の暮らしに心から満足しているというからこそ、「よい物件に出会うことが何よりも大切」というMさんの言葉に、強い説得力を感じました。
こちらの詳しいプランは、デザインリフォーム・リノベーション事例 #21074をご覧ください。
<著者>中野 瀬里乃
大学卒業後、出版社・フリーライターを経て、2013年リノベーション会社CRAFTへ入社。自社HPやオウンドメディアにてリノベーション・不動産・建築・インテリア関連の事例紹介やコラムを多数執筆。