物件データ
マンションでふたり暮らしをされているSさんご夫婦の趣味は、アンティークの本や雑貨を集めること。「好きなものに囲まれて暮らしたい」と、クラフトでデザインリフォームすることにしました。アイアンやタイルを用い、アンティークな雰囲気とモダンさを感じられる空間としています。玄関からLDKまでの床は同じタイルを連続させ、リビングに設けた書斎はヘリンボーン張りに。壁と天井はルナファーザーという塗装用下地壁紙に塗装し、一部をモールテックスに。絵画やグリーンなど飾ったものが引き立つよう、仕上げの素材にこだわりました。表情豊かなテクスチャーは、どこを切り取ってもフォトジェニックです。
ガラスで家全体がゆるやかにつながる
ふたり暮らしのため、間取りは「LDKと書斎と寝室があればいい」とご希望。そこで、リビングの一角にガラスの室内窓で仕切りった書斎を設け、寝室だけを独立させる形に。その他のスペースはガラスを多用し一部を開口するなど、連続性を持たせました。重厚なデスクの奥に見える、書斎の本棚に並ぶ美しい本たちもインテリアのひとつ。玄関サイドのギャラリーも同様に室内窓で仕切り、ガラス越しに趣味のアイテムを見て楽しめるようにしています。各部屋を完全に閉じるのではなく連続させることで、家全体の広がりを感じられるように。
名作家具がなじむ
落ち着いたリビング
リビングは、ご夫婦が愛用されてきたアルネ・ヤコブセンのアントチェアや、名作と名高いエッグチェアなどの北欧ビンテージ家具がなじむ空間に。床やキッチンなどに落ち着いた色を使い、大人がくつろげる雰囲気に仕上げました。またキッチンはシンクとコンロのキャビネットが並列したⅡ型とし、シンクの横にダイニングテーブルをレイアウト。料理の配膳や片付けもスムーズで、暮らしやすさも実現しています。
コントラストが際立つキッチン
シンク手前収納とキッチン奥のカウンターは、ダークグレーで統一。モダンでクラシカルな印象を与えます。カウンターの天板はグレーとし、窓側まで伸ばしてディスプレイスペースを確保。その上部にはピクチャーレールを設け、お気に入りの絵画や作品を飾ることができるようにしました。背面は白いサブウェイタイルのアクセントウォールとし、レンジフードは黒を採用。引き締まった印象で、キッチンの存在を際立たせています。
印象的なリビング
窓際にはグリーンを飾れるよう、アイアンのハンガーパイプを2本設置。正面の壁には、絵画を飾れるようにピクチャーレールを。そのすぐ手前にはライティングレールを取り付け、ハンドメイドのペンダントライトを2つ配置しました。壁やローボードにディスプレイしたアイテムを、効果的に照らしてくれます。
クラシカルなヘリンボーンの床
リビングの一角に設けた約5畳のコンパクトな書斎。床はクラシカルなヘリンボーン張りとし、リビングとの境目には真鍮を採用。コンセントプレートやスイッチプレートも同じ素材で合わせました。造作したデスクの前には室内窓を設け、開かれた空間に。背面の壁には、大きなダークグレーの本棚を造作しています。まるで舞台に作られたセットのように、ご夫婦のお好きな世界観があふれた書斎となりました。
夫婦の会話を遮らない
特注の大きな室内窓
リビングと書斎の間にはドアを設けず、大きな室内窓で緩やかに間仕切り。外の景色やご夫婦での会話が、書斎にいてもたのしめます。室内窓は、スリムなスチールのフレームとガラスでオリジナルで製作しました。資料などの本を広げながらパソコンが使える大きなデスクは、リビングが視界に入るようにレイアウト。左側の本棚にはサイズの違う本を収納できるよう、3パターンの奥行きを設けました。
玄関サイドにギャラリースペース
玄関横の部屋は壁や扉をなくし、オープンのギャラリースペースに。リビングの書斎と同じ室内窓で仕切り、統一感をもたせました。ダークグレーで塗装したスチールフレームは、モールテックスの壁との相性も良く、スタイリッシュな印象を与えてくれます。その室内窓に面して小さなカウンターを設け、書き物をしたり、絵画や小物を飾ったりとフレキシブルに利用できるように。
リビング〜廊下〜LDKの連続性
リビング〜廊下〜LDKにかけては同じタイルを連続させています。格子のガラスの入口ドアを通して、ひとつの空間のようなイメージに。また、テラスに面したリビングの明るい自然光を玄関へ届ける役割も果たします。左の壁は、建具の位置を検討しながら3mの幅を確保しギャラリースペースとしました。ピクチャーレールを設置し、天井のダウンライトは首振り角度を調節できるタイプのものを設置。壁面に飾った絵画を効果的に照らし出します。
モノトーンのトイレ
トイレは、ご夫婦がお気に入りのショップをイメージ。床にはグレーのヘキサゴン（六角形）タイルを貼り、白いサブウェイタイルを腰壁、壁は黒に。トイレ内に設けた洗面台も同じく白と、濃い色合いの木目柄とすることで、空間全体をモノトーンでまとめました。シンプルなペンダントライトもアクセント。クールな印象でありながらあたたかみも感じさせる、居心地のよい空間となりました。
レトロモダンなパウダールーム
床にはレトロモダンなモノトーンのタイルを使用。洗面台も白をベースとしつつアクセントに黒の取っ手を採用しています。下部の引き出しや扉にはモールディングで凹凸を施し、クラシカルな印象に。収納を兼ねた3枚の鏡や使いやすい場所に設けたリネン収納など、使い勝手も考慮しました。