デザインリフォーム・リノベーションのクラフト

リフォーム・リノベーションデザイン事例 #20278 目黒区

物件データ

所在地:東京都 目黒区 / 家族構成:夫婦+子ども2人 / 築年数:42年 / リフォーム面積:303㎡ / 工期:8ヶ月 / 費用:-万円

BEFORE
BEFORE
AFTER
吉村順三建築の趣を残して

吉村順三氏が設計したご実家を譲り受け、クラフトでデザインリフォームしたSさん。ご依頼は離れに続く2回目で、今回は思い出が詰まった家の持ち味を残しつつ、300㎡を超える空間をすべて活用できるように一新しました。玄関は階段室と一体にしたのびやかな空間に。らせん階段は塗装し直し、踏み面に無垢板を張って意匠性をより高めました。LDKはリビング・ダイニング・キッチン・家事室がそれぞれに独立していましたが、ゆるやかにつなげて大空間のLDKに。庭の木々を障子越し眺めることができるファミリーダイニングと、アウトサイドリビングとつながるメインダイニングを使い分けできる間取りに。玄関からLDKの窓際まで続く床にはタイル、薪ストーブ背面の壁にはレンガタイルを、LDKの床にはヨーロピアンオークのフローリング、一部の天井はレッドシダーの板張りとし、質感の異なる素材が調和する心地よい空間に仕上げています。

BEFORE写真

家全体の断熱・遮熱性を向上
配管も交換して住まいの性能をアップ

築40年を超える鉄筋コンクリート造とあって、冬の寒さや夏の暑さが課題でした。そこで、断熱材を全体的に充填し、窓ガラスとサッシをすべて交換。屋根は下地の野地板を二重にして通気層をつくり、遮熱シートを入れる方法で断熱・遮熱性能を高めました。また、床下の配管は当時最先端だった全館空調が中心でしたが、交換のタイミングに。今回のリフォームで個別にメンテナンスをしやすいエアコンに更新し、古い配管は撤去しました。住まいの性能を見直すことで、新築のように快適な住まいに一新しています。

LDKが一体の大空間

独立していたリビング・ダイニング・キッチン・家事室をゆるやかにつなげ、大空間のLDKに。廊下がなく空間を余すところなく使える間取りはそのまま活かしながら、ゆったりと過ごせる空間をデザインしました。LDKのどこで過ごしていてもテラスの木々が自然と視界に入り、心癒されます。

玄関とリビングにつながりを

玄関ホールからリビング入り口の下がり天井にかけて、赤褐色の濃淡が美しく存在感のあるレッドシダーを板張りに。仕切りをガラス扉とすることで、らせん階段をリビング側から見せるとともに、板張り天井の連続性が視界に入るように。玄関とリビングがひと続きの空間であることを感じさせています。

薪ストーブのあるリビング

もともと暖炉があったリビングには、Sさんのご希望で薪ストーブを設置。暖炉が主に周囲を暖めるのに対し、薪ストーブは家全体をじんわりと暖めてくれます。床にはタイルを、背面の壁にはレンガタイルを貼り、薪ストーブの熱から家を守りつつ、空間のアクセントにしています。

アウトサイドリビングの開放感

ダイニングの先にはかつて日本庭園風の庭が広がっていましたが、フルオープンサッシにして、ダイニングと気軽に行き来できるアウトサイドリビングをデザインしました。ダイニングの窓側からアウトサイドリビングにかけての床は、グレーグリーンのタイルで統一。軒天は木目で邸内と雰囲気を揃え、ひと続きの空間であることを視覚的に強調しています。

kitchenhouseのキッチン

奥さまのお気に入りだというキッチンは、離れをデザインリフォームしたときと同様、kitchenhouseでオーダー。コンロの下部にはガスオーブンを、サイドにはGAGGENAUの鉄板プレートを設置し、Mieleの食洗機も備えています。ダイニングテーブルもキッチンに合わせて製作し、サイドにはワインセラーを、机上に卓上IHヒーターを埋め込みました。鍋料理などに愛用しているそうです。

内と外をつなぐインナーテラス

床はウール100%の足触りがよいカーペット、壁はイタリア産のタイル、勾配天井はリビングと同じレッドシダーの板張りで仕上げ、上質な素材に囲まれた心地よい寝室に。十分な広さがあるため、日当たりがよい南側の一部はインナーテラスとし、構造の検証を行ったうえで屋根に天窓を新設しました。断熱材の充填や窓ガラスとサッシの交換とともに、内と外をゆるやかにつなぐ空間を設けることで冬の寒さや夏の暑さを解消。快適に過ごせます。

屋根裏をセカンドリビングに

屋根裏は納戸として使用されていましたが、勾配天井に合わせて段差を設け、腰かけてテレビを観ながらくつろげるセカンドリビングに一新。背面の壁一面に設けた本棚は扉付きで、シンプルな白い壁のように見せました。薪ストーブの煙突サイドの壁は、リビングと同じレンガタイルで仕上げています。

ゲストルームは和のしつらえに

玄関サイドの格子戸を開けると、そこは和室にしつらえたゲストルーム。畳を敷き、壁は左官仕上げ、天井は竿縁天井とし、正面は床の間に。障子を開けると庭に面した広縁が現れます。静謐な和の空間で都会の喧騒を忘れ、ホッとひと息つけるような、居心地のよい空間に仕上げました。

モダンで重厚感のある玄関ホール

玄関とシンプルな階段ホールで構成されていた空間を、一体にして伸びやかに。床はタイルを、天井やTime&Styleにオーダーした玄関収納は存在感のある木で仕上げ、モダンで重厚感のある空間を演出しました。どちらもリビングと同じ素材を使用することで、邸内に統一感をもたらしています。

思い出をそこかしこに宿して

ダイニングとひと続きのアウトサイドリビングは、風を感じながら食事やティータイム、時にはお酒も楽しむ場所に。庭には建築当時に植えられた木や、この家で長く使われていた踏み石を残しました。当時に思いを馳せながら、ゆったりとくつろぎのひとときを過ごせます。

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