物件データ
ご実家を引き継ぎ、二世帯住宅としてデザインリフォームをしたお施主さま。1・2階と3階で世帯を分けました。スケルトンリフォームをした1・2階は、構造計算の上でRCの壁を撤去し、ひと続きの伸びやかな空間に。バルコニーに面した明るい場所をフリースペースとし、リビング・ダイニングにも自然光をできるだけ奥まで取り込めるよう、Rの壁を向かい合わせに配置。R部分を光沢のあるイタリアンスタッコ仕上げとすることで、奥までやわらかな光を導いています。また、1階の書斎は庭と向かい合うようにデスクをレイアウト。寝室には地窓を設け、邸内から庭の景色をたのしむことができるようにしました。
戸建てならではのアクティビティをたのしむ
テラスや庭のある暮らしは、戸建て住宅の大きな魅力。屋外でバーベキューができるようにシンクを設置したり、テラスはドッグランのように使える動線にしたりと、海外での生活が長いお施主さまの暮らしに寄り添う空間をデザインしました。また、断熱材を施工していなかった外壁には発泡性ウレタンを全面に隙間なく吹き付けるなど、住宅性能もアップしています。
閑静な住宅街になじむ佇まい
モダニズムを感じさせる外観が引き立つように、外壁は白で塗装し、らせん階段や手すりなどスチール部分は黒で塗装してアクセントに。グリーンとのコントラストも意識しました。1階の室内との連続性を演出するため、床には室内の床材に色が近いダーク系のタイルを貼り、庭の傾斜に合わせて段階的に白いタイルへ切り替え。段差には間接照明を入れ、夜はライトアップもたのしめるようにしています。
Rの空間にフィットする家具
R(曲線)の壁で構成した部屋の形状に合わせて、リビングのソファは鈍角にセットできるMinottiのSEYMOURを、ダイニングテーブルはTom Faulknerの大理石のラウンドテーブルを、上部のペンダントライトは吹きガラスのような意匠が印象的なMELTをセレクトしました。変形した間取りにフィットするとともに、レザーや大理石といったさまざまな表情や質感の素材が調和し、心地よい空間を作り上げています。
ゆるやかなカーブを描くカウンター
2階のキッチンはkitchenhouseでオーダー。手前に立ち上げたダイニングカウンターはゆるやかなカーブを描くことで、リビング・ダイニングのR壁とリンクさせています。カウンターチェアはPoltronaFrau、上部のペンダントライトはLEE BROOMのシルバーのFulcrumを採用。ベージュ系でまとめたシックな空間にモダンな家具や照明がマッチしています。
テレワークは特等席で
1階の和室はテレワークスペースに。窓の先にテラスと丹精な庭が広がる環境を最大限に活かせるよう、窓向きにデスクをレイアウトしました。庭の景色を眺めながら在宅ワークをこなしたり、テレビでスポーツ観戦をしたりと、くつろぎながら仕事や趣味を楽しめる快適な空間です。
地窓から庭を望む寝室
1階の主寝室とした場所は、元々は書庫として使われていたため、暗く閉鎖的な印象でした。そこで躯体壁を撤去し、地窓を設けることで庭の景色をたのしめるように。明るさや開放感も高めました。床には足触りがよいグレーのカーペットを張り、素足でも快適に。地窓から見える砂利との調和も意識しました。
生活動線をスムーズに
1階はセカンドリビング~洗面室~浴室・WIC~寝室と回遊できる間取りに。洗面室は脱衣室や洗濯機置き場も兼ねたスペースで、洗濯や着替えがスムーズにできる生活動線としました。洗面台の天板はダークグレーの人造石で、正面の壁も同じ素材に。モノトーンのスタイリッシュな空間です。
2つの玄関を使い分け
二世帯住宅とするにあたり、勝手口として使用していた1階の出入り口を1・2階世帯の玄関ホールに。以前からメインの出入り口としていた2階の玄関ホールは、3階世帯やゲストが主に使用する場所としました。2階のLDKと同様に、床にはグレーの大判タイルを、壁や天井にはグレーのクロスを貼り、シックで統一感のある空間に仕上げています。
モダンで上質、清潔感のある庭に
ご両親が和風庭園として設えていた庭は、室内から見たときの眺望も考慮しながら、クラフトがデザイン監修。既存の大きな庭石を利用し、その奥を芝生の庭に、隣家との境には無垢デッキ材のフェンスを設けてアイストップとしました。広い庭が単調にならないよう、敷地の段差の等高線に合わせてゆるやかなカーブを描かせ、2階リビング・ダイニングのRの壁のようなやわらかなイメージに。タイマー付きの灌水システムを導入し、自動で植栽の水やりができるようにしたこともポイントです。