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住宅密集地に建つ重量鉄骨造の3階建て・3層住宅は「光が入らず日中でも室内が暗い」「風通しがよくない」といった悩みを聞くことがあります。しかしリフォームでは、これらを解決することができます。
この記事では、重量鉄骨造の3階建て・3層住宅リフォームのメリットや特徴、実際のリフォーム事例をご紹介します。
重量鉄骨造とは
「重量鉄骨造」とは、柱や梁に厚さ6mm以上の鉄骨を用いた建物のことです。同じ鉄骨造でも、厚みが6mm以下の鉄骨を使った建物は「軽量鉄骨造」となります。
重量鉄骨造の構造には「ラーメン構造」と「ブレース構造」の2種類があり、構造自体が違うため、リフォーム・リノベーションの自由度が変わってきます。
リフォーム・リノベーションの自由度が高いのはラーメン構造ですが、ブレース構造もブレースを露出させるなどの工夫することによって理想の間取りに近づけることが可能です。
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重量鉄骨造の3階建てリフォームの特徴・メリット
リフォーム・リノベーションを検討したとき、「どんなことが実現できるの?」と考える方も少なくないようです。ここからは、重量鉄骨造の3階建てリフォーム・リノベーションの特徴やメリットについて解説します。
〈1〉自然光を取り込んで明るい部屋にできる
住宅密集地にある3階建て・3層住宅の場合、隣家がすぐ近くに隣り合っていることで室内に光が入らず「部屋が暗い」とお悩みのケースも少なくありません。3階建て・3層住宅のリフォームでは、以下のようなさまざまなプランにより、自然光の入る明るい住まいにすることができます。
- ・吹き抜けと天窓(トップライト)を設けて採光を確保する
- ・家族が集まるリビング・ダイニングを日当たりのいい3階にレイアウトする
- ・住まいの中心に中庭を作り、全フロアに光と風が届くようにする など
家族のこだわりや希望に合わせて、最適なプランを取り入れましょう。
〈2〉風通しをよくできる
風通しが悪いと、洗濯物が乾きにくい、熱がこもる、カビが発生しやすいなど多くのデメリットがあります。また、鉄骨を使用する鉄骨造の住宅はサビに弱いため、湿気や結露対策は非常に重要です。家全体の風通しをよくすれば、風を感じながらさわやかな気分で生活が送れるだけでなく、建物自体の寿命を延ばすことにもつながります。
〈3〉二世帯住宅にリフォームしやすい
3階建て・3層住宅は3つのフロアに分かれており、床面積も十分確保できるため、二世帯住宅にリフォームしやすいこともメリットです。一般的には、階段を使わなくて済む1階部分を年配のご家族のための居住スペースにして、2階と3階は子世帯の居住スペースとすることが多くあります。2階建てに比べて住空間が広がるため適度な距離感を保ちやすく、それぞれのライフスタイルに合わせた生活が送ることができます。
〈4〉店舗・賃貸・SOHOなどにできる
3階建て・3層住宅のリフォームではさまざまなことが実現できます。例えば、1階を店舗としたり、賃貸スペースとして貸し出すといった使い方も可能です。また、近年は新型コロナウイルス感染症の影響もあり、自宅で仕事をするテレワーク・リモートワークという働き方が広く浸透しました。そこで、SOHO(Small Office Home Office)で仕事をする人も増えています。
自宅に仕事のためのスペースを設けることで「より仕事に集中できるようになる」「仕事とプライベートの区別がつけやすい」「通勤時間を節約し、家族と過ごす時間を増やせる」といったメリットがあります。
〈5〉最上階をアウトドアリビングにできる
3階建て・3層住宅ならではの高さを活かし、最上階に見晴らしのいいアウトドアリビングを設けるといったリフォーム・リノベーションも可能です。アウトドアリビングとは、リビング(室内)とテラス・バルコニー・庭(屋外)を緩やかにつなげて、リビングのように使用する空間のこと。
外にあるということで、室内のリビングとはまた違った楽しみ方ができることが魅力です。ガーデニングやバーベキュー、子どもやペットの遊び場、手軽にキャンプ気分が味わえるベランピングなど、アイデア次第でさまざまな楽しみ方ができます。
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〈6〉新築(建て替え)の1/2の費用でリフォームできる
重量鉄骨造のリフォーム・リノベーション費用は、新築(建て替え)に比べるとおよそ1/2~1/3ほどに抑えられるということもメリットです。解体や撤去にかかるコストを抑えた分、最新設備や素材、間取りやデザインにこだわったリフォームが可能です。
ただし、築年数が古く、雨漏りや結露によってサビが発生している場合、補修費用がかかることもあります。倒壊リスクを避け、長く安心して暮らし続けるためにも、事前に入念な調査を行い、必要に応じて防錆対策や構造躯体の補強を行うことが大切です。
〈7〉今の住宅の悩みを解決できる
「家の中が寒い」「隣の家の生活音が気になる」といった悩みも、リフォーム・リノベーションによって対策できます。断熱性や気密性を高めるリフォーム、耐震補強、防音リフォームなどによって今の住宅の悩みを解決すれば、より住み心地のいい快適な家をつくることが可能です。
〈8〉広い空間を確保できる
分厚い鋼材を使用した重量鉄骨造の建物は非常に丈夫なため、柱と柱の間隔を広く取るなど、広い空間を確保できることが特徴です。家族が集まる広々としたリビング・ダイニングや開放的な吹き抜け、ビルトインガレージなども実現できます。
〈9〉間取り変更の自由度が高い
重量鉄骨造の建物の中でも、柱と梁で建物を支える「ラーメン構造」は特に間取りの自由度が高く、壁の配置を自由に決めたり、壁を取り払って部屋を広くするといったリフォーム・リノベーションが可能です。他の構造では難しいこともある、大きな窓の設置もできます。
CRAFTの重量鉄骨造3階・4階建てのリフォーム事例
ここからは、CRAFTの重量鉄骨造の3階・4階建てリフォーム事例をご紹介します。
〈リフォーム事例1〉のびのび暮らせる二世帯住宅に
自宅兼事務所として使われていた3階建ての物件を、ご夫婦、お子さま3人、お母さまの家族6人で暮らせるように二世帯住宅にリフォームしました。
光や風を室内に取り込めるよう、2階のLDKにバルコニーを新設。住宅が密集した場所にあることから、ウッドフェンスを設けることで外からの視線が気にならないよう工夫しました。階段の脇に設けたガラス窓、吹き抜け、バルコニーの窓から差し込む光によって玄関にも明るい光が届き、家の中を風が吹き抜ける心地よい空間になっています。
〈リフォーム事例2〉1階を店舗、2〜3階を住まいに
鉄骨造の3階建て物件を購入し、1階をペットサロン、2〜3階を住まいにリフォーム。ご自身も4匹の愛犬と暮らしていることから、自宅部分に犬用階段やケージを置けるスペースを設けるなど、こだわりを詰め込みました。
〈まとめ〉3階建てリフォームで開放感あふれる住まいに
3階建て・3層住宅は吹き抜けや中庭を作るなどによって光や風を取り込むことができ、住まいの快適性を高められます。3層あるため店舗や二世帯住宅にするなど、大胆なリフォーム・リノベーションもでき、ライフスタイルに合わせた暮らしが実現可能です。
CRAFTでは、プランのご提案時に完成イメージがわかるCGやVR(バーチャル・リアリティ)を制作しています。「3階建ての我が家がどんな風に変わるか想像できない」という方も、映像によって完成をイメージしていただけます。まずはぜひお気軽にお問い合わせ・ご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。