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毎月家賃を払い続けるのなら、マンション購入に踏み切ったほうがよいのでは…と思ったことはありませんか? 一人暮らしでマンションを購入するには、どのようなことに気をつければいいのでしょうか。メリット・デメリットや物件探しの注意点、一人暮らしのマンションリノベーション事例を解説します。
一人暮らしでマンションを購入する人はどれくらい?
マンションを購入する人のうち、一人暮らしの人の割合はどれくらいなのでしょうか。住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査(PDF)」によると、2020年度にフラット35の住宅ローンを利用してマンションを購入した人のうち、およそ5人に1人が単身者でした。
一人暮らしのマンション購入のメリット
家賃と同等の出費で購入できる
マンションのグレードや立地条件にもよりますが、毎月支払う家賃と同等のローン返済で購入できることが少なくありません。賃貸住宅にずっと家賃を払い続けても自分の資産になることはありませんから、「それならば購入に踏み切ろうかな」と考える人が多いようです。
また、住宅ローンを完済すれば、毎月の住居費は修繕積立金や共益費のみとなり、負担が大幅に下がります。
好みの内装や間取りにできる
賃貸住宅は原則的に原状回復義務があるため、自由にリフォームすることはできません。また、コストを抑えるために内装や設備のグレードは低めとなっていることが多いです。
マンションを購入すれば、一人暮らしのライフスタイルや好みのインテリアに合わせて、内装や設備にこだわったリフォームができます。フルリノベーションで間取りを自由に変え、新築同様に一新することも可能です。
セキュリティが高いマンションで安心して暮らせる
価格帯にもよりますが、分譲マンションの多くは一般的な賃貸用マンションに比べて設備グレードが高めです。オートロックや防犯カメラの完備、管理人常駐といった、セキュリティ面に優れたマンションが多くなっています。
老後に備えることができる
近ごろ、賃貸住宅における高齢者の入居拒否が問題になっています。大家さんにとっては単身高齢者の入居者は高リスクと判断されることがあるためです。もちろんすべての賃貸物件で単身高齢者が敬遠されるわけではありませんが、人気が高く入居希望者が多いマンションであれば、審査に通らない可能性は上がります。
マンションを購入すれば、終の棲家としてずっと暮らせるという安心感を得ることができます。また、住宅ローンを完済すれば、収入が減る老後の住居費を大幅に軽減できます。
一人暮らしのマンション購入のデメリット
ライフスタイルが変わる可能性がある
もしも将来的に家族構成やライフスタイルが変わったとき、一人暮らしで購入したマンションの広さ・機能性・間取り等が新しい暮らしに合わなくなる可能性があります。
気軽に住み替えることができない
賃貸住宅であれば、収入が減ったときに家賃の安い物件に引越して住居費を下げたり、転職したときに勤務先に近いエリアに引越したりすることができますが、持ち家の住み替えはハードルが高めです。
ローン返済中のマンションを売却したり、賃貸に出したりすることも可能ですが、ある程度の手間と時間がかかるため、賃貸住宅のように気軽に住み替えることはできません。
固定資産税を支払う必要がある
不動産(土地および建物)を所有している人は、その評価額に応じて、固定資産税および都市計画税を毎年支払う必要があります。建物部分の固定資産税額は築年数の経過とともに下落していきますが、下限が定められているためゼロになることはありません。
一人暮らしでマンションを購入する際のポイント
資産価値が高い物件を選ぶ
一人暮らしのマンション購入のポイントは、将来的なライフスタイルの変化を考慮して、売りやすい・貸しやすい物件、つまり資産価値が高い物件を選ぶことです。
一般的にマンションの資産価値は築年数の経過とともに下がっていきますが、築古でも人気が高く、価格が下がりにくい物件もあります。資産価値が高いマンションを選ぶためには、最寄り駅から近いこと、周辺環境の充実、景観の良さ、治安の良さ、建物の安全性などを重視しましょう。
リノベーションしやすい物件を選ぶ
一人暮らしのライフスタイルに合わせたこだわりの住まいにリノベーションできるよう、水まわりの移動や、壁の撤去がしやすいマンションを探しましょう。建物の構造や管理規約の内容によっては、プランニングに制限が生じるケースもあるため注意が必要です。CRAFTでは不動産担当と設計担当が同行し、希望のリノベーションがどこまで実現できるかをお伝えします。
一人暮らしのマンションリノベーション事例
パークサイドのマンションで一人暮らし
緑豊かな公園の傍らにある、築50年のマンションを購入したMさん。住み替えの大きな理由は、「保護犬と暮らすため」でした。引越しが大好きというMさん、こちらの物件は2度目のリノベーションで、前のマンションも良い条件で売却できたそうです。
もともとは3Kでしたが、空間が一直線につながる開放的なワンルームへ間取りを一新。間仕切りの代わりに、床の高さや素材を変えることで空間をゾーニングしています。
玄関を中心に、ワークスペースとリラックススペースを左右に振り分けた間取り。こだわりのポイントとして、キッチンの目隠しにオークのパネルを採用し、そのぶんキッチン本体は既製品とすることで、コストバランスを図っています。
ブルックリンスタイルの一人暮らし
駅近マンションの角部屋をご購入し、リノベーションしたAさんの事例です。画一的な間取りや素材が好きではないことから、新築物件ははじめから選択肢になく、リノベーション前提に中古マンションを購入すると決めていました。
当初はご自分で物件を探していましたが、条件に合うマンションはなかなか見つからなかったそうです。時を同じくしてリノベーション会社を探していたことからCRAFTに出会い、物件探しからお手伝いすることになりました。
古材のバーカウンター、不揃いなチーク材を貼った壁、英国製のトグルスイッチといった、無骨な素材感が光るブルックリンスタイルのインテリア。室内窓を通し、リビングからも寝室からも隅田川方面の夜景を臨むことができます。お酒や料理、ギターやファッションなど、多彩な趣味をお持ちのAさん。こだわりの住まいで、充実した一人暮らしを楽しんでいるそうです。
アンティークなタワーマンションで一人暮らし
Hさんは、リフォーム前提で中古のタワーマンションを購入。アンティークな趣やラフな素材感が重なる、個性的な空間に生まれ変わりました。
新しい住まいへのご希望は、広めのリビングと書斎。間取りの見直しにより、廊下などをなくして無駄のない開放的な間取りに一新しています。
玄関からリビングにかけての壁にアンティーク煉瓦を貼り、重厚な柱のように。リビング正面の錆びた鉄板のような特殊塗装の壁は、職人の手作業によるものです。
一段下がった天井には、フローリングと同じボルドーパインの無垢材を貼り、隣接する書斎へのつながりを演出。アンティーク風の趣ある空間のなか、ステンレスパネルを貼ったスタイリッシュなキッチンがアクセントになっています。
まとめ
一人暮らしでマンションを購入する人は、およそ5人に1人。
家賃と同等の出費でマンションを購入することができ、リノベーションでライフスタイルや価値観に合った自分らしい住まいに一新することができます。ローンを完済すれば資産になり、老後の備えとしても安心です。
物件選びのポイントは、将来的にライフスタイルが変わる可能性も考慮して、売りやすく・貸しやすいマンションを選ぶこと。CRAFTなら、将来的な資産価値も見据えた物件探しからリノベーションまで、ワンストップでお手伝いをいたします。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。