目次
高級ホテルのように、静かで凛としたキッチン。その上質さは、色・素材・光・住まい全体の調和から生まれます。この記事ではCRAFTの実例をもとに、ホテルライクなキッチンを叶えるデザインの考え方と、設計のコツをご紹介します。
ホテルライクなキッチンを叶える4つのデザインポイント
ホテルライクなキッチンの実現のカギは、要素の足し算ではなく、空間からノイズを削ぎ落としていくこと。ここでは、上質な佇まいを生み出す4つのデザインポイントを紹介します。
色を絞り込む
ホテルライクな空間づくりの第一歩は、使う色数を絞ること。扉や天板、金物のトーンを揃えて視覚的な情報量を減らしましょう。色を引き算することで、素材そのものの質感や光がつくる陰影が際立ち、空間が洗練されます。
こちらのフルリフォーム事例では、グレイッシュな床材にブラックのキッチンを合わせ、シックな色調で全体を統一。オーダーメイドのアイランドキッチンは、ダイニングカウンターと素材・デザインを揃えて洗練された印象に仕上げました。
素材の質感を重ねる
色を絞り込んだ空間に深みを与えるのが、素材の質感です。マットな塗装、石の目地、木の木目といった異なるテクスチャーを重ねることで、豊かな表情が響き合います。上質な素材は使うほどに味わいが増し、経年さえ味方につけてくれます。
こちらのフルリフォーム事例は、Kitchenhouseのオーダーキッチンの個性的な木目の扉が印象的。ナラのリブパネルや栗の木の挽板、珪藻土の壁など、異なる質感を随所に重ねました。ナチュラルな素材を用いつつも洗練が際立つよう、シャープなシルエットで仕上げています。
間接照明で陰影と奥行きをつくる
ホテルの静けさを支えているのは、光の設計。キッチン全体を煌々と照らすのではなく、光を抑えた空間にすることで、心が鎮まる場所になります。
調理に必要な手元の照度はしっかり確保しつつ、天井や壁の表面をやわらかく照らす間接照明を重ねることで、空間に陰影と奥行きが生まれます。
こちらの別荘は、CUCINAのオーダーキッチンを中心としたLDKに。照明は、ダウンライトと間接照明で構成し陰影をもたらしています。
天井はベネチアンスタッコ仕上げとし、左官ならではの光沢に海面の照り返しが映り込むように。光源を主張させないことで、素材の質感と眺望が引き立つ空間です。
面やラインを揃える
インテリアを引き締めるコツは、面とラインを整えること。扉の目地、天板の厚み、収納の高さなど、水平・垂直のラインが揃うと、空間に心地よい緊張感が生まれます。
素材を大きな面でとらえつつ、細部の連続性まで意識することが、ホテルライクな端正さの決め手です。
こちらのリフォーム事例では、吊り戸棚をあえて設けず、石目模様のタイルを大きな一枚の面として見せています。キッチンからリビングへと続く天井には木のパネルを配し、長手方向を強調。視線が抜ける伸びやかな空間に仕上げました。
ホテルライクに仕上げる4つの設計のコツ
ホテルライクなキッチンを設計する際は、海外の住宅やホテルの空気感を参考にしながらも、日本の住まいに合った素材や寸法、使い勝手へ落とし込むことを大切にしています。
上質な素材を使うだけでなく、光の当たり方や陰影、素材同士の組み合わせまで丁寧に考えることで、空間全体の上質感を生み出します。また、完成した瞬間だけでなく、5年後、10年後も美しく使い続けられるよう、素材選びやディテールにもこだわっています。
CRAFTデザイナー 鹿討
ここでは、CRAFTが実際の設計で大切にしている4つのコツを、設計担当の視点とともにご紹介します。
LDK全体でデザインを計画する
色調や素材のトーンを、キッチンだけではなくLDK全体でとらえます。キッチンのデザイン、床や天井の素材、窓の外の眺めまでをトータルで計画しましょう。
キッチン単体をデザインするのではなく、ダイニングやリビングまで含めて、一つの空間として美しくつながることを大切にしています。(CRAFTデザイナー 鹿討)
収納の工夫で生活感をなくす
ホテルライクな佇まいを保つ最大のカギは、収納計画。家電からゴミ箱まで、生活感の出やすいもののしまい場所を設計の段階で決めておきましょう。パントリーを設ければ、買い置きや季節用品もすっきり収められます。
設備機器の存在感をできるだけ抑え、家具のように空間へ溶け込むキッチンを意識しています。汎用メーカーのキッチンは設備感が大きく出てしまうので慎重にデザインします。(CRAFTデザイナー 鹿討)
使いやすい動線に整える
毎日使うキッチンだからこそ、使いやすさに難があると生活感はすぐに戻ってくるもの。
複数人での調理、購入した食品ストックをしまう、ゴミを出す、こうした動きを無駄のない動線で完結する設計が、散らからない空間を生み、生活感を整えます。キッチンからパントリーや洗面室へのルートも含め、住まい全体の動線を計画しましょう。
見た目だけをホテルに寄せるのではなく、生活感を自然に整えられる動線や収納まで含めて設計することが、本当のホテルライクだと考えています。(CRAFTデザイナー 鹿討)
マンション・戸建ての構造条件を考慮する
キッチンの位置を大きく動かせるかどうかは、建物の条件に左右されます。特にマンションでは、排水管や換気ダクトの経路が大きな要因になるため、制約を読み解いたうえでのプランの工夫が必要です。
だからこそ、リフォーム実績が豊富な会社に相談することが、後悔しない住まいづくりの近道になります。
ホテルライクなキッチンリフォーム事例4選
ここでは、シンプルモダンから和モダンまで、印象の異なる4つの事例をご紹介します。
シンプルモダンなホテルライクキッチン
タワーマンションをフルリフォームした事例です。約30畳のLDKの中心にあるのは、kitchenhouseにオーダーした幅3mのアイランドキッチン。
MieleのIHクッカーやウォールオーブン、LIEBHERRのワインセラーをビルトインにし、冷蔵庫まで面をフラットに。ハイスペックな設備を備えながらも、端正なシンプルモダンの佇まいに仕上げています。
ナチュラルモダンなホテルライクキッチン
住み慣れたマンションを、ご家族の成長に合わせてリフォームした事例です。kitchenhouseのセパレートキッチンはフルフラットに仕上げ、空間のノイズを抑えました。
シンク側の壁に大理石調の大判タイルを貼り、グレージュベースの空間のアクセントに。玄関とキッチンの間には大型の収納を設け、冷蔵庫やストックをすっきり収めています。
クラシカルモダンなホテルライクキッチン
ご自宅で料理教室を開くために、メゾネットマンションをフルリフォームした事例です。約33畳のサロンには、框(かまち)の意匠がクラシカルなキッチンとカップボードをkitchenhouseでオーダー。
生徒さんから手元がよく見えるよう、フルフラットのアイランド型を選びました。グレージュのやさしいトーンで統一した上品なキッチンです。
和モダン(ジャパンディ)のホテルライクキッチン
木造住宅を、スケルトンリフォームした事例です。縦格子の建具や障子といった和のテイストをベースに、モダンな要素をプラスしました。
キッチンには、最大8人座れるオリジナルのダイニングカウンターをレイアウトして長手方向を強調。上質な木や珪藻土をふんだんに用いた穏やかな空間を、光沢のある黒い天板が引き締めます。
ホテルライクなキッチンリフォームの費用相場の目安
ホテルライクなキッチンは、キッチン単体ではなく、収納・照明・LDK全体を含めて計画することが大切です。下記は、どこまでを工事の対象にするかによる、おおよその費用目安です。
内容 | 一般的な費用目安 |
|---|---|
キッチン本体の交換 | 200万円〜 |
収納・照明・壁面仕上げまで含める | 400万円〜 |
LDK全体をホテルライクにフルリフォーム | 1,000万円〜 |
※素材や広さによって金額は変動します。
CRAFTはフルリフォームを専門としているため、キッチンのみの部分工事は承っていません。住まい全体の設計のなかでご提案しており、費用の目安は40万円/㎡〜となります。
また、ホテルライクな印象を左右するのは、設備そのものだけではありません。扉の色やワークトップの素材、照明との組み合わせなど、細かな要素の積み重ねが空間全体の質を高めます。ショールームで実際に見て触れながら比較すると、完成後のイメージをより具体的に描けます。
*関連記事*
キッチンのショールーム、訪れるべき5選!
ホテルライクなキッチンは、住まい全体の設計から
ホテルライクなキッチンは、キッチンだけを美しくすることで生まれるものではありません。色を絞り、素材の質感を重ね、光で陰影をつくり、面やラインを整える。そして視線・収納・動線まで調和させたとき、非日常の佇まいをまといます。
だからこそ、住まい全体を一体で見直せるフルリフォームが、理想へを叶える近道になります。
間接照明や素材の質感がつくる陰影は、実際に体感してこそ伝わるもの。まずはCRAFT青山ショールームで、上質な素材の手触りや光の設計に触れてみてください。ホテルライクなキッチンの輪郭がきっと見えてきます。
*ホテルライクな住まい全体の事例と空間づくりのポイントを見たい方は、こちら*
ホテルライクなリフォーム13事例。間取り・デザイン・素材選びのポイント








