目次
住まいを大きく一新できるマンション・戸建てのスケルトンリフォームが注目されています。今回はマンション・戸建てのスケルトンリフォームの事例を交えながら、メリット・デメリット、費用の相場などについて紹介します。
(作成日2023.12.18 更新日2024.10.1)
スケルトンリフォーム・リノベーションとは?
内装〜外観まで一新できるスケルトンリフォーム
スケルトンリフォームとは、建物を構造躯体のみに解体し、間取りや内装をイチから作り直すことです。「マンション」は間取りと内装のみ、「戸建て」はそれに加えて耐震補強や防水工事、外観のリフォームも可能になります。新たなコンセプトで新築同様にでき、費用は新築よりも抑えられるといった経済的なメリットがあるため、「新築よりもスケルトンリフォームを選ぶ」という方はここ数年で増えています。
フルリフォームやフルリノベーションとの違い
「スケルトンリフォーム」は「フルリフォーム」「フルリノベーション」と呼ばれることもあります。この3つは基本的には躯体のみに解体し、間取りやデザインをすべて一新する大掛かりなリフォーム。違いはほとんどありません。
スケルトンリフォームの6つのメリット
1.間取り変更で暮らしを大きく変えられる
スケルトンリフォームは既存の壁や床、天井などをすべて撤去し、一旦躯体のみの状態にします。大胆な間取り変更が可能なため、ライフスタイルに合わせた間取りとデザインに一新できる点がポイントです。「これまでとはまったく違う間取りとデザインにしたい」という方には大きなメリットだと言えるでしょう。
2.見えない部分の状態までチェックできる
部分的リフォームとは異なり、スケルトンリフォームは一旦解体するため、配管や配線、構造部分の状態までチェックできます。もし不具合が見つかれば、まとめて修繕することが可能。その都度対応するとコストがかさむため、費用面でも大きなメリットを感じられます。
3.断熱工事や防音工事も行いやすい
断熱工事は、部屋の壁や天井と躯体の間にあるスペースに断熱材を充填するため、壁や天井を撤去するスケルトンリフォームのときに行うのが効率的です。
また、スケルトンリフォームでは間取りを一から作っていくので、間仕切り壁を設置して部屋の防音性を高めたり、防音性の高いドアや窓に変更するなど、防音工事も効率的に行うことができます。
4.購入する物件の選択肢が広がる
スケルトンリフォームを前提で中戸物件を購入する場合は、既存の間取りやデザイン、住宅設備にこだわる必要がありません。既存の間取りやデザインが気に入らなかったとしてもリフォームで解決できるので、物件の選択肢が広がります。
CRAFT ESTATEでは物件の内見に不動産のプロと建築のプロが同行。「理想通りにリフォームできるか」「それにかかる大まかな費用感」、また戸建ての場合は建物の劣化状態もチェックするため、安心して購入をご判断いただけます。物件探しからご希望の方も、お気軽にご相談ください。
5.耐震補強で丈夫な住まいに(戸建てのみ)
戸建ての場合、「耐震性が心配」という方の声も少なくありません。スケルトンリフォームでは耐震性をチェックし、必要があれば基礎のコンクリートを打ち増しや、柱の金物補強なども可能です。これからも安心して暮らせる住まいに一新できます。
6.建て替えよりコストを抑えられる(戸建てのみ)
戸建てのスケルトンリフォームは、建て替えよりもコストを抑えられます。とくに鉄筋コンクリートや鉄骨造のリフォームは、建て替えの1/2程度の費用で済むケースが多く、余った予算を内装や設備に充てて、満足度の高いハイグレードな空間を作ることができます。ただし、木造住宅で躯体が大きく劣化し、建て替えと同程度の費用がかかることも。その場合は、CRAFTでは正直にお伝えしています。
マンションのスケルトンリフォームの3つのデメリット
1.部分リフォームよりも高額になりやすい
スケルトンリフォームは、部分的なリフォームに比べてできることが多い分、費用が高額になりやすいというデメリットがあります。
実際の費用はリフォームの内容や導入する設備によって異なりますが、数千万円単位の費用がかかるので、その点をよく理解した上で資金計画を立てましょう。スケルトンリフォームでやりたいこと、こだわりたい部分の優先順位をしっかりと決めて、コストバランスを図ることが大切です。
2.工期が長くなりやすい
部分リフォームの中には数日で完了するものもありますが、スケルトンリフォームは数ヶ月はかかります。工期はリフォームの内容や部屋の広さによって変わりますが、最低でもマンションなら3ヶ月〜、戸建てなら4ヶ月〜はかかると考えておきましょう。
工事期間がリフォーム会社の長期休暇と重なったり、マンションの管理組合によって工事の時間が厳しく制限されている場合は工期が長くなることも。CRAFTでは事前に管理規約を確認した上で、工期をお伝えします。
3.構造や規約によっては、リフォームの内容が制限される
壁式構造のマンションは、構造壁を撤去できないため、間取りが制限されてしまうケースがあります。また、管理規約によって使用する床材や工事の範囲が決められているるケースも珍しくありません。とくに高級マンションやヴィンテージマンションは、その傾向が高くなります。
戸建ても同様に、鉄筋コンクリート(RC)の壁式構造だと間取りが制限されることも。その場合は構造計算の上、部分的に開口することもできますが、耐震性が低下しないように慎重に行う必要があります。また鉄骨造のブレース構造は壁を撤去しても、ブレースが残るため、インテリアに馴染むカラーで塗装するといった工夫が必要です。
スケルトンリフォームのビフォーアフター事例
マンションリフォームのビフォーアフター
メゾネットマンションをスケルトンリフォーム。吹き抜けに面した2階部分は壁を撤去し、オープンスペースにしました。リビングの壁にタイルを張って天井高を強調することで、開放感を演出しています。
戸建てリフォームのビフォーアフター
倉庫兼住居の「倉庫」スペースをスケルトンリフォーム。天井高を活かしたアップフロアのリビングは、撤去できないブレース(筋交い)でリビングとダイニングをゾーニングしています。
スケルトンリフォームで叶えられること
スケルトンリフォームでは、どのような希望を叶えることができるのでしょうか? 事例とともにご紹介します。
スケルトンリフォームのご希望1「趣味を楽しみながら暮らしたい」(マンション)
【お客さまのご要望】
・リビングでゆったりと過ごしたい
・読書や音楽鑑賞を楽しみたい
・モノをすっきりとしまいたい港区 / 夫婦 / 築14年 / リフォーム面積:132㎡ / 5200万円
多彩な趣味をお持ちのご夫婦。本やCD、ワードローブが増えてきたことをきっかけに、132㎡ のマンションを購入しました。3LDKの空間は、広々としたリビングのある1LDKに変更。洗面室も窓側に移動し、朝の身支度を心地よいものに変えています。小上がりや2か所のライブラリースペースでそれぞれの趣味を楽しみつつ、SICとWICによってパブリックスペースを整頓しやすくしたこともポイントです。
スケルトンリフォームのご希望2「生活動線を改善したい」(戸建て)
【お客さまのご要望】
・家族3人と愛犬でゆったり過ごせるLDKにしたい
・生活動線を改善したい
・大量のDVDを収納したい目黒区 / 夫婦+子ども1人+犬2匹 / 築9年 / リフォーム面積:140㎡ / 4500万円
「LDKが過ごしにくい」「浴室と寝室が離れすぎ」といった過ごしにくさを感じていたことから、フルリフォームを決意。寝室を移動してLDKを大胆に拡大し、縦長の間延びしたイメージを避けるために、壁を立ち上げて背面をDVDライブラリーに。いつも愛犬と過ごせるように、リビングの一角にドッグスペースをレイアウトしています。寝室は移動し、浴室やWICなどのプライベート空間を一カ所にまとめ、生活動線と短縮。寝室~WIC~玄関をつなげ、外出・帰宅の動線をスムーズにしたこともポイントです。
スケルトンリフォームの流れと期間の目安
実際にCRAFTでスケルトンリフォームした場合は、以下のような流れになります。
工程 | 概要 |
---|---|
1. ご相談 | ・現地調査 ・ヒアリング |
2. 基本プランの作成・見積り | ・基本プランの作成 ・概算見積り ・VRの作成 |
3. 設計契約・詳細打ち合わせ | ・設計契約の締結 ・詳細の打合せ ・実施設計図の作成 ・予算調整 ・再見積書の提示 |
4. 工事請負契約・着工 | ・請負契約の締結 ・本着工 ・中間検査 ・完了検査 |
5. お引渡し | ・仕上がりなどの確認 ・設備機器などの取り扱いに関する説明 ・各メーカーの保証書のお渡し ・工事中写真のお渡し |
※設計期間:マンション2ヵ月〜 / 戸建て3ヵ月〜
※工事期間:マンション3ヵ月〜 / 戸建て4ヵ月〜
「この日までに完成させたい」というご希望がある場合は、逆算してできるだけ早めにリフォーム会社に相談しましょう。
スケルトンリフォームにかかる費用の相場
間取りを大幅に変更し、材料と器具をグレードアップ、設備配管や電気配線もすべて交換する「オーダーメイド」のスケルトンリフォームなら
マンション 35万以上/㎡
戸建て(外構含む) 40~50万円/㎡
くらいを見ておくとよいでしょう。
ただし、スケルトンリフォームにかかる費用の相場は、「リフォーム内容」「導入する設備や用いる建材のグレード」「(戸建ての場合)外まわりのリフォームの有無」にも影響されるため、必ずしも上記が該当するとは限りません。CRAFTのスケルトンリフォーム事例を見て「広さ」「リフォームでやりたいこと」に近いケースの費用を参考にする方法もおすすめです。
またCRAFTの青山・自由が丘モデルルームの相談会にご参加いただければ、「費用感」と「リフォームでできること」について、より具体的にお伝えいたします。
スケルトンリフォームの費用を予算内に収める方法
スケルトンリフォームの費用を予算内に収める方法としては、
・リフォームの希望に優先順位をつける
・設備や素材のグレードにこだわりすぎない
などがあげられます。
予算内に収めたいのであれば、「リフォームの希望」に優先順位をつけ、優先順位の高い・低いを明確にしておくようにしましょう。たとえば「リビングなどパブリックスペースのデザインと素材にはこだわりたいけれど、書斎はスタンダードなグレードでよい」などです。
また、設備や素材もこだわるほど費用がかさんでいくため、「こだわるところ」「妥協してもいいところ」など優先順位を決めておくと、後から迷いづらくなります。
スケルトンリフォーム・リノベーションの事例
1. グレイッシュカラーの上品な空間〈マンションのスケルトンリフォーム事例〉
お子さまの独立というライフイベントをきっかけに、お住まいのマンションをスケルトンリフォームした事例です。
独立キッチンと和室を取り込み、広々とした開放的なLDKへ変更。LDKには白とグレーを基調としたカラーを採用したことで、シックで高級感のある空間になりました。
濃いめのグレーが目を引くキッチンはCUCINAでオーダーしたこだわりの品で、キッチンの奥には大容量パントリーとワインセラーも設けています。
2. どこにいても家族の存在を感じる住まい〈マンションのスケルトンリフォーム事例〉
お子さまの進学に合わせて購入したマンションを、家族がゆったりと過ごせる住まいにスケルトンリフォームした事例です。
家族が集まるLDKは30畳の広さを確保。フローリングや折り上げ天井にはナラを採用し、温もりを演出しました。
キッチンとダイニングテーブルは横並びにレイアウト。ブルーブラックのCUCINAのキッチンにダイニングテーブルを連続させ、壁面収納も同じくCUCINAでオーダー。生活感のない、シックな大人の住まいに一新しました。
1.緑を望む伸びやかなリビング〈戸建てのスケルトンリフォーム事例〉
築22年の中古の戸建てを購入し、二世帯住宅にフルリフォームした事例です。
リビング・ダイニング・キッチンが分かれて窮屈なイメージだったため、壁を撤去し開放感あふれるLDKに。テラスのグリーンが空間をあざやかに彩ります。
床はオーク、壁は国産の白河石と、上質な素材にこだわりました。arflexのダイニングテーブルなどモダンなアイテムが調和する美しい住まいとなっています。
2.やわらかな曲線のモダンな住まい〈戸建てのスケルトンリフォーム事例〉
お子さまの独立をきっかけに、長年お住まいのご自宅をスケルトンリフォームした事例です。
リビング側はルーフバルコニーを取り込み、スペースを拡大。建築確認申請の上で増築をしています。リビングはダウンフロアとし、ダイニングから続く空間をゆるやかにゾーニング。段差をR(曲線)とすることで、やわらかな印象をもたらしました。
スケルトンリフォームを成功させるコツ
スケルトンリフォームを成功させるなら、かならずスケルトンリフォームの実績豊富な会社に依頼しましょう。スケルトンリフォームは複雑な工事を伴うため、、「スケルトンリフォームの経験と知識がどれだけあるか」が大切です。また、設計・施工それぞれのプロが社内に在籍するCRAFTのような「自社設計施工」のリフォーム会社も、安心感があります。複雑な工事を伴うスケルトンリフォームですが、設計部と工事部がコミュニケーションをとりながらスムーズに進めることができます。
さらに、実際にスケルトンリフォームしたモデルルームがあれば、ぜひ見学しましょう。「スケルトンリフォームで何ができるか」「その会社にどれほどの技術があるか」がわかります。
CRAFTでスケルトンリフォームしたお客様の口コミ5選
実際にスケルトンリフォームしたお客さまの声を、一部ご紹介します。
相談会でイメージが膨らんだ
ホームページのデザイン事例が好みだったので、青山モデルルームの相談会に参加。間取り図を見ながら「どんなリフォームができるか」「それにはどのくらいの費用がかかるか」を話してくれました。リフォームの希望だけでなく、私たちの趣味や将来のライフプランについて聞いてくれて、イメージがより具体的に。同日にモデルルームを見学できたのもよかったです。提案時のCGと、完成後がほとんど同じだったことにも驚きました。
40代女性 / マンションリフォーム /3800万円
建物の状態をしっかりチェックしてくれた
築40年になっていたので「リフォームして、本当に長く暮らせるのだろうか」と当初は不安に思っていました。しかしCRAFTさんが建物の状態をしっかり見て、構造躯体の劣化や耐震性、水漏れについて「どのような補強方法があり、どのくらいの費用がかかるか」を教えてくれました。少し予算を超えましたが、将来は子どもに受け継ぐことを考えると、建物の寿命を延ばす工事をやっておいてよかったです。その後もアフターメンテナンスでお世話になりましたが、リフォーム後の対応も誠実でした。
60代男性 / 戸建てリフォーム /8000万円
「建て替えるか、スケルトンリフォームするか」から相談できた
実家を「建て替えるか、スケルトンリフォームするか」で迷っているときに、CRAFTさんに相談。担当者の方が「建て替え」「スケルトンリフォーム」のそれぞれの費用を出してくれたので、費用対効果を考えて検討できました。経済的なメリットもそうですが、建物の趣を残せることからスケルトンリフォームを選択。よい部分を活かしながら、私の「思い出を残したい」と家族の「新しくておしゃれな家にしたい」の両方を叶えてくれました。
50代男性 / 戸建てリフォーム /6500万円
工事中の騒音対策もしっかりしていた
リフォームの工事中はご近所迷惑になるかも…と少し心配していました。でもCRAFTさんは私たちの代わりに近隣挨拶をしてくれ、解体工事は音や振動が出ない機械を使って作業してくれていたようです。お隣の方からは「ぜんぜん気にならなかったわよ」と言ってもらえて安心しました。細かなところにも配慮してくださり、ありがとうございました。
30代女性 / マンションリフォーム / リフォーム費用 5500万円
中古マンション探しから依頼できた
中古マンション探しからリノベーションまでを依頼しました。物件見学には不動産担当の方と、リフォーム担当の方それぞれが同行してくれて、それぞれの意見を聞きながら選ぶことができました。「リフォームでできること」「おおよその費用」が購入前にわかったので、いくつかの候補物件を比較しやすかったです。理想的な環境のマンションを購入できて、大満足しています。
30代女性 / マンションリフォーム / リフォーム費用 3200万円
〈まとめ〉スケルトンリフォームで理想の住まいを実現しよう
スケルトンリフォームは、間取りの変更や住宅全体のデザインの変更など、住宅を大きく変えることができます。
住まいを思いっきり変えたいのなら、スケルトンリフォームがおすすめです。
戸建ては「建て替える」という選択肢もあるため、「費用」や「やりたいこと」を考慮しながら検討してもよいでしょう。CRAFTでは「建て替えかリフォームか」で迷われている段階でもご相談を承ります。
CRAFTは、マンション・戸建て・ビルのスケルトンリフォームの実績豊富なリフォーム会社です。ぜひお気軽にご相談ください。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。