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住まいを大きく一新できるマンションのスケルトンリフォーム。長年暮らしたご自宅や、これから購入するマンションのスケルトンリフォームを検討されている方も多いのではないでしょうか。
今回はマンションのスケルトンリフォームの事例を交えながら、費用の相場やスケルトンリフォームならではのメリット・デメリットなどについて紹介していきます。
(作成日2023.12.18 更新日2024.3.6)
マンションのスケルトンリフォームとは
スケルトンリフォームとは、部屋の壁や床、天井などをすべて撤去し、躯体のみの状態にしてから行う大掛かりなリフォーム方法です。
スケルトンを和訳すると「骨組み」という意味になりますが、スケルトンリフォームでは、マンションの構造部分をあらわにし、間取りを変更したり、壁や床、天井などを新しく作り直ししていきます。スケルトンリフォームはフルリノベーションと混同されがちですが、どちらも同じような意味で用いられる言葉で大きな違いはありません。
そのため、「スケルトンリフォーム=フルリノベーション」と捉えてしまっても特に問題はありません。
フルリフォームやフルリノベーションとの違い
フルリフォームやフルリノベーションには住宅をスケルトンの状態にせずにおこなうリフォームやリノベーションも含まれるため、より広い範囲を指す言葉として使われます。イメージとしては、フルリフォームやフルリノベーションの中にスケルトンリフォームやスケルトンリノベーションも含まれるといったイメージになります。
ただ、同じような意味合いで使われることも多いため、そこまで気にかける必要はありませんし、こだわる必要もありません。
みんながマンションのスケルトンリフォームを考え始めるきっかけは?
実際に住宅をスケルトンリフォームした方がスケルトンリフォームを検討するようになったきっかけとしては、
・住宅の劣化が目立ってきた
・住宅の使い勝手が悪い
・ライフイベントによって家族が増えた
などがあげられます。
住宅の劣化が目立ってきたり導線が悪いなどの理由で使い勝手が悪いと感じるようになると、スケルトンリフォームによって劣化した部分を含めて修繕したり、間取りを変更するなどしてより使い勝手の良い住宅を実現したいと考え始める方が多いようです。
また、結婚や出産などのライフイベントによって家族が増えると、生活スタイルや必要な設備が変わってくるため、スケルトンリフォームでの間取りの変更や新しい住宅設備の導入を検討するようになります。
マンションのスケルトンリフォームにかかる費用の相場
マンションの壁や床、天井を撤去して行うスケルトンリフォームにかかる費用の相場は、一概には言えません。なぜならリフォームの内容や広さは、物件ごとに異なるからです。具体的な費用感を知りたい場合は、マンションのリフォーム事例を見て「広さ」「リフォームでやりたいこと」に近しいケースの費用を参考にするとよいでしょう。費用は
・リフォームの対象となる物件の広さ
・リフォームの内容
・導入する設備や用いる建材のグレード
など、さまざまな条件によって金額が変化します。
マンションのリフォームは、リフォームにかかる費用を明確にしてからがスタートとなるため、なるべく早いタイミングでリフォーム会社に相談し、見積もりを作成してもらうようにしましょう。
マンションのスケルトンリフォームの事例
CRAFTで手掛けたマンションのスケルトンリフォーム事例をご紹介していきます。
1. グレイッシュからーが映える上品な空間
お子さまの独立というライフイベントをきっかけに、お住まいのマンションをスケルトンリフォームした事例です。
独立キッチンと和室を取り込み、広々とした開放的なLDKへ変更。LDKには白とグレーを基調としたカラーを採用したことで、シックで高級感のある空間になりました。
濃いめのグレーが目を引くキッチンはCUCINAでオーダーしたこだわりの品で、キッチンの奥には大容量パントリーとワインセラーも設けています。寝室やトイレ、サニタリーもグレイッシュカラーでまとめ、落ち着きのあるまとまった上質な住まいとなりました。
築年数:28年
広さ:96㎡
リフォーム費用:-
2. どこにいても家族の存在を感じられる暖かみのある住まい
お子さまの進学に合わせて購入したマンションを、家族がゆったりと過ごせる住まいにスケルトンリフォームした事例です。
家族が集まるLDKは30畳の広さを確保。フローリングや折り上げ天井にはナラを採用し、温もりを演出しました。
キッチンとダイニングテーブルは横並びにレイアウト。ブルーブラックのCUCINAのキッチンにダイニングテーブルを連続させ、家具のような印象に仕上げました。壁面収納も同じくCUCINAでオーダーし、生活感を見せないように。シックな大人の住まいに一新しました。
築年数:12年
広さ:121㎡
リフォーム費用:3,500万円
マンションのスケルトンリフォームのメリット
マンションをスケルトンリフォームする主なメリットとしては、
・間取りの変更などによって住まいを大きく変えられる
・見えない部分の状態までチェックできる
・断熱工事や防音工事も行いやすい
などがあげられます。それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
間取りの変更などによって住まいを大きく変えられる
スケルトンリフォームは、既存の壁や床、天井などをすべて撤去し、マンションの部屋を躯体だけの状態にしてから行うリフォーム方法で、間取りの変更などによって住まいを大きく変えられるというならではの魅力があります。ライフスタイルの変化に対応しやすく、好みの間取りとデザインに大胆に変更することも可能です。
間取りやデザインをゼロベースで考えられる点は、スケルトンリフォームの大きな強みの一つとなっています。
見えない部分の状態までチェックできる
部分的なリフォームなどの通常のリフォームの場合、壁や床を撤去して、部屋全体の躯体をあらわにするようなことはしません。そのため、見えない部分の劣化に気づくことができず、後々トラブルが発生したり別途修繕が必要になることもあります。
一方、スケルトンリフォームでは、配管や配線、構造部分の状態までチェックできるので、それらの修繕もまとめて対応できます。その都度対応するとコストがかさむため、費用の面でのメリットになると言えるでしょう。
断熱工事や防音工事も行いやすい
スケルトンリフォームには、防音工事や断熱工事も行いやすいというメリットもあります。
断熱工事は、部屋の壁や天井と躯体の間にあるスペースに断熱材を充填するため、壁や天井を撤去するスケルトンリフォームのときに行うのが効率的です。
また、スケルトンリフォームでは間取りを一から作っていくので、間仕切り壁を設置して部屋の防音性を高めたり、防音性の高いドアや窓に変更するなど、防音工事も効率的に行うことができます。
購入する物件の選択肢が広がる
購入する物件の選択肢が広がる点も大きなメリットの一つです。
スケルトンリフォームをしないとなると、既存の間取りや住宅設備をそのまま使用しなくてならないため、理想にマッチする間取りやデザイン、住宅設備の物件を探さなくてはいけません。そのため、どうしても選択肢が狭まってしまいます。
一方、スケルトンリフォームをする場合は、既存の間取りやデザイン、住宅設備にこだわる必要がありません。既存の間取りやデザインが気に入らなかったとしてもリフォームで解決できるので、物件の選択肢が広がり、見つかりやすくなります。
マンションのスケルトンリフォームのデメリット
さまざまなメリットがあるマンションのスケルトンリフォームですが、デメリットがないわけではありません。実際にスケルトンリフォームを行なってから後悔しないためにも、ならではのデメリットについてもしっかりと理解しておかなくてはいけません。
マンションのスケルトンリフォームの主なデメリットとしては、
・費用が高額になりやすい
・工期が長い
・マンションの構造や規約によってはリフォームの内容が制限される
の、3点があげられます。それぞれのデメリットについて詳しく解説していきます。
費用が高額になりやすい
スケルトンリフォームは、部分的なリフォームに比べてできることが多い分、費用が高額になりやすいというデメリットがあります。
実際の費用はリフォームの内容や導入する設備によって異なりますが、先述したとおり数千万円単位の費用がかかるので、その点をよく理解した上で資金計画を立てるようにしなくてはいけません。スケルトンリフォームでやりたいこと、こだわりたい部分お優先順位をしっかりと決めて、コストバランスを図りましょう。
工期が長い
部屋を全体的にリフォームするスケルトンリフォームは工期も長くなりがちです。
部分的なリフォームの中には数日で完了するものもありますが、スケルトンリフォームだと数ヶ月はかかります。工期はリフォームの内容や部屋の広さによって変わりますが、2〜5ヶ月程度はかかると考えておくべきです。
また、壁や床の内装や設備を撤去するため、工事期間中は仮住まいを用意する必要もあります。タイミングによってはリフォームのローンと家賃の二重払いの状態になってしまう可能性もあるので、注意が必要です。
マンションの構造や規約によってはリフォームの内容が制限される
マンションには、柱や梁で建物を支える「ラーメン構造」と、壁で建物を支える「壁式構造」という2種類の構造があります。壁式構造のマンションは、建物の支えとなっている壁は取り除くことができないため、イメージどおりの間取りにリフォームできないこともあります。
また、規約によってリフォームでできることが制限されるケースもあるため、マンションの構造や規約についてしっかりと確認し、把握しておかなくてはいけません。
さらにこれからリフォームを前提に物件を購入する場合、物件の購入とリフォームを別々の会社に依頼してしまうと、事前にリフォームでできることや費用感がわからず、「やりたいリフォームができない」というトラブルが発生しやすくなります。
これから物件を購入する予定の方は、物件の紹介からリフォームまでトータルで手掛けてくれるワンストップリノベーションの会社に依頼するようにしましょう。
CRAFTでマンションをスケルトンリフォームするときの流れと期間の目安
実際にCRAFTでマンションのスケルトンリフォームをするときは、以下のような流れで進めていくことになります。
・ご相談
・基本プランの作成・見積り
・設計契約・詳細打ち合わせ
・工事請負契約・着工
・お引渡し
それぞれの工程の概要と期間の目安は以下のとおりです。
工程 | 概要 |
---|---|
1. ご相談 | ・現地調査 ・ヒアリング |
2. 基本プランの作成・見積り | ・基本プランの作成 ・概算見積り ・VRの作成 |
3. 設計契約・詳細打ち合わせ | ・設計契約の締結 ・詳細の打合せ ・実施設計図の作成 ・予算調整 ・再見積書の提示 |
4. 工事請負契約・着工 | ・請負契約の締結 ・本着工 ・中間検査 ・完了検査 |
5. お引渡し | ・仕上がりなどの確認 ・設備機器などの取り扱いに関する説明 ・各メーカーの保証書のお渡し ・工事中写真のお渡し |
※工程1〜3:約2〜3ヵ月、工程4〜5:約2〜5ヵ月
マンションのスケルトンリフォームの費用を予算内に収める方法
マンションのスケルトンリフォームの費用を予算内に収める方法としては、
・やりたいことに優先順位をつける
・設備や素材のグレードにこだわりすぎない
・補助金や助成金を活用する
などがあげられます。
予算内に収めたいのであれば、やりたいことに優先順位をつけ、優先順位の高い・低いを明確にしておくようにしましょう。
設備や素材についても、こだわればこだわるほど費用がかさんでいくため、こだわるところと妥協してもいいところを決めておくと、より判断しやすくなります。
また、リフォームの内容によっては自治体ごとに補助金や助成金を受け取れる可能性があるので、活用してもよいでしょう。
ただ、マンションのスケルトンリフォームにかかる費用は対象となる物件の広さやリフォームの内容によって異なります。以下のデザイン事例のページから似たような事例を探し、参考にするようにしてください。
マンションのスケルトンリフォームを成功させるコツ
デメリットの一つとして紹介したとおり、マンションの構造や規約によってはリフォームの内容が制限されてしまうことがあります。
ただ、提案力の高いリフォーム会社やスケルトンリフォームのノウハウを持っている会社は、撤去できない壁を活用したプランを提案してくれるなど問題解決能力が高いと言えます。そのため、リフォーム会社を選ぶ際は、これまで手掛けてきたスケルトンリフォームの実績を確認しながら選ぶのがおすすめです。
また、これから物件を購入するようなケースでは、物件探しからサポートしてもらえるワンストップリノベーションの会社に依頼するようにしましょう。ワンストップリノベーションの会社は、やりたいリフォームの内容をヒアリングした上で物件をリサーチし、紹介してくれるので、物件の構造や規約によってやりたいリフォームができないというトラブルが発生しづらくなっています。
〈まとめ〉スケルトンリフォームなら理想のマンションを実現できる
既存の壁や床、天井などを撤去した上で行うマンションのスケルトンリフォームは、間取りの変更や住宅全体のデザインの変更など、住宅を大きく造り変えることができます。
戸建てのように「建て替える」という選択肢がないマンションでは、住宅を大きく造り変えたいのであればスケルトンリフォームを行うしかありません。
スケルトンリフォームには多少のデメリットもありますが、魅力的なメリットも多いので、気になっている方はぜひ前向きに検討されてみてはいかがでしょうか。
CRAFTは、マンションのスケルトンリフォームの実績も豊富なリノベーション会社です。お住まいのマンションのスケルトンリフォームはもちろん、物件の購入からサポートさせていただくこともできますので、ぜひお気軽にご相談ください。
<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。