古いマンションをスケルトンリフォームで間取り変更

若い世代から、古いマンションのリフォームが注目されています。新築マンションの購入よりも、立地条件がよい場所に住めるからです。マンションのスケルトンリフォームは、柱や梁、床などの躯体の状態まで解体し、間取り変更が可能で新築のような部屋にできます。

古いマンションのリフォームが注目されています。中でもスケルトンリフォームは、柱や梁、床といったコンクリートの骨組み（＝スケルトン）の状態まで解体し、内装や設備を一新するもの。間取り変更も可能で、新築のような部屋にすることができます。

シニア層が居住しているマンションをリフォームするだけではありません。若い世代では、大規模なリフォームを前提に、古いマンションを購入するケースが多いようです。新築マンションを購入するよりも、立地条件のよいエリアや広い部屋に住めることが理由です。業者が古いマンションを買い取ってリフォームした後に、「リノベーション済みマンション」として販売されている物件も。

バブル期の地価高騰の後、1990年代に地価が下がったことで、東京に次々と誕生した大規模マンションは、今では築20年以上となり『リフォーム適齢期』を迎えています。政府では中古住宅市場の活性化を進め、リフォームの市場規模も2010年の６兆円から倍増させて、12兆円市場にする目標を掲げています。

杉並区の60歳代の夫婦のケースは、築40年ほどの72平米のマンションを子どもの独立などを機にリフォーム。4DKから2LDKに間取り変更したことで、廊下ですれ違うときに夫婦がぶつからなくなり、夫婦仲がよくなったそうです。広いリビングは、遊びにくる孫たちと過ごせる場所に。洗面所は廊下とキッチンから出入りができる2WAYとし、内装に天然石を使用するなどこだわりのリフォームとなっています。工期は2カ月半で、費用は1500万円を超えました。

一方、スケルトンリフォームの相場は、１平米25万円～32万円程度で、７０平米なら最低でも1750万円以上はかかります。もちろんリフォーム内容によるため一概には言えませんが、満足できる最低ラインのリフォームを行う場合はこれくらいかかることを見込んでおきましょう。マンションのリフォームは、窓や玄関ドア、共用の配管などは共用部分に当たるため、手を付けることはできません。屋根や外壁の修繕はマンション全体の改修で行われるため、その分室内のグレードアップに注力できる点はメリットです。

不動産など建築関連会社、住宅設備メーカー、独立系のリフォーム会社などがマンションのスケルトンリフォームを手掛けています。住友不動産の「新築そっくりさん」は専有面積による完全定価制で、着工後に問題が見つかっても追加費用が不要です。仮住まい用に、自社の賃貸物件の紹介を行っている。三井不動産リフォームの「三井のリフォーム」は、基本工事は定価制、内装工事はオーダーメイドという形をとっています。

住宅設備メーカーでは、パナソニックは直営店と加盟店を合わせて約400店舗を展開し、デザインなどのニーズに応じた工務店を紹介している。LIXILでは「マンション新築二世」として複数のパッケージプランを展開し、約500店舗のフランチャイズ加盟店で扱っています。

独立系のリフォーム会社は中規模な企業が多いものの、その分自由な発想でユニークなプランを提案してくれます。設計事務所のようにこだわりのある住まいにしたい場合は、おすすめです。