物件データ
港区にある賃貸マンションは、4F・5Fのメゾネット部分がオーナー住戸でした。この部分だけでも260m²もの広さがあることから、2住戸分の賃貸物件に分けることに。4Fの半分のスペースと5Fをあわせて200m²の「ファミリー住戸」に、4Fの残り半分のスペースを60m²の「単身・DINKS住戸」としています。ターゲットに合わせてそれぞれのデザインテイストを変えたこともポイントです。高級住宅街に位置する土地柄、富裕層や外国籍の方をターゲットとした「ファミリー住戸」はシックで落ち着いた空間に。一方で「人と同じ住まいは嫌だ」というこだわりの強い方をターゲットとした「単身・DINKS住戸」は、タイルを使うなどしてスタイリッシュに仕上げました。周辺の賃貸物件と差別化し、スピーディーな賃貸契約につなげています。
BEFORE写真
予算内でハイグレードな内装に
立地を考慮してターゲットを想定
都心の一等地に位置するため、入居ターゲットはおのずと限られていました。「ファミリー住戸」はもともとあった勾配天井を活かし、開放感あふれる間取りに。インテリアはシックな雰囲気にまとめています。「単身・DINKS住戸」は廊下とりこんで居住スペースを広げ、サブウェイタイルなどでくつろいだ雰囲気に。高価な素材・ベーシックな素材を使い分けてコストバランスを図り、予算内で邸内をグレードアップしています。
ファミリーで伸びやかに過ごすLDK
4Fの1/2と5Fは、メゾネットの「ファミリー住戸」としています。2面の大きな窓に囲まれた、明るく眺めのよい場所にLDKをレイアウト。ユーティリティスペースを移動してさらにLDKを広げつつ、クローズドキッチンをオープンにして開放感をアップ。既存の勾配天井はそのまま活かしています。空間をより美しく感じさせるのが、グレージュのタイルです。上品で洗練されたインテリアは、見る人におだやかなライフスタイルをイメージさせます。
CUCINAの美しいキッチン
カウンター幅の長いゆとりあるキッチンは、CUCINAでオーダー。Mieleの食洗機とオーブンはビルトイン。吊り戸棚をあえて設けないことで、整然とした印象をキープしています。そのぶん収納量は、キッチンや背面カウンターの下部収納でカバー。右サイドのユーティリティにも収納スペースを設け、生活感が出ないように計画しました。キッチン下部の間接照明は浮遊感を演出するとともに、カウンターの長さを強調。撤去できない壁にも大判タイルを貼り、デザインの一部としていることもポイントです。
ガラスで伸びやかなバスルーム
躯体に囲まれ、さらに段差スラブの範囲が限定されているため、水まわりの広さを変えることができませんでした。そこで洗面室・浴室間をFIXガラス&テンパードアで仕切り、視覚的な開放感を演出。さらにバスルームと洗面室の壁には同じタイルを貼り、ガラス越しに連続させることで伸びやかな印象を与えています。
2ボウルで身支度をスムーズに
ホテルライクな洗面室は、富裕層に支持される要素のひとつ。洗面台のレイアウトを変えてスペースを広げ、2ボウルを設置しました。浮遊感のある洗面カウンターは、下部に間接照明を入れてより軽やかに。家族の多いファミリーでも、スムーズに朝の身支度ができるようにしています。
トイレもホテルライクに
邸内に2つあるトイレのうち、パブリックスペースのトイレはゲストを意識したデザインに。シンプルながらもシックでくつろげる空間に仕上げました。床と壁のタイルはグレージュで統一し、LDKや玄関のホテルライクな印象がトイレまで続くように。長手方向に手洗いカウンターとミラーを設けることで、コンパクトなスペースに広がりを。
贅沢な余白の玄関ホール
エレベーター前の玄関ホールは、壁面にも間接照明をプラスし、既存の天井高や抜け感が活かせるように。また一番天井高のあるところにSICを設置。重厚な木目を使うことで、天井高を強調しています。おのずと視線が上へと導かれる玄関は、ゲストにもゴージャスな印象を与えます。200m²の住戸にふさわしい余白を感じられる空間へと生まれ変わりました。
ワンルームになる1LDK
ファミリー住戸よりもラフで遊び心のあるデザインに仕上げました。収納が少ない賃貸が多いなか、リビング収納や寝室サイドのクローゼットなど十分な収納量を確保し「大きな収納が欲しい」という借り手のニーズに応えています。LDKと寝室の間はすりガラスの引き戸で仕切り、自然光を共有。引き戸を開ければワンルームとして使えます。リビングにはテレワークができるPCカウンターを設けました。
セミオーダーのバスルーム
セミオーダーのバスルームを採用し、質感にこだわりました。テンパードアやタイルによって、既製品とは異なる上質な雰囲気が生まれています。また、単身者向け賃貸では稀な1618サイズのバスタブを入れ、思いきり体を伸ばして入浴できるようにしました。既存の2面の窓から明るい自然光が注ぐ、居心地のよい洗面室。寝室からクローゼットを経由してバスルームにアクセスする導線とし、ムダな廊下をなくしたことも大きなポイントです。
ライフスタイルに合わせた暮らし
単身住戸のキッチンもCUCINAでオーダー。キッチンカウンターにスツールを置けば、ダイニングテーブルとしても使用できます。ダイニング・キッチンをコンパクトにまとめた分、リビング・ダイニングを広く使えるように。住む人のライフスタイルで暮らしを選択できるようにしています。また居住スペースを広くとるために、邸内の廊下をコンパクトにしたことも特徴。リビングの入り口ドアをガラスにすることで、窮屈さを払拭しています。