物件データ
港区にある中古マンションを購入したYさん。将来はご自身で住むことを前提としつつ、当面の間は賃貸に出すため、よりグレードの高い空間にデザインリフォームすることにしました。ターゲットはファミリー層のため、ゆったりした空間と最新設備が整ったキッチン、豊富な収納などをご希望。特にキッチンやサニタリールームは、作業スペースや収納をより充実させたいとお考えでした。また、特殊な空調設備が備えられており、交換や移設をするとコストが大きく膨らむため、既存の間取りを活かしたこともポイントです。レイアウト・デザイン・設備を見直した結果、立地にふさわしい賃貸マンションに生まれ変わっています。
BEFORE写真
既存の間取りを活かしつつ
作業スペースや収納を充実
ファミリー層を意識して、ゆったりした玄関や豊富な収納、充実したキッチンを実現しています。賃貸物件ということから、フローリングやタイルは個性的すぎず、凝ったテクスチャーのタイプをセレクトし、こだわりをもつ方にも好まれるようにデザイン。クラシカルだった雰囲気を排除しつつ、モダンなインテリアに仕上げています。さらに富裕層向けの高級賃貸に求められる電気オーブンやドラム式洗濯機などを設け、魅力ある賃貸物件に。明るく広々とした玄関ホールや邸内全体の上質感は、借り手に心地よい暮らしをイメージさせます。
幅広フローリングで上質な雰囲気に
Yさんのご希望により、LDKの床は絨毯から幅広のフローリングに。木目が美しい岩手県産の栗の木を採用しました。キッチンはオープンに変え、手前には浮遊感のある収納を設置。LDには床暖房を2面入れ、その日の気温に合わせて半面だけ使うなど光熱費を抑えられる工夫もしています。玄関ホールからの入り口は、クラシカルなドアから木製ルーバードアに変更し、モダンな雰囲気を演出しました。
すっきりとモダンなインテリアに
リビングダイニングは、既存のクラシカルな印象を極力なくすようにデザイン。TV台を置くことが想定される壁は薄くふかしてアクセントウォールとしました。またバルコニーにはウッドデッキを張り、大きな窓から見たときに外部との連続性を感じられるように演出。天井にあった既存のモールディングは撤去し、軽やかですっきりとしたイメージに一新しています。
最新設備と広い作業カウンター
玄関から廊下、キッチンにかけてはタイルを連続させました。賃貸であることを踏まえ、シックな色合いをセレクト。また、パントリーを設けて収納量をアップしています。またYさんの希望により、キッチンは対面式のⅡ型を採用しました。食洗器、4口ガスコンロ、2口IH、タッチレス水栓などの最新設備に加え、高級賃貸には欠かせない電気オーブンもビルトインに。家電類はリビング側から見えないように配置しつつ、窓側には奥さまの作業カウンターを設置しています。
既存も活かしつつ、快適性をアップ
二ッチと上部のピクチャーレールは既存を利用。必要な窓の手すりも既存を残し、コストバランスを図りました。クロスは寝室にふさわしいシックなカラーをセレクトし、床暖房を導入。ゆっくりとあたたかく過ごせるように配慮しています。WICの内部にはパイプをコの字に設けて収納量をアップ。WICの扉内側には姿見を取り付け、お出かけ前に全身のコーディネートを確認できるようにしました。
子ども部屋はクラシカルに
こちらの個室は子ども部屋を想定し、新たにLANの差込口を設けました。既存の小さめのクロークは、背面の洗面室を広くするために撤去。代わりに、框扉となっている既存の入り口ドアのイメージに合わせ、クラシカルなルーバー折れ戸の収納を設けました。
家族で使えるゆとりある洗面室
洗面室はスペースを拡大し、家族が一緒に使えるよう2ボウルの洗面台とタオルウォーマーを設置。トイレは向きを変えつつ、洗面室から直接アクセスできる既存の動線を活かしています。もとはキッチンにあったドラム式洗濯機をこちらに移動し、上部には作業スペースとなる棚も設けています。廊下や玄関と同じタイルを床に貼り、邸内全体のイメージを統一しました。
眺めを活かしたバスルーム
従来から浴室のサイズは1822と広め。窓からの眺めもよいため、そのままの広さと場所で内装やバスタブ、シャワーなどの設備を一新しました。壁は廊下や玄関と同じタイルで統一性をもたせ、鏡はタイル同面成形。見た目がスッキリするだけでなく、鏡裏での雑菌の繁殖がなく、清潔で手入れがしやすくなっています。
ダークブルーの落ち着いたトイレ
トイレはもともと2つあり、そのどちらにもスタイリッシュで清掃性の高いタンクレスを設置。背面の壁にはニッチを設け、間接照明を入れて奥行きを感じさせています。壁はダークブルーで落ち着いた雰囲気としました。
木製ルーバーが迎える玄関
玄関から入ってすぐのアイポイントとして、正面には木製ルーバーを設置。落ち着きある色合いの樹種を採用しています。また、土間から廊下までは同じタイルを使用し、そのタイルのままキッチンへとつながるように計画。右手の収納はSIC、玄関収納、中に入って右側にコート掛け収納と、モノをしまうスペースを拡充したこともポイントです。右手の壁は粘度の高い特殊な水性ペイントをコテで仕上げ、やわらかな表情を与えました。