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「自宅をホテルみたいなリビングにしたい」と思う方は多いようです。素材の使い方やカラー選びなどいくつかのポイントを知っていれば、自宅をホテルのようなインテリアにすることができます。
ホテルライクなインテリアとは?
「ホテルライクなインテリア」とは、ホテルで暮らすようなイメージで、上質で落ち着いたインテリアを表現する言葉です。
ホテルにもさまざまなジャンルがありますが、近年注目されているのは、ライフスタイルホテルやブティックホテルと呼ばれる滞在型のホテルです。非日常感がありながらゆったりとくつろげる空間は、「暮らすように泊まれるホテル」として人気を集めています。
このようなホテルに共通する要素を取り入れることで、魅力的な「ホテルライクなインテリア」が実現します。早速、どのような要素があるのか見ていきましょう。
1.素材が上質(左官や木、石、タイルなど)
ライフスタイル型のホテルのインテリアには、木や石、タイル、左官塗りの壁といった本物の自然素材を多用したものが目立ちます。希少な素材は高価なだけに高級感がありますが、それだけではありません。
本物の自然素材は、大自然に包まれたような温かみも感じさせてくれます。上質な素材を組み合わせることで、高級感を持たせつつ、くつろげる雰囲気を作り出しています。
2.シックなカラートーン
「シック」は、フランス語の「chic」からきた言葉で、上品な、粋な、といった意味があります。インテリアでは、モノトーン系や薄いブルー、パープル、グレーなどの色を指し、上品で落ち着いた色味を表現しています。
ホテルのインテリアでは、シックなカラートーンが使われることが多いのですが、これは刺激が少なく目に優しい色味なら、年代や性別を問わず、どんな方でも安らげるからです。色使いも大切な要素ですね。
3.明るすぎないライティング
落ち着いた雰囲気づくりには、照明も大切です。
眠りにつく前のひとときを過ごすホテルでは、照明も明るくなりすぎないように設計しています。間接照明やダウンライト、ペンダントライトで部分的に照らし、空間を均一に照らすシーリングライトは使わないのが基本です。
4.生活感を見せない
仕事や家事を忘れて、ゆったりと過ごせるのもホテルステイの魅力です。そのためホテルの客室には、生活感がまったくありません。グラスや冷蔵庫、ハンガーやスリッパといった小物まで、目につかないよう収納されています。
いつでも無駄なく清潔に整えられたホテルのお部屋は、生活感を見せないホテルライクなインテリアのお手本です。
ホテルライクなリビングの事例から学ぶ
5つのリノベーション事例をもとに、ホテルライクなリビングのポイントを具体的にご紹介します。
〈ポイント1〉上質な自然素材でホテルライクなリビングに
石や木、ガラスといった自然素材をうまく取り入れているのが、港区の中古マンションをリフォームしたこちらの事例です。
床は、草木染めで優しい色味を出したオークの無垢材。ヘリンボーン張りにして、奥行きを演出し、奥行きのあるグレイッシュインテリアに
高級感のある上質な自然素材ばかり。本物の質感がくつろぎとゴージャスな非日常感を演出した、ホテルライクなインテリアです。
〈ポイント2〉シックなカラーでホテルライクなリビングに
こちらの事例は、シックなカラートーンを参考にしたい事例です。
ホテルのエントランスロビーのような落ち着いた雰囲気は、アイボリーからベージュ、グレーとつながるシックな色味でまとめられています。
柔らかい印象の床は、お子様も小さいことから防音対策として選んだコルクタイル。ソファや天井は、淡いアイボリーです。システムキッチンや収納はグレーを選び、シックなアクセントとしています。
目立つ色味はなくそれぞれの色の差を抑えたことで、上品で落ち着いた雰囲気に。ホテルライクなくつろぎを感じさせる、落ち着いたリビングになりました。
〈ポイント3〉陰影のあるライティングでホテルライクなリビングに
間接照明で情緒ある光の陰影を作り出し、ホテルのロビーでくつろぐようなリビングを実現したのが、こちらの事例です。
「ホテルのようにくつろげて、美術館のようにアーティスティックな住まい」というコンセプトで、ご自宅マンションをリノベーションしています。
印象的なリビングの壁は、凹凸のある特殊な塗装に間接照明を当て、深みのある陰影を生み出しました。下には光を反射する大理石を貼り、床の間のような趣に仕上げています。天井は、既存の天井高をあげて間接照明で優しく照らしています。
〈ポイント4〉石とタイルの壁でホテルライクなリビングに
こちらの事例も、石や木、タイルといった自然素材を取り入れ、ホテルライクなインテリアを実現しています。
リビングの床には落ち着いた色味のウォールナットを使用、暖炉のマントルピースには、石目模様のタイルを選んでいます。高級感のある素材が主張しすぎることなく組み合わされ、ホテルライクなインテリアにふさわしい上品さを感じさせます。
直線で構成されたモダンな空間ながら、ゆらめく暖炉の炎が温かく、ホテルのロビーのようなくつろいだ印象です。
〈ポイント5〉生活感をなくしてホテルライクなリビングに
住まいの中で最も生活感が出てしまうのが、キッチンやリビングダイニング。
こちらの事例では、家具のような美しいシステムキッチンと機能的な収納で生活感をなくし、LDKをホテルライクなインテリアに仕上げました。
中心にあるアイランドキッチンは、収納量をしっかり確保し、片付けやすさを配慮しています。電子レンジなどの家電も背面の収納に収まるように設計し、生活感のない状態をキープしやすくなっています。
清潔感のある白を基調とした色使いで生活感を抑えつつ、無機質な感じがしないのは質感選びにポイントがあります。鏡面仕上げやマットな天板など、さまざまな質感を組み合わせ、ほどよい華やかさでリラックスさせてくれます。
〈まとめ〉ホテルライクなリビングでライフスタイルを豊かに
非日常的な華やかさや高級感を楽しみつつ、ゆったりとリラックスできるのがホテルの魅力です。ホテルライクなインテリアを自宅に取り入れることで、暮らしがさらに豊かに楽しくなります。
ホテルライクなインテリアはリノベーションで実現できますが、「リノベーションしやすい物件」であればあるほど、理想の空間を叶えやすくなります。物件探しからリノベーションのご相談はCRAFTへ、お気軽にお問い合わせください。豊富な実例から、イメージに合うようご提案します。
<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。