物件データ
ご実家をクラフトでデザインリフォームして住むことにしたMさん。ツーバイフォー(2×4)構造であったため、間取りの大きな変更には少し不安がありました。しかし、構造上なくしてよい壁と必要な壁とを正しく見極めることで、希望の間取りを実現。まずリビングとダイニングを仕切る引き込み扉をなくし、広く開放的なLDKに。またキッチン背面にはパントリーを設けて収納力を大きくアップ。バスルームは1階にありましたが、寝室がある2階に移動。プライベートな空間を、2階に集約しました。デザインは、装飾性のあるモールディングと、落ち着いた雰囲気の壁紙とを取り入れてクラシカルなイメージに。ホテルを思わせる落ち着きと洗練された雰囲気が両立した、理想の住まいを実現しました。既存の建具を再利用するなど、コストバランスを図ったことも大きなポイントとなっています。
暮らしやすい生活動線とデザイン性
ご両親の想いも引き継いだリフォーム
「寝室とバスルームを同じフロアにしたい」という希望を叶えるため、様々なパターンを検討。間取りも設備も既存のものをできるだけ活かせるプランを採用し、寝室とバスルームを配置しました。寝室からトイレ、洗面室・バスルームへの移動はできるだけコンパクトな動線とし、朝の身支度や入浴をスムーズに。また、もとあった建具や巾木、廻り縁などは移設して活用し、家全体のデザインに合わせて塗装し直すことで雰囲気を一新しました。17年にわたりこの家に愛着をもって暮らしていたご両親も、リフォーム前の面影を残した仕上がりに大変喜ばれたそうです。
ライトベージュのやさしいLDK
リビングとダイニングを仕切る引き込み扉をなくし、広く開放的なLDKに。床にはナラ材のフローリングを張り、ライトベージュでやさしい雰囲気に。壁にはベージュ、天井には白の壁紙を貼り、明るく落ち着いた空間としています。LDKの廻り縁や巾木は新調していますが、既存の一部は丁寧に取り外して2階に移設。使えるものはできるだけ残すことで、コスト面とご両親の想いに配慮しました。
華やかな雰囲気に
TV台は造作し、半分はオーディオスペース、もう半分を引き出し収納に。全面の扉はハーフミラーとし、扉を閉じたままリモコン操作ができるように。浮いているようなデザインにより、軽やかな雰囲気を演出しました。上部に設けた飾り棚には照明を入れ、ディスプレイした小物を照らせるようにしました。天井やTV台のサイドにはイタリアのメーカーFLOSのペンダントライトを設置。華やかな雰囲気を演出しています。
モダンなダイニング・キッチン
キッチンや背面収納の天板には、人工大理石よりも天然石の風合いに近いクォーツストーン(人造石)を採用。天然石よりも手入れがしやすい利点もあります。グレイッシュベージュの面材と組み合わせ、モダンな雰囲気に。キッチンの奥のスペースは、まぐさと呼ばれる開口部を補強する金物を取り付け、使い勝手のよいパントリーを新設。広々とした収納棚だけでなく、2台目の冷蔵庫をしまうスペースも確保しています。保存した食料などが傷まないよう直射日光をさけ、通風用の小窓を設けました。
2ボウルの広々とした洗面台
水回りはご希望により、1階から2階に移動。洗面室とトイレ、バスルームが一体となったホテルライクな空間をデザインしました。洗面台は、朝の忙しい時間に便利な2ボウルを採用。ミラーキャビネットは、洗面台の前に立った時にちょうどよい高さはもちろん、既存の勾配天井やトップライトの位置を何度も検証しながら、使いやすい配置と奥行きを実現しました。床は防水性の高い大理石調のフロアタイルとし、洗面台の扉はキッチンと同じくグレイッシュベージュの面材でまとめ、統一感をもたせています。
ユニットバス+大理石
もともと北側斜線で勾配天井となっており、既成品のユニットバスをそのまま納めることが難しい状態でした。そこでハーフユニットバスを採用し、天井や壁は手作業で施工。洗面室との色味も合わせ、大理石調のタイルを貼り、ホテルのように上品で落ち着きをある空間に仕上げました。400×800㎜角の大判タイルを貼ることでできるだけ目地を入れず、すっきりと仕上げています。
将来を見据えたWIC
2階の洋室はWIC (ウォークインクロゼット)にして、たくさんの洋服をしまえるスペースとしました。勾配天井や窓の位置に合わせて可動棚を造作し、置きたいタンスやドレッサーのサイズにも配慮。収納力を大きく高めています。現状では窓を設ける必要がない部屋のため、パネルで半分隠して大きなミラーを設置。将来、子供部屋にする際はミラーを外し、窓を復活できるように計画しています。
クラシカルなガラスの格子扉
階段室の両側には引き込み扉を設置し、シンメトリーなデザインとしました。ガラスの格子扉はクラシカルな雰囲気の室内と調和し、階段室に光を届ける役割も。ピクチャーレールとスポットライトも設置し、好きな写真や絵画を飾って楽しめるスペースに仕上げました。
既存の建具を美しく活用
床光沢のある白いタイルを貼り、広くすっきりとした空間を演出。玄関サイドにあった靴箱は撤去し、その代わりとしてホールの先にシューズクロークを設置しました。その扉は既存のものを移設し、白く塗装し直してドアノブをシルバーに変更。建具や玄関のデザインとマッチする海外の製品を採用し、家全体の雰囲気と調和させています。
ゆとりのあるパウダールーム
メインのバスルームを1階から2階に移動させたことに伴って、1階にトイレと洗面室を一体としたパウダールームを設けました。LDKの延長線上にあるため、洗面台の下部の扉にはモールディングを取り入れてイメージを統一。正面の壁に貼った大理石調のタイルが、エレガントな空間を演出しています。