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今年も「2023年で最も読まれた人気リノベーション事例BEST5」を発表します。今年は、上質な素材や質感を大切にした、高級感のある事例に注目が集まりました。上位5つの事例を詳しく紹介します。
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1位 吉村順三が設計した名建築を住み継ぐ
1位は、建築家・吉村順三氏が設計した住まいのリノベーション事例です。
ご実家を譲り受けたオーナーさまから依頼を受け、思い出が詰まった家の持ち味を残しつつ、300㎡のゆとりある広さを余すところなく利用できるプランを提案しました。
玄関は階段ホールとの間仕切りを外し、伸びやかな間取りに変更。床はタイル、天井や玄関収納には木といった上質な素材を選び、モダンで重厚感のある空間に仕上げました。
それぞれ独立していたリビング、ダイニング、キッチンは、間仕切り壁を抜いてゆるやかにつなぎ、大空間のLDKに。
また、リフォームを機に住まいの性能もアップ。断熱材の補充やサッシの、空調設備の交換などにより、築40年を超える鉄筋コンクリート造で、これからも快適に暮らせるようになっています。
〈成功ポイント〉
建替とリノベーションのどちらがいいのか検討する段階から、CRAFTにご相談いただいたこと。費用や内容を比較した上で、リノベーションを選ぶことができました。また、大胆に間取りを変え、断熱性能にも手を入れたことで、今の暮らしに合った快適な住まいが実現しました。
2位 東京タワーを望むシックな住まい
第2位は、東京タワーが目の前に広がる、タワーマンションのリノベーション事例です。
オーナーさまは、リノベーション前提でこちらの物件を購入。リビングからのこの絶景を活かすために、和室を取り込んでLDKを拡大。
特に美しいのは、夜景です。リビングドアを開けると、ライトアップされた東京タワーが飛び込んできます。大きな窓には電動プリーツスクリーンを設置し、開放時に景色の邪魔にならないよう計画しました。
クローズドタイプのキッチンは、オープンキッチンに変更。キッチンとリビングに同じ濃色のタイルを使い、陰影を持たせることでメリハリのある空間に仕上げました。照明は、調光可能なダウンライトにして、夜景がより際立つよう配慮しています。
〈成功ポイント〉
「東京タワーの眺めを活かす」という明確なコンセプトのもとでプランニングを進めたこと。当初は白い空間をご希望でしたが、デザイナーは日中だけでなく夜も夜景を楽しめる陰影のある空間をご提案しています。
3位 富士山を望む 山中湖の別荘
第3位にランクインしたのは、3世代にわたって大切に受け継がれてきた湖畔の別荘。既存の雰囲気を残しつつデザインリフォームした事例です。
この別荘の魅力は、木立に囲まれ富士山の絶景を楽しめるロケーション。景色に溶け込む木の外壁の魅力はそのまま受け継ぎ、耐久性の高い杉赤身に張り替えています。これからシルバーグレーに変化していく様子も楽しみです。
北側にあった浴室は、眺望の開けた南側へ移動しました。円形のバスタブは、高級バスタブメーカーArtisのものを採用。天井は屋外の軒天と同じ羽目板張りにして、一体感を演出。自然に囲まれた木立の中で入浴しているかのような、豊かなつながりを感じられます。
〈成功ポイント〉
新築も検討していたときにCRAFTにご相談いただけたこと。リノベーションの専門会社だからこそ、残すところと更新する部分を適切に見極め、既存建物の魅力を引き継ぐことができました。
4位 ナラのリブが連なる贅沢な空間
第4位は、明るい木の質感が印象的なタワーマンションです。お好みのナチュラルなテイストをベースにしつつ、ナラのリブパネルを中心に、質感の異なる木を組み合わせました。素朴さよりも「洗練さ」を意識して、シャープなシルエットを多用。温かみの中にも、非日常感のあるリラクシングなインテリアとなっています。
kitchenhouseでオーダーしたキッチンは、扉に個性的な木目をセレクト。
玄関ホールはゆったりとした広さを確保。既存の収納は撤去し、フローティングタイプのカウンター収納を設置。また、LDK入り口ドアの両サイドはFIXガラスとし、タワーマンションの高層階らしい景色をのぞかせています。あたたかい色味ですが、直線を強調したデザインは、洗練されたホテルライクな雰囲気です。
〈成功ポイント〉
ナチュラルテイストですが、ナラなど上質な木材のシャープなシルエットを意識し、洗練された都会的な雰囲気に仕上げたことが成功ポイントです。ゆったりとした広さ、高層階ならではの景色を見せる間取り、高級オーダーキッチンなどを取り入れ、大人数のゲストをもてなす場にふさわしい住まいとなりました。
5位 グレイッシュカラーで上品なくつろぎ
第5位は、グレイッシュなカラーリングにこだわったマンションリノベーションです。お子様の独立をきっかけにそれぞれ分かれていたキッチン、リビング・ダイニング、和室を1つの空間にまとめ、伸びやかな広がりあるLDKに変更しました。
「気に入りの絵画に囲まれて暮らしたい」というご希望を叶えるため、壁面に絵画を飾るスペースをたくさん設けています。絵画やオブジェを引き立たせるため、グレイッシュカラーに統一。まるでアートギャラリーのような、上質な空間に。
独立した壁付けキッチンは、今回のリフォームでオープンなL型をCUCINAでオーダー。キッチンの背後には、冷蔵庫やワインセラーの入るパントリーも設けています。石目模様のタイルや織物調のアクセントクロスなど、上質感のある素材を組み合わせ、シンプルなカラーリングの中にも表情を生み出しています。
〈成功ポイント〉
「絵画に囲まれて暮らす」というコンセプトが明確だったことが、成功のポイント。カラーリングや壁面の使い方など、統一感のあるインテリアが実現しました。また、質感の異なる素材を組み合わせたことで、シックながらもリラックスした空気が生まれています。
〈まとめ〉上質な自然素材を使った高級感あるインテリアが人気
今年は、上質な自然素材を組み合わせた、高級感のあるインテリアに注目が集まりました。タイルや石、木などの本物の自然素材は、それだけで上質な仕上がりに。そして、自然に近い素材は、癒しをもたらしてくれます。ゆったりとしたリラクシングな住まいが多かったようです。
住まいのロケーションや窓からの眺望にも、特徴がありました。自然に囲まれた別荘や、東京タワーの見えるシックなインテリアなど、どこか非日常感のある住まいも、ラグジュアリーなライフスタイルをうかがわせます。
リノベーションの魅力は、ライフスタイルや好みに合わせて、住まいをグレードアップできること。CRAFTでは、2024年もさらに魅力あるリノベーションをお手伝いしていきます。
【過去のランキング】
2022年に最も見られた、リノベーション事例 BEST5!
2021年に最も見られた、リノベーション事例 BEST5!
2020年に最も見られた、リノベーション事例 BEST5!
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2018年に最も見られた、リノベーション事例 BEST5!
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<著者>CRAFT 編集部
一級建築士・二級建築士・インテリアコーディネーター・一級建築施工管理技士・二級建築施工管理技士・宅地建物取引士が在籍。さまざまな知識を持つプロフェッショナル集団が、リノベーションや物件購入についてわかりやすく解説します。