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住宅を全体的に改修するスケルトンリフォームは、間取りを変更するのに最適なタイミングです。スケルトンリフォームでできる間取り変更の内容や費用相場、注意点などをまとめて解説します。
(作成日2022.7.15 更新日2025.4.17)

スケルトンリフォームとは?
スケルトンリフォームとは、家の床や壁、天井などをすべて撤去し、構造部分のみの状態にしてから改修するリフォーム方法です。
特定の場所や設備のみを改修する部分リフォームとは異なり、住宅を全体的に変更するため、間取り変更にも対応しやすいといったメリットがあります。
スケルトンリフォームで間取り変更はどこまでできる?
スケルトンリフォームでの間取り変更でできることは本当にさまざまです。CRAFTでスケルトンリフォームしたお宅の事例を参考にしながら、スケルトンリフォームでの間取り変更でどういったことができるのか解説していきます。
広々とした贅沢なLDKに

マンションをスケルトンリフォームした事例です。独立していたキッチンと、リビングダイニングに隣接していた2つの部屋を取り込み、広々とした贅沢なLDKに間取り変更しました。有効活用できていない部屋があるケースやリビングが狭いと感じられるようなケースでは、間取り変更でLDKを拡大するのがおすすめです。
開放的なオープンキッチン

鉄骨造のビルをスケルトンリフォームした事例です。独立して少し暗く感じるキッチンを、間取り変更によってオープンキッチンにしました。独立する形で配置されているキッチンをリビングダイニングに取り込んで開放的なオープンキッチンにしたいときも、スケルトンリフォームでの間取り変更がおすすめです。
ダイナミックな吹き抜け

鉄骨造の戸建てをスケルトンリフォームした事例です。梁を補強して吹き抜けを設け、圧倒的な開放感を演出しました。住まいを構造部分だけにして全体的に改修するスケルトンリフォームでは、このように大胆な間取りの変更も可能です。
ホテルライクなバスルーム

マンションをスケルトンリフォームした事例です。間取りの変更によって、ワンルームスタイルの水まわりをご提案。ホテルライクなバスルームを実現しました。ガラスの間仕切りによって、伸びやかさと上質感が生まれています。
ゆとりある贅沢な玄関

戸建てをスケルトンリフォームした事例です。隣接していた洋室の一部を取り込み、玄関ホールを拡大しました。洋室の一部を取り込んだことで二面の窓から中庭を望めるようになり、開放感が大幅に向上しています。

間取り変更をともなうスケルトンリフォームの費用相場
間取り変更をともなうスケルトンリフォームの費用相場は、以下のとおりです。
マンション:35万円/㎡~(ほぼオーダーメイドの上級グレード)
広さ | 費用相場 |
---|---|
50平米 | 1,750万円~ |
60平米 | 2,100万円~ |
70平米 | 2,450万円~ |
80平米 | 2,800万円~ |
90平米 | 3,150万円~ |
100平米 | 3,500万円~ |
戸建て:木造 30万円/㎡~、RC造・鉄骨造 35万円/㎡~(高品質グレード)
坪数 | 費用相場 |
---|---|
30坪 | 2,970万円〜 |
40坪 | 3,960万円~ |
50坪 | 4,950万円~ |
60坪 | 5,940万円~ |
70坪 | 6,930万円~ |
80坪 | 7,920万円~ |
90坪 | 8,910万円~ |
100坪 | 9,900万円~ |
これらの金額はあくまでも目安であり、リフォームの内容や導入する設備、使用する建材によって金額が異なるので、正確な金額は見積りをとって確認するようにしてください。
*関連コラム*
スケルトンリフォームの費用相場&デザイン事例〈マンション・戸建て〉
スケルトンリフォームで間取りを変更するメリット
間取り変更をともなうスケルトンリフォームには、以下のようなメリットがあります。
間取りに関する不満を解消できる
今の間取りに対して不満がある場合は、スケルトンリフォームでの間取り変更がおすすめです。
スケルトンリフォームで間取りを変更すれば、間取りに対する不満を解消できるようになりますし、より快適に過ごせる理想的な間取りを実現できるようにもなります。
結婚や出産、子どもの独立など最適な間取りはそのときどきによって異なりますが、間取り変更をともなうスケルトンリフォームであれば、そのようなライフスタイルの変化にも柔軟に対応可能です。
一緒に建物の耐震性や断熱性も高められる
スケルトンリフォームでできるのは、間取りの変更だけではありません。耐震補強や断熱リフォームなど、建物の性能を高める工事も一緒に行えます。
耐震補強は戸建てのみが対象となりますが、断熱リフォームはマンションでも可能です。
住宅の性能を向上させる工事を間取りの変更と同時に進めることで、より快適で、より安心して過ごせる住まいになります。
建て替えに比べて費用を抑えられる(戸建て)
住宅の間取りは建て替えによって変更することも可能です。
ただし、建て替えは一度既存の建物を解体して新しい建物を建て直すため、どうしてもコストがかかります。一方、スケルトンリフォームでは、既存の構造部分を活かしながら間取りを変更するため、建て替えに比べると費用を抑えられるというメリットがあります。
固定資産税が上がらない
住宅の建て替えには「固定資産税が上がる可能性がある」というデメリットもあります。
間取り変更をともなうスケルトンリフォームも、内容によっては固定資産税が上がる可能性はあります。ただし、床面積が変わらないリフォームや構造・基礎部分に触れないリフォームであれば、固定資産税が上がることはありません。
間取りを気にせず物件を探せる

既存の中古物件の中から理想の間取りの物件を探すのは決して簡単ではありません。エリアや予算など、他の条件も満たしている物件を探すとなるとなおさらです。
スケルトンリフォームで間取りを変更することを前提に物件を探す場合は、後々リフォームで間取りを変更するため、既存の間取りを気にする必要がありません。その他の条件については注視する必要がありますが、間取りを気にせず物件を探せる点は大きなメリットです。
スケルトンリフォームで間取りを変更するデメリットと注意点
間取りをともなうスケルトンリフォームには、メリットだけでなくデメリットや注意点もあります。
部分リフォームに比べて費用が高くなりやすい
建て替えに比べると費用を抑えられるスケルトンリフォームでの間取り変更ですが、部分リフォームに比べると高くなるので注意が必要です。
スケルトンリフォームは、住宅の床や壁、天井を解体して一から作っていくため、どうしても費用がかかります。間取りの変更もともなうとなればなおさらです。
そのため、間取り変更をともなうスケルトンリフォームを行う際は、リフォーム会社とよく相談しながら、いくらかかるのかをしっかりと把握した上で進める必要があります。
工期が長くなりやすい
大掛かりな改修になるスケルトンリフォームは工期も長めです。
- ・マンション:設計期間2ヶ月~ / 工事期間3~4ヶ月
- ・戸建て:設計期間3ヶ月~ / 工事期間4~6ヶ月
実際の期間はそれぞれのケースによって異なりますが、工事だけでも3〜6ヶ月はかかると見ておくべきです。
設計期間も含めるとさらに長くなるので、長くなることを前提にしながらスケジュールを設定し、計画的に進めることが重要になります。
仮の住まいを用意する必要がある
住宅の床や壁を撤去してから進めるスケルトンリフォームは、住みながらリフォームすることはできません。仮の住まいを用意して、工事期間中はそこで生活しなくてはならないため、契約や引っ越しなどの準備を計画的に進めておく必要があります。
思い通りの間取りに変更できないこともある

スケルトンリフォームでは大胆な間取りの変更も可能だと紹介してきましたが、住宅の構造によって制限がかかることもあるため注意が必要です。
例えば、壁で建物を支える構造の住宅には撤去できない壁がありますが、その壁によって間取りの変更が制限されることがあります。また、水まわりの設備は排水のための勾配が必要になるので、充分な勾配を確保するのが難しいケースでは水まわり設備の移動をともなう間取りの変更が制限されることがあります。
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間取り変更をともなうスケルトンリフォームを成功させるコツ
間取り変更をともなうスケルトンリフォームを成功させたいのであれば、そのリフォームを得意としており、しっかりとした実績があるリフォーム会社に依頼するべきです。
住宅を全体的に改修するスケルトンリフォームには部分リフォームとは異なる知識やノウハウが求められるため、実績の少ない会社に依頼するのはおすすめできません。
間取り変更をともなうスケルトンリフォームの実績が豊富な会社は、ノウハウがあり、構造による間取り変更の制限を回避するプランやカバーするプランを提案するのも上手いので、より満足できる住まいにリフォームできる可能性が高くなります。
また、既存の住まいをリフォームするのではなく、これから物件を探してリフォームする場合は、物件探しからリフォームまでトータルで任せられるワンストップリノベーションの会社に依頼するようにしましょう。
ワンストップリノベーションの会社は、リフォームの内容をふまえながら物件を探してくれるため、構造によってリフォームの内容が制限されるなどのトラブルが発生しにくくなっています。
スケルトンリフォームで間取りを変更した事例
CRAFTで間取り変更をともなうスケルトンリフォームをしたマンションと戸建ての事例を、それぞれ紹介していきます。
キッチンをオープンにしてLDKを大空間に(マンションの事例)

こちらは、新しく購入したマンションを、間取りの変更も含めてデザインリフォームした事例です。
廊下をなくし、分かれて配置されていた水まわりの設備を一箇所にまとめてリビング・ダイニングを開放感のある大空間に。オープンにしたキッチンには、kitchenhouseのオーダーキッチンを配置しました。
また、もともとキッチンがあったスペースには、モールテックスの小上がりを設け、多趣味なご夫婦が思いっきり趣味の時間を楽しめるようになっています。
スケルトンリフォームで間取りの不満を解消(戸建ての事例)

こちらは、既存の戸建てに対する不満をスケルトンリフォームによって解消した事例です。築9年という新しい物件でしたが、「LDKが過ごしづらい」「浴室と寝室が離れすぎている」など、間取りに関する不満を抱えていました。
そこで、リビング横に配置されていた寝室を大きく移動し、LDKを拡大。寝室を浴室の隣に配置し直すことで、「浴室と寝室が離れすぎている」という不満もしっかり解消しています。
<まとめ>間取りの不満はスケルトンリフォームで解消できる
住まいの間取りに関する不満は、スケルトンリフォームで間取りを変更することで解消できます。
「LDKをもっと広くしたい」「生活動線を見直ししたい」など、住まいの間取りに関する不満についてはCRAFTにご相談ください。
CRAFTは、間取り変更をともなうスケルトンリフォームを得意としているリフォーム会社です。間取りに関する不満を解消して、より快適に過ごせる理想の住まいを実現いたします。
物件探しからリノベーションまでサポートするワンストップリノベーションも、ぜひお気軽にご相談ください。



<著者>上原 宏介
住宅関連のコンテンツ作成を得意とするライター。専門的な言葉や用語が多くわかりづらくなってしまいがちな建築・リフォーム関連の情報をわかりやすくお伝えしています。さまざまな媒体で建築・リフォーム・不動産関連のコラムを多数執筆中。